日本より物価が安いというイメージがある韓国ですが、ここ数年の物価上昇率と現地生活者として体感する物価は、日本と変わらない、あるいは日本より高いのでは?…と感じるほどです。在韓の日本人主婦の間でも、食費や教育費の高さがいつも話題になるほど、韓国の物価は上昇しています。今回は、現地在住者である筆者の体験談を混ぜながら韓国の物価を徹底分析し、韓国旅行前に知るべき7つのポイントについてご紹介します。
韓国の物価を徹底分析!旅行前に知るべき7つのポイント
1. 韓国の通貨、ウォン(Korean Won)について
韓国の通貨単位はウォンで、平均的に日本円と10対1の為替レートを保っています。最近は円安ウォン高が続き、9対1前後のレートで動いていますが、手っ取り早くウォンを円に換算する際、1000ウォンなら100円…というように、ゼロを一つ減らせば大体の価格が予想できます。
韓国ウォンは1000ウォン札、5000ウォン札、10000ウォン札、50000ウォン札と4種類、小銭も10ウォン、50ウォン、100ウォン、500ウォンの4種類があります。
1000ウォンからお札であることと、数百円の買い物にもクレジットカードが使えること、市場や露店以外ではカード払いを拒否するお店が少ないこと、スマホ決済などの導入などを背景に、韓国人は現金、特に小銭をあまり使わない傾向があります。
最近は外出時に携帯電話のカバーにカードを1~2枚入れて持ち歩くと、財布がなくても特に不便を感じることはありません。
韓国の電子マネー事情については以下の記事をぜひ一読ください。
2. 韓国人の平均的な生活レベル
物価が高くなる一方の韓国ですが、平均的な韓国人の世帯収入はどの程度なのか、気になるところです。世代間、企業間の年収格差が年々広がる状況なので一概には言えませんが、最近発表された韓国の一世帯当たりの月平均所得額は約452万ウォン(約50万円)で、月平均の支出額は350万ウォン(約39万円)ということです。さらに、世界で生活費が最も高い国ランキングによると、韓国は18位にランキングされ、20位の日本よりも生活費が高くなっています。
いずれにしても収入の伸びに比べ支出額が大きくなっているのは事実で、特に韓国の場合、「私教育」と呼ばれる学校以外の子供の塾代、教育費が家計を圧迫している特徴があります。その他、お金に関わる一般的な韓国人の特徴をあげると、コツコツ貯金することより、お金を運用し、株や不動産に投資することに積極的なこと、割り勘の習慣が薄いこと、分割払いを好むこと…等があげられます。
また、韓国に住むとなると、物価と合わせて韓国独自の価値観やルールなどを知る必要があります。以下の記事に詳しくまとめていますので、移住前にチェックすることをおすすめします。
3. 賢い交通機関の利用法
さて、韓国旅行者にとって最も気になる移動方法についてですが、韓国の公共交通料金は日本よりもかなり割安で、安全面、利便性の上でも大変利用しやすいと言えます。
最も利用しやすいのはやはり地下鉄で、ソウル市内ならほとんどの場所に200円以内で移動できるでしょう。現地生活者にとってはバスも大変便利なシステムではあります。以下の記事を読むと概要がわかるので、使ってみたい人はこちらをぜひチェックしてください。
次にタクシーですが、初乗り料金が3000ウォン(330円)程度なので、複数で移動する場合はタクシーが安くて便利でしょう。一般庶民のタクシー利用率も日本よりは高く、深夜に一人で利用しない限り、安全な移動手段と言えます。但し、近距離の場合は、タクシー乗り場で長時間客待ちしているタクシーよりも、流しのタクシーを拾うことをお勧めします。
なお、韓国のタクシー事情については、以下に詳しく解説していますので、こちらも合わせて読んでおきましょう。
また、韓国は国内の長距離移動の交通費が日本に比べて大変安い国です。例えばソウルから釜山(プサン)まではKTXという高速列車で2時間45分所要、料金は58800ウォン(6500円)、飛行機でも80000ウォン(約8800円)程度です。金浦空港から南のリゾート島、済州島(チェジュ島)までの飛行機料金は片道1万円前後です。国内移動料金が安いので、ソウル以外の都市へ気軽に足を伸ばす旅も素敵ですね。
また、韓国へ行く方法として、隣国ならではのフェリー旅が可能です。以下の記事でフェリー旅行の魅力を紹介していますので、是非チェックしてみてください。
4. 割安な食事、割高なカフェ
