イギリスの葬式・葬儀事情がわかるものといえば、世界的に大ヒットした映画「Four Weddings and a Funeral(邦題:フォーウェディング)」ではないでしょうか。イギリスの典型的アッパーミドルクラスの人たちのユーモアかつ人生模様でしたが、映画で出てくる葬儀シーンこそがイギリス人の葬儀事情をよく表しています。今回は、実際にイギリス人はどんなお葬式をするのか詳しくご紹介していきましょう。
イギリスの葬式・葬儀にまつわる7つの豆知識!
1. イギリスでの葬式・葬儀ってどんな格好をするの?
イギリスでもお葬式にはカジュアルな格好をされる方が多いです。「絶対に黒の服でなくてはならない」ということもなく、ドレスコードもありません。大体は、男性は、ダークスーツとシンプルなシャツ、黒かもしくは暗い色のネクタイ、明るいものは不適切です。女性は、地味な色のワンピースなどシンプルで優雅な服を着用ください。帽子は必須ではありませんが、フォーマルな式典などでは必要でしょう。アクセサリーも真珠のネックレスや金のアクセサリーも大丈夫です。華美にならない程度で、あくまでもドレッシーな服装に合わせてください。また靴ですが、墓地に行く際にはハイヒールは足を取られることがありますので、ヒールは低いもので。(墓地に行かないケースもあるのでそれは確認して)子供はブレザーなどを着用し、シンプルな服装のほうがよいでしょう。
2. イギリスの葬儀へ参列するときのルールって?
特に何かを持っていく、というものはなく、お香典を渡すというものも基本的にないようです。近くの教会であげられる場合は、教会にお花が飾られ、そこに「MRXXのお葬式」と書かれたプラカードが飾られます。棺は祭壇中央に置かれ、長椅子には黒のリボンとお花がかけられてそれを見てああ、今日はお葬式なんだ、と思うわけです。
3. イギリスの葬儀ってどんなもの?
葬儀の仕方は、その宗派や家庭によって違いますが、教会で式をしたあと、列席者と共に火葬場へ行き司祭がお祈りを上げてもらいます。そのあと、近くのパブで軽食を食べて故人の思い出と噂話に花を咲かせて終了。では、ご遺体はどうなるのかというと、火葬場で焼いてもらった後、葬儀会社から直接お墓へ埋葬してもらうとか。最近は、葬儀会社も色々な商品を持っているらしく、自社の教会ですべてできます、というところも現れています。
4. 葬儀代は10万円台でできるって本当?
イギリスの葬儀代は日本に比べて安い、と言われていますが、BBCの調べでは現在のイギリスでは平均3600ポンド(約60万円)、お花や墓石などを入れると6000ポンド(約97万円)かかります。墓地を買うということになったら土地価格の変動、葬儀ディレクターのコストがかかるなど色々とあるようで年金生活者などからは「葬儀貧困」に陥る人も出ているそうです。日本より安いと感じますが、香典などの制度がないのですべて故人家族の出費となります。
5. イギリスのお墓事情
教会にお墓を建てる、分譲の霊園にお墓を建てるもしくは教会の納骨堂に収めるなど色々な方法があります。最近は葬儀会社も納骨堂を持っているのでそこに収めることもできます。しかし、中には火葬してもらい骨を好きな場所にまいてもらう「散骨」を希望する人も多いようです。理由は「死んでからは自由に」とも「お墓が高いから」ともいわれています。
6. 葬儀では泣かないというのは本当?
イギリス人が葬儀で泣かない、というのを聞いたとき「へー」と思ったのですが、イギリス人の友人に聞くと「ああ、お葬式にはトラブルがつきものだから…」と平然と答えられました。何があったの?という問いに「うちの母のお葬式に、父が愛人連れてきた…。あれを見たら涙が引っ込んだわ」と。その後の話は聞けませんでしたが、今まで隠されていた秘密の趣味や人間関係の修羅場が露見することが多いようです。一番の修羅場は、やはり「財産問題」とのこと。なぜならお葬式って今まで会ったことがなかった親戚が集まるのでこのときになんとか話をつけないといけないからのようです。
7. 葬儀に関わる面白い話
男性も女性も葬儀にはエレガントな服装をおすすめします、と言われていますがこれには一つ理由があるように思います。なぜなら、「友達のご主人の葬儀に出て、運命の人と出会った」と言う話を複数聞いたことがあるのです。故人の思い出に花を咲かす人たちの集いには、故人の会社の仲間や幼なじみといった人たちも来ます。そういう人は大抵この日が初対面。ですが、共通の友人なのでどこか似たり寄ったりの趣味や趣向があるものらしく、「話がすごく合うし前から友達みたい」「すごく楽しい」と思うことが大いにあるらしく「じゃあ、このあと他のパブで飲もうか」と二次会に出かける人や名刺交換などして後日会う人も。運命じゃなくてもそのあと家族ぐるみの友達になっている人もいるので本当に人間とはわかりません。「不謹慎じゃない?」と思われるかもしれませんが、自分の死を悼み悲しむ友人たちが仲良くなることは故人も喜んでいるように思えます。それに、普通にパブで知り合うよりもこれほど身元がわかる安全な出会いの場はありません。ただ、はじめからガッツリ「出会いを求めて」と言う人はいないようですが。
男性も女性も葬儀にはエレガントな服装をおすすめします、と言われていますがこれには一つ理由があるように思います。なぜなら、「友達のご主人の葬儀に出て、運命の人と出会った」と言う話を複数聞いたことがあるのです。故人の思い出に花を咲かす人たちの集いには、故人の会社の仲間や幼なじみといった人たちも来ます。そういう人は大抵この日が初対面。ですが、共通の友人なのでどこか似たり寄ったりの趣味や趣向があるものらしく、「話がすごく合うし前から友達みたい」「すごく楽しい」と思うことが大いにあるらしく「じゃあ、このあと他のパブで飲もうか」と二次会に出かける人や名刺交換などして後日会う人も。運命じゃなくてもそのあと家族ぐるみの友達になっている人もいるので本当に人間とはわかりません。「不謹慎じゃない?」と思われるかもしれませんが、自分の死を悼み悲しむ友人たちが仲良くなることは故人も喜んでいるように思えます。それに、普通にパブで知り合うよりもこれほど身元がわかる安全な出会いの場はありません。ただ、はじめからガッツリ「出会いを求めて」と言う人はいないようですが。
まとめ
いかがだったでしょうか。
「イギリスのお葬式ってカジュアルなのね」とよく言われます。筆者の経験をお話しますと、初めて行った葬儀はブルーカラーの人のお葬式で、その時「あ、ラフでいいんだ」と思い、二回目の時、それを参考に参列したら、相手はアッパーミドルの方々で、一人で浮いてしまった、ということがあります。イギリスは階級社会ということをお忘れなく。実際に長年住んでいても、その国の人間でしかわからないニュアンスというものはあります。もしお葬式に出かけられることがありましたら、必ず服装の確認はされたほうがいいでしょう。
イギリスの葬式・葬儀にまつわる7つの豆知識!
1. イギリスでの葬式・葬儀ってどんな格好をするの?
2. イギリスの葬儀へ参列するときのルールって?
3. イギリスの葬儀ってどんなもの?
4. 葬儀代は10万円台でできるって本当?
5. イギリスのお墓事情
6. 葬儀では泣かないというのは本当?
7. 葬儀に関わる面白い話