日付、年齢、電話番号を言う時や、買い物や飲食店での支払いなどに数字は欠かせません。ロシア語の数字はカタカナで表記すると長く感じますが、慣れてしまえばさほど難しくはありません。語尾の変化や名詞の性に関するルールが多いものの、使いこなせばとっても便利な数字表現です。
そこで今回は、ロシア語の数字表記を簡単に習得できる7つの法則をご紹介します。
ロシア語の数字表記を簡単に習得できる7つの法則
1. 0〜10を暗記する
まずは0〜10までの数字を覚える必要があります。長く発音する音にアクセントをつけましょう。普段の生活の中で数をロシア語で数えたり、見かけた車のナンバーをロシア語で言ってみたりするとすぐ覚えられます。
0 ноль ノーリ
1 один アジーン
2 два ドゥヴァー
3 три トゥりー
4 четыре チィトゥィーり
5 пять ピャーチ
6 шесть シェースチ
7 семь スィェーミ
8 восемь ヴォースェミ
9 девять ヂェーヴィチ
10 десять ヂェーシチ
なお、英語の数字の数え方については以下の記事で詳しく解説しています。比べて覚えるとさらに理解が深まりますので、一読してみてください。
2. 11~19のロシア語数字
11~19の数字の読み方は、 基本的には1から9のロシア語に「надцать」(ナーッツァチ)を付けるだけ。ただし、11と14はアクセントに注意。長いですが、アクセント以外のところを素早く発音することで覚えやすくなります。
11 одиннадцать アジーナッツァチ
12 двенадцать ドゥヴェナーッツァチ
13 тринадцать トゥりナーッツァチ
14 четырнадцать チィトゥィーるナッツァチ
15 пятнадцать ピトナーッツァチ
16 шестнадцать シスナーッツァチ
17 семнадцать スィムナーッツァチ
18 восемнадцать ヴァスィムナーッツァチ
19 девятнадцать ヂヴャッナーッツァチ
3. 20~99のロシア語数字は40と90に注意
まずは20~90までのきりのいい言い方を覚えましょう。
20 двадцать ドゥヴァーッツァチ
30 тридцать トゥりーッツァチ
40 сорок ソーらク
50 пятьдесят ピチヂシャート
60 шестьдесят シスチヂシャート
70 семьдесят スェーミヂシャット
80 восемьдесят ヴォースィミヂシャット
90 девяносто ヂビノースタ
まず、20、30については12、13とよく似ているので注意が必要です。
また、40はどうして突然変異みたいな形になったの?と思った方が多いかと思われます。語源辞典によると、昔は4にちなんでチトゥイりヂシャート等と読まれていました。それが、ロシアの漁師たちが毛皮40枚を入れる一袋「ソーラク」という単位が一般的に広まった結果、今に至るそうです。
90に関してもヂェーヴィチヂシャットなどとは言いません。ほとんど100(ストー)に近いことからヂビノースタと覚えましょう。
その間の数については、英語や日本語と同じく、10の位と1の位を組み合わせるだけ。21(ドゥヴァーッツァチ アジーン)53(ピチヂシャート トゥりー)99(ヂビノースタ ヂェーヴィチ)など。
4. 100~900のロシア語数字
基本的には1から9までの数字と100(ストー)を組み合わせるだけなのですが、2(ドゥヴァー)がドゥヴェーになったり、ストーがソートになったり…なかなか覚えづらいです。何度も繰り返し覚えてください。
100 сто ストー
200 двести ドゥヴェスチー
300 триста トゥりースタ
400 четыреста チトゥィーりスタ
500 пятьсот ピチソート
600 шестьсот シェスチソート
700 семьсот スィミソート
800 восемьсот ヴォスィミソート
900 девятьсот ヂヴィチソート
5. 100,000までは1000を数える
1000 тысяча トゥィーシチャ
2000 две тысячи ドゥヴェー トゥィシャチー
3000 три тысячи トゥりー トゥィシャチー
4000 четыре тысячи チトゥィーり トゥィシャチー
5000 пять тысяч ピャーチ トゥィシチ
6000 шесть тысяч シェスチ トゥィシチ
6. 英語と同じ、ミリオーン・ビリオーン
999,999の上は1,000,000。Миллион(ミリオーン)です。百万ですね。
そしてСто миллионов(ストー ミリオーノフ)で1億です。この次の単位は1,000,000,000で10億。Биллион(ビリオーン)と、英語と同じ方法で数を表します。アクセントは英語と異なるので注意ですね。
余談ですが、スラングではミリオーンはリモーン(лимон / レモン)と言われます。発音・綴りが似ているからです。レモンが百万なら10億はスイカだ、ということでビリオーン(арбус / スイカ)とも言われます。面白いですね。
なお、ロシア語で汚い言葉は以下の記事にまとめています。ロシア人の前で間違って使わないよう確認しておきましょう。
7. 上級者向け:便利な単位の表現と語末の表現
何人、何個、何本…日本語の数の数え方にはたくさんの種類があります。ロシア語でも数字の後に名詞や単位をつけて数字を表現します。以下にいくつか挙げておきます。
日本語や英語と大きく異なる所は、これらの名詞や単位が前に来る数字の1の位によって3つの形に変化することです。
(1) 1の位が1の時(ただし11や211など、「11」が含まれる場合を除く)
(2) 1の位が2~4の時(ただし12や14、213、2014など、「12~14」が含まれる場合を除く)
(3) 1の位が0、5~9の時と下二桁が11~14の時
・~歳、~年
1. год 2. года 3. лет
・~ルーブル
1. рубль 2. рубля 3. рублей
・~メートル
1. метр 2. метра 3. метров
・~個
1. штук 2. штука 3. штуков
・~日
1. день 2. дня 3. дней
・~時間
1. час 2. часа 3. часов
英語の単数・複数以上にややこしいですね。でも大丈夫。語末が正しく言えなくても、数字が正しく言えればおそらく通じます。ここでは軽く触れましたが、さらにロシア語を磨きたい方は文法書でしっかりマスターしてください。
まとめ
いかがでしたか?
ロシア語の数字表記は私たちにとって馴染みがなく、発音も長いように感じられます。また、厄介なことに名詞の性や数によって、或いは文脈の中で数字をどう使うかによって、数字の語末が実に多様に変化します。これらを完璧にマスターするにはかなりの量のロシア語トレーニングが必要です。
一方で、日本語を勉強しているロシア人も、イチ、ニ、サン…と ヒトツ、フタツ、ミッツ…の違いなど、日本語の数字表現を難しく感じるそうです。私たちは数字を見ると、脳内ではついつい母国語で考えてしまいがちですが、外国語で考える習慣をつけることが上達への近道でしょう。
なお、ロシア語を覚える上でやはり挨拶は最初に覚えるべき言葉ですよね。以下にまとめていますので、こちらも合わせてチェックしてみてください。
ロシア語の数字表記を簡単に習得できる7つの法則
1. 0〜10を暗記する
2. 11~19のロシア語数字
3. 20~99のロシア語数字は40と90に注意
4. 100~900のロシア語数字
5. 100,000までは、1000を数える
6. 英語と同じ、ミリオーン・ビリオーン
7. 上級者向け:便利な単位の表現と語末の表現