南ドイツの要となる都市ミュンヘン。観光地として絶大な人気を誇るこの都市は、観光客に快適な旅を提供するため美しい空港も完備しています。それがミュンヘン空港、別名フランツ・ヨーゼフ・シュトラウス空港です。年間最高で3100万人の旅客人員があり、ドイツで二番目の玄関口となっています。今回は、ミュンヘン在住所筆者が、旅行前に知っておくと便利なミュンヘン空港の情報をご紹介します。
ミュンヘンの空港を徹底調査!旅行前に知るべき7つの特徴
1. ミュンヘン空港とは
ミュンヘン空港は、1992年5月に開港したミュンヘン郊外に位置する、バイエルン地方の空港です。ルフトハンザドイツ航空、スターアライアンスのハブ空港であり、日本へはルフトハンザ航空が直行便を運航しています。日本の航空会社では、全日本空輸(ANA)でも直行便を利用することができます。世界各地へ向かうための最も便利な出発地のひとつと謳われており、イギリスの調査会社SKYTRAXによる調査で「欧州一の空港」に選ばれたこともあります。当空港には飛行機を利用する旅行者はもちろん、空港自体にエンターテイメントを求める人も多く訪れます。まず、そんな空港としては少し珍しい特徴を持つ、ミュンヘン空港の施設をご紹介しましょう。
2. 空港内限定のビールで乾杯
ミュンヘン空港のターミナルは2つ。このターミナル内とその間にある中央エリアでは、空港内の自家醸造所で作ったビールを楽しむことができます。空港内の敷地にビール醸造所を構えるのは、世界広しといえど ミュンヘン空港だけ。エアブロイと名付けられたこのビール醸造所では1日に1400リットルものビールが作られています。常時提供されるビールは、へレスビール(Helles Bier)とヴァイスビール(Weiss Bier)の2種類。へレスビールは、南ドイツでよく飲まれる明るい小麦色のビール。一般的にあっさりした口当たりで日本人でも飲みやすいブランドです。ヴァイスビールも、ドイツでよく飲まれる白ビール。ソフトな口当たりのものが多く、女性におすすめです。その他季節によってシーズンビールが提供されます。空港内の醸造といえど、その味は折り紙つき。多くのビール好きがこのビールを求めてやってくるのです。
3. 多様な娯楽施設が連なる中央エリア
ミュンヘン空港は、単なる空港以上にエンターテインメント性を持った珍しい空港です。ターミナル1とターミナル2を繋ぐ中央エリアは前述した自家醸造ビールを提供するビアガーデンの他、多様な飲食店やショップ、ホテルなどが集まる複合施設となっています。冬にはこのエリアでクリスマスマーケットが開かれます。自家醸造のビールで身体が冷えてしまったと思ったら、すぐにマーケットでホットワインを購入することができるというわけです。
4. 市内へのアクセス:列車(Sバーン)
さて、空港を堪能したら、さっそく市街地に向けて出発しましょう。市内へはSバーンと呼ばれる電車を利用することをおすすめします。空港のいたるところに「S」と緑色でかかれた看板がありますので、それにしたがって進めば駅に着きます。注意したいのは、切符の購入。ヨーロッパでは日本の改札口のような機械が設置されていることは稀で、切符を持たなくてもホームに入ることができます。その上切符売り場が分かりにくいので、知らぬ間にキセルになってしまった、なんてことも。切符を持たずに乗車して、運悪くチェックが入れば有無を言わずに60ユーロを請求されます。「知らなかった」は通用しないので、確実に切符券売機を見つけて購入して下さい。中央駅(Haubtbahnhof)までの運賃は10ユーロ程。約40分で到着します。
5. 市内へのアクセス:シャトルバス
大きな荷物を持って電車での移動は難しい…。そんな時は、空港から中央駅を走るシャトルバスを利用するのも良いかもしれません。ルフトハンザが提供するシャトルバスは20分間隔で早朝から22時台まで運航しています。こちらもおよそ10ユーロで約45分なので、交通状況が通常通りであれば、電車での移動と大きく違いはありません。事前に予約も可能です。アクセスとして、タクシーはおすすめできません。ミュンヘンのタクシーは料金のごまかし、いわゆる「ぼったくり」は少なく 概ね信用できますが、中心街まで少なくとも70ユーロかかることを考えると、電車かバスの利用が賢明でしょう。
6. ショッピング、食事、インターネット…待ち時間を有効活用
帰りのフライトでまず購入を考えるのはお土産でしょう。ミュンヘン空港のターミナル内と前述した中央エリアには併せて150ほどのお店があります。旅行のお土産用のギフトショップだけでなく、服飾、革製品、装飾品など多種多様なお店があるので、ギフト選びのついでにショッピング というのも楽しいかもしれません。また、およそ50店舗の飲食店を擁しており、ドイツ料理の他に地中海料理、アジア料理など、その日の好みで食事を選ぶことができます。海外の料理に疲れた人は「ご飯にお味噌汁」というメニューを選択することもできるのです。空港ターミナル内にはラウンジも充実しているので、サロン的な雰囲気の中で出発のひとときを過ごすのもいいでしょう。30分間 無料のWi-Fiが使用可能で、インターネット環境の心配もありません。
7. 空港内での注意すべきこと
ミュンヘンはヨーロッパ内では安全性の高い都市と言われています。しかし、そうは言っても海外ですので油断は禁物。アジア人は特に目立ちますし、カモにされやすいことを念頭に置いておきましょう。空港内や市街地などの人通りの多いところではスリや置き引きが多発しています。盗まれやすいところに貴重品を入れない、路上でお金を数えるなど目に入るところで大金を出さない、かばんは身体から離さないなど、日本ではついつい油断してしまうことですが、時には命取りになってしまいます。また、空港内で知らない人から荷物やお金を受け取ることは大変危険です。知らないうちに「クスリの運び屋」になっていて、逮捕されてしまうなんてことも。実際にこういった事件はドイツ国内で起こっていますので、細心の注意が必要です。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
ミュンヘン空港は「単なる玄関口」以上のサービスを提供する珍しい空港です。せっかくそんなミュンヘン空港を利用したのなら、ただ通り過ぎるだけではもったいない。自家醸造のビールを片手に、ビアガーデンで様々な国の人々と交流してみるのも楽しいかもしれません。生真面目なドイツ人ですが、ビールを飲んでいる彼らは普段よりずっとフレンドリーです。旅の思い出に、「Prost!(乾杯!)」と叫んでみましょう。あなたのミュンヘン旅行が、より楽しいものになりますように。Viel spaß!(楽しんで!)
ミュンヘンの空港を徹底調査!旅行前に知るべき7つの特徴
1. ミュンヘン空港とは
2. 空港内限定のビールで乾杯
3. 多様な娯楽施設が連なる中央エリア
4. 市内へのアクセス:列車(Sバーン)
5. 市内へのアクセス:シャトルバス
6. ショッピング、食事、インターネット…待ち時間を有効活用
7. 空港内での注意すべきこと