世界には水道水が飲めない国もありますが、イタリアの水道水はどうなのでしょうか?イタリアで生活するとなると、現地のイタリア人はどのようにしているのか、また日本人も同じようにしても大丈夫なのか気になるところですよね。
今回は、イタリア在住の筆者が現地の水事情についてご紹介します。毎日飲む大切なお水のことなので、ぜひこの記事で正しい情報を知っておきましょう。
イタリアの水道水は飲める?在住者に聞く現地の9つの水事情!
1. イタリアの水は硬水
水の種類はカルシウムやマグネシウムなどのミネラルがどれくらい入っているかによって、硬水と軟水の2種類に分けられます。ミネラルが多く入っているのが硬水で、少ないのが軟水です。硬水の方が口当たりが硬く慣れていないと飲みにくく、軟水の方が口当たりが柔らかく飲みやすいです。日本の水は軟水ですが、イタリアの水は硬水に分類されます。
2. イタリアの水の特徴
イタリアの水の大きな特徴は石灰が多く含まれていることです。水道から出てくる水にも匂いが感じられ、慣れていないと気になるかもしれません。そして、この石灰はキッチンのシンクやシャワーブースなどに水分を残したままにしておくと、あとで真っ白な粉が残ってしまいます。
このようなことから、イタリア人の中には水分が残らないよう、シャワーの後に毎回ワイプで拭き取ったりする人もいます。それでも水回りはどうしても白っぽくなるので、イタリアの家では頻繁に専用の洗剤でこの白い粉が残らないよう掃除します。
3. イタリアの水道水は飲める
基本的にイタリアの水道水は飲めますし、多くのイタリア人が家庭では水道水を飲んでいます。実際には浄水ポットで水道水をまろやかにしてから飲んでいる人が多いです。日本人も飲んでも問題ありませんが、水の種類が違うので一気にたくさん飲むのは避けて、少しずつ様子を見ながら飲んだ方がいいでしょう。
硬水はお通じをよくする効果があると言われていますので、お腹がゆるくなりがちな人は特に注意が必要です。
なお、イタリアの現地おすすめ料理は以下の記事で特集していますので、飲み物と合わせてこちらもぜひチェックしてみてくださいね。
4. レストランでは水は有料
日本ではレストランで席に着くと、すぐにお水を持って来てくれる素晴らしいサービスがありますが、イタリアでは水も有料で注文しなくてはいけません。
レストランではまず飲み物を先に聞かれるので、食前酒やワインなどを注文するのと一緒に水も注文します。ガスが入っていない水がnaturale(ナトゥラーレ)、ガス入りの水がfrizzante(フリザンテ)です。
なお、レストランでそのまま使える便利なイタリア語フレーズを以下の記事にまとめましたので、旅行前にぜひチェックしてみてください。
5. おすすめの水ブランド
日本人におすすめなのはやはりミネラル分の少ない軟水のものです。ミネラル分が特に少ないのは、Sant’Anna(サンタ アンナ)で、パッケージには赤ちゃんの写真があります。またアルプス山脈からの天然水Levissima(ラヴィシマ)もミネラル分が少ないです。
そして、Acaua Panna(アクア パンナ)はイタリアではお母さんが新生児に与える水として知られています。
ここで紹介したミネラルの少ない水は、ミネラルウォーターではなくAcqua Oligominerale(アクア オリゴミネラーレ)と呼ばれます。地域によって水のブランドも異なるのですが、ここで紹介したものは比較的どこでも手に入ります。
6. どこで買うのがいいか?
持ち歩き用の500mlの小さいペットボトルはどこで買うかによって値段が大きく変わります。バールやテイクアウトのお店では大抵1ユーロです。パキスタンやバングラデシュの人などが経営するミニマーケットのようなお店で0.50ユーロくらいで買えます。
ただ、やはり一番安いのはスーパーマーケットです。6個入りのパックになっていても、自分で勝手に1本だけ取り出して購入できます。ラベルをよく見て、ガス無し(naturale)かガス入り(frizzante)か間違えないようにしましょう。
7. 自動販売機は無い
イタリアには飲み物の自動販売機はほとんどありません。見かけるのは大きな駅の構内くらいですが、故障していることも多いです。
日本に滞在したことのあるイタリア人は、至るところに自動販売機があることに驚いていました。イタリアで少し郊外などのお店が少ないところで出かけるときは、あらかじめペットボトルを持参していくことをおすすめします。喉が渇いても自動販売機は見つかりませんので注意してください。
8. 日本茶にはミネラルウォーター
イタリア滞在中に日本から持って来た緑茶やほうじ茶などで、日本の味を思い出してホッとひと息つくのもいいですよね。
イタリアで日本茶を飲むときには水道水ではなくてミネラルウォーターを使うのがおすすめです。イタリアの硬水ではたとえ沸騰させても、日本で飲むような味も風味も出ません。ぜひミネラル分が少ないミネラルウオーターを使ってみて下さい。
9. シャンプーや洗顔には注意
イタリアの水では飲むときだけでなく、シャンプーや洗顔のときも気をつけましょう。イタリアの硬水で日本のように毎日シャンプーしていると、すぐに髪の毛がバサバサしてきます。イタリア人で毎日シャンプーしている人は聞いたことがありませんし、気候も乾燥しているので毎日する必要はありません。
またイタリアの女性は拭き取りタイプのローションでメイクを落とし、水を使わずにクレンジングします。顔に水分が残るとだんだんと皮膚が固くなってくることがあります。
まとめ
いかがでしたか?
イタリアの水道水は日本とは随分違うことが分かりましたか?水を飲むことは日常生活に欠かせないことなので、事前に知っておくとイタリアでの生活にすぐに役に立ちます。自分の身体や体調を考慮しながら自分に合う水分の取り方をして、イタリアの水とうまく付き合って行きましょう。
イタリアの水道水は飲める?在住者に聞く現地の9つの水事情!
1. イタリアの水は硬水
2. イタリアの水の特徴
3. イタリアの水道水は飲める
4. レストランでは水は有料
5. おすすめの水ブランド
6. どこで買うのがいいか?
7. 自動販売機は無い
8. 日本茶にはミネラルウオーター
9. シャンプーや洗顔には注意