韓国と言えば、グルメ!というほど、韓国料理を思い切り食べる目的で旅行に来る観光客が多いようですが、一般的な食事料金は日本に比べてまだまだ安いと言えます。
韓国の会社員の平均的なランチ価格は7000~8000ウォン(700~900円)という統計があり、以前のように5000ウォン以内で食べられるメニューは減りつつあります。それでも日本に比べるとかなりボリュームがある上、無料で出されるキムチやおかずの種類が多いため、割安感を十分に感じられるはずです。
勿論、高級レストランやホテルでの食事は日本と同じか日本以上に高いかも知れませんが、街中で気軽に食べる庶民的な韓国料理は、昼食、夕食のいずれもお腹一杯食べて一人1000円程度が平均でしょう。トッポッキ、韓国おでん等、屋台で買えるおやつ類は1000ウォン~2000ウォンです。時間もお金もない時は、屋台やキンパ(韓国のり巻き)がおススメです。ただ、洒落たカフェでのお茶やデザート類、イタリアン等の洋食は日本よりも高くつくことも多々あります。
なお、おすすめの韓国料理は以下の記事で詳しく解説していますので、旅行前に必ずチェックしておきましょう。
5. 大型マートを上手に利用しよう
せっかくだから韓国ならではの物を安くゲットして帰りたい!…という観光客の方にお勧めしたいのは、大型マートでのお買い物。韓国には全国どこにでも、イーマート、ロッテモール、ホームプラス等の大型マートがあり、韓国人は週に1~2度は大型マートで買い物…というライフスタイルが定着しています。
ソウル中心部なら、ソウル駅にあるロッテマートがおすすめです。大型マートの利点は、価格が明確でぼったくられることもなく、品質的にも安心できる商品がワンスポットで買い物できるという点。食料品を中心に低価格での買い物が可能なので、海苔やキムチ、調味料、お菓子などのお土産をまとめ買いするのも良いでしょう。食糧品以外にも、PB(プライベートブランド)の衣類や下着、スポーツウェア等が意外と充実しており、フードコートやカフェ等も店内に併設されているので、時間の余裕を持ってゆっくり大型マート巡りを楽しむのも良いでしょう。
また、ショッピングする際には以下を読んでおくことをおすすめします。少しでも韓国語がわかると、店員さんとのやりとりが楽しくなりますよ。
6. 日本より安いお得なお買い物
日本で買うより安くて品質の良いもの…と言えば、まずは海苔やキムチ、韓国味噌やソース等の食料品があげられます。お酒好きな人には、韓国の伝統酒やマッコリ、焼酎等が割安でおすすめです。健康に関心の高い人には高麗人参や多様な伝統茶、韓国の伝統菓子等を吟味することが楽しいはず。ファッション好きな方には東大門市場、アクセサリーや子供服に興味がある方には南大門市場を訪れてみてください。
また、東大門、南大門市場の他にも、ソウル市内には大きな市場がいくつかあり、漢方薬材や薬草で有名な京東市場、生地や反物が豊富な広場市場などが地下鉄でアクセスしやすい位置にあります。市場の活気溢れる雰囲気を楽しみ、市場ならではの屋台やB級グルメにも是非トライしてみてください。
なお、お土産におすすめのショップ特集を以下の記事でまとめていますので、合わせてチェックしてみてくださいね。
7. 日本より逆に高い物
最後に、日本より逆に高い物についてまとめましょう。タバコやガソリン代、100円ショップのダイソー(100円以外の値札が多い)、ユニクロ、牛肉、お寿司、イタリアン等の洋食やカフェ、上品なケーキ類…等がまずは思いつきます。
その他、全般的に輸入製品の価格が日本より高く、最近オープンしたイケアの価格設定も日本より高いと話題になりました。良質なコーヒー豆、紅茶や緑茶も日本より2割以上高く、種類も豊富ではありません。
まとめ
いかがでしたか?
韓国の物価事情についてざっくりとお伝えしましたが、事前知識を持って上手にお金を使えば、まだまだ十分なお得感を楽しめるかと思います。日本と変わらない値段にがっかりすることも多々あるかと思いますが、日本では簡単に手に入らないモノや、体験できない雰囲気、味わいを求めて韓国を楽しむと、ワンランク上の素敵な旅になるはずです。
韓国の物価を徹底分析!旅行前に知るべき7つのポイント
1. 韓国の通貨、ウォン(Korean Won)について
2. 韓国人の平均的な生活レベル
3. 賢い交通機関の利用法
4. 割安な食事、割高なカフェ
5. 大型マートを上手に利用しよう
6. 日本より安いお得なお買い物
7. 日本より逆に高い物