旅行雑誌やガイドブック等を読んでいると、スペインの治安はあまり良くない印象があります。ですが実際のところ、小さなトラブルが起こる可能性はありますが、スペインは決して危険な国ではありません。今回はあなたが安心してスペイン旅行を楽しむ為の「気をつけるべき7つのポイント」を考えてみましょう。
スペインの治安を徹底調査!気をつけるべき8つのポイント
1. スリ
一番被害件数が多いのがスリによるものです。一昔前はジプシーによるグループでのスリ被害がよく報告されました。依然として、特にアンダルシア地方ではジプシーによるスリが相変わらず多いようです。
しかし近年は、東欧系の、それも女性だけのグループ、或いは子供達のグループによるスリが多発しています。スペインの大都市、マドリッドやバルセロナでの東欧系によるスリ被害は非常に多く、それはヨーロッパでは大変有名で、観光地やその付近、駅や、特に地下鉄などは特に気をつけたい場所です。
大抵の手口は、知らないうちに彼らに囲まれていて、巧妙な仕草で貴重品を抜き取り、盗まれた物はその場で囲んでいる仲間の手から手へと渡っていきます。また依然として多いパターンが、「何かが付いていますよ」と親切そうな声を掛け、それをふき取る仕草と一緒に盗むか、或いは仲間がその隙を狙って盗みを働きます。
2. 置き引き
置き引きの責任はあなたにも責任があるのをよく知っておいて下さい。原則として、持ち物は手放さない。例えそれが一瞬でもです。よくあるのが、テラスなどでコーヒーなどを飲みながら携帯をテーブルに置いて盗まれてしまったというケース。まず、こういった場所では、テーブルには何も置かないように気をつけましょう。
バッグも同じで、無防備なテラスは勿論のこと、観光地や、人気で賑わっている場所などでも、基本は手から離さない、座る時は膝に置くことです。間違っても隣の椅子に置いたり、椅子に掛けるのはやめましょう。
最近目立って発生しているのが子供達による置き引きです。こちらも残念ながら東欧系のグループによる犯行が多いようです。未成年者を利用する組織化された犯行グループですので、子供だからといって甘く見ないようにして下さい。
3. 物乞い
スペインには観光名所、教会、、地下鉄、スーパーマーケットの入り口付近…、いろんな所で物乞いに出会います。多くの場合は声を掛けられますが、盗まれたりする被害はありません。ただ、タイプによって結構しつこく付きまとわれるケースもあります。
4. バッグの持ち方
基本的には斜めがけで、バッグが前に来る様に持ちます。そして出来るだけバッグに手を添えているようにします。バックパックの場合は、前にふくらみが来るように、つまり反対に持ちます。
ポケットに物を入れるのも厳禁。折りたたみの地図やハンカチ、ちり紙やガムなど、盗られても全然平気な物は構いませんが、ついつい何時もの癖で携帯やお財布を入れてしまう事があるのでご注意下さい。
5. 冒険は程々に
せっかく来たのだからと、冒険心に駆られていろんな所に足を運びたくなりますよね。でも危険地区は把握しておく必要があります。「足任せにドンドン歩いて、知らないうちに怪しげな場所に到着してしまった。その上夜になって帰るのに大変だった。」など今だからこそ話せる体験談。でもその裏には危険がいつ襲い掛かるか分からなかったという事実もあったのです。
また、夜の散歩も魅力的ですが危険もいっぱい。特に夏は日の暮れるのがかなり遅くなるので、ついつい夜の街に繰り出したくなります。しかし、夜は賑わっている場所はまだいいのですが、人気の無い場所や、どのような人がいるかわからない場所はかなり危険です。そしてそのような場所を把握し難いのが夜の怖さかもしれません。
それではどのように危険地区を知ればよいのでしょうか?一番手っ取り早いのが《ツーリスト・インフォメーション》を利用すること。地図を見せて、「どの地区が危ないか」とか、「この辺りを観光したいが危険な場所はあるか」など直接聞いて見ましょう。また宿泊しているホテルの人に聞いてみるのも良いでしょう。身近な情報が得られる可能性大です。
6. テロ事件
昨今の世界情勢から、スペインも世界的テロ組織に狙われる可能性が非常に高いです。覚えておられる方もいらっしゃると思いますが、2004年にイスラム過激派系テロリストグループによる、マドリッドで起きた《マドリッド同時多発列車爆発テロ事件》では191名の犠牲者と2000名以上の負傷者が出ました。
スペインのバスク地方のテロリストグループ《ETA》の事件はここ数年発生していません。2010年にテロリストグループから《武装闘争の停止》発表がありましたが、政府は恒久的な武装解除を要求しており、現在のところ平行線上にあります。従って《ETA》テロ組織が完全に消滅したわけではありません。
7. 人種差別
スペインは比較的親日家の多い国といえるでしょう。その一方、《超右翼》といったイデオロギーに傾く若者が増える傾向にあるのも現状です。不法移民者、移民者、ホームレスなどが差別の対象になります。その多くは極度な嫌がらせや暴力といった手段をとります。観光客とはいえ油断は出来ません。
また、イデオロギーの違うグループ同士の喧嘩にも巻き込まれないように気をつけましょう。こういったグループは非常に攻撃性が高く、敵対する人を傷つけることも平気です。もしそういう場面に遭遇したら直ちにその場から逃げて下さい。
8. もし被害に遭ったら…
警察へ連絡。そしてクレジットカードやトラベラーズチェックが盗まれたら発行銀行へも即連絡しましょう。マドリッドやバルセロナの警察では英語が通じるようですが、スペインどこでもとはいかないので、もし困った時はマドリッド日本大使館(スペイン国内から 91-590-7600)やバルセロナ日本領事館(スペイン国内から 93-280-3433)に連絡をして下さい。
尚、スペイン国家警察が夏のキャンペーンとして、《外国人観光客専用電話サービス》を行っています。残念ながら日本語サービスはありませんが、英語のサービスは9時から21時迄です。電話番号は、902 102 112です。
まとめ
スペインの治安を徹底調査!気をつけるべき8つのポイント
1. スリ
2. 置き引き
3. 物乞い
4. バッグの持ち方
5. 冒険は程々に
6. テロ事件
7. 人種差別
8. もし被害に遭ったら…