日本に春が訪れるのは3〜4月ですが、ここ南半球のオーストラリアでは秋冬に差し掛かり、風邪やインフルエンザが流行し始める少々困った時期です。そこで今回は、オーストラリアの人たちが風邪やインフルエンザにかかった時、どういう対策をしているのかご紹介します。
オーストラリアのインフルエンザや風邪にまつわる6つの豆知識!
1. やっぱり流行るのはこの二つ
オーストラリアにおいて、冬に最もかかりやすい病気といえば、日本と同じ、風邪とインフルエンザでしょう。長い夏が終わって3月に入り、日中も冷え込むようになると、薬局にはこの二つをターゲットにした薬が棚に所狭しと並び、今年の流行りの風邪のタイプは何か、がこの時期の共通の話題になっていくのも同じです。年によって、のどからくるもの、お腹にくるものと様々あり、家族1人がもらってくると一家全員に順番にうつるのも同じパターン。毎年のこととはいえ、看病する側は大変ですね。
2. 医者に行かない?
意外ですが、オーストラリアではいわゆる風邪薬は存在しません。風邪による諸症状(咳、のどの痛みなど)を緩和するための感冒薬や解熱剤はありますが、それはあくまで症状があまりにもひどい場合に体力を温存するためであり、医者にかかっても「ビタミンCと水をたくさんとって、よく寝なさい」と、処方箋もなしで帰されるのが一般的です。オーストラリアでは、過剰な投薬は逆に患者にとっては有害な場合が多い、という考え方が強く、風邪くらいならその人が元来持つ自然治癒力で治るものだ、とみなされています。なので、日本のように風邪にかかったからといってすぐ医者に来るのは大げさなことであり、また、処方箋もほとんど出す必要がないため、医者ができる治療はほとんどないのです。また、風邪などの感染症にかかった場合、治る前に職場や学校など人の多い場所に来ることは、他人にうつす危険性が高い無責任な行為として歓迎されません。もし、風邪にかかったら、とにかく治るまで家でゆっくり休む、これがオーストラリア流の治療法といえます。
3. 困った時はハチミツ?!
喉の痛みや熱などしつこい症状に悩まされる時、オーストラリアではまず薬局に行きます。そこで薬剤師の方のアドバイスを受けながら、市販薬を買ってのむところまでは日本と同じですが、勧めるものが少し違うのがオーストラリアの侮れないところ。例えば、咳や喉の痛みによく勧められるものはなんと、マヌカハニーというハチミツです。これはティーツリーという殺菌作用の強い木からとれるハチミツで、これを必要に応じてスプーン一杯ずつ飲むと症状が和らぐとされています。ですので、オーストラリアの薬局なら、マヌカハニーが必ず並んでいます。また、鼻づまりで眠れない時は加湿器や枕にユーカリオイルを数滴たらせば、鼻づまりと呼吸が楽になるとよく知られており、オーストラリアの家庭ならこの二つはかなりの確率で常備しているといわれる、頼もしい存在です。さらにビタミンCが風邪の時の体力回復に役立つのは常識ですが、エチナセアや亜鉛も風邪が長引かないようにするために重要なサプリメントとして人気です。また解熱剤ならパナドール、またはニューロフェンという市販薬が有名ですが、これも特に子供相手にはぐったりして動かない、38℃以上の高熱時など、本当に必要な時だけ使うように、と念を押されます。また、抗生物質は余程の事がない限り、処方されません。普段は陽気で大らかなオーストラリア人ですが、薬に関しては意外に神経質で、自然食品をできるだけ使う治療法が人気なのです。
4. 風邪の時にはチキンスープ
風邪にかかってしまったら、弱った胃腸にも優しいチキンスープを食べるのが常識です。日本のお粥と同じく、体を温めつつ、食欲がない時にも食べられるメニューが病気の時には嬉しいですよね。作り方も簡単で、お好みの野菜と鶏肉を鍋に入れてコトコト煮込むだけ。これを温かい内に食べて、ゆっくり眠ればしつこい風邪でも撃退間違いなしです。最近では、お湯でとく粉末タイプのレモン飲料も手軽なビタミンC補給として人気です。
5. 風邪予防にはあのフルーツ
オーストラリアでは”An apple a day keeps the doctor away.”(1日1個の林檎で医者知らず)ということわざが表すように、林檎をよく食べることが健康の秘訣、という考え方が浸透しています。ランチタイムにはデザートに林檎を丸かじり、という人も多いので、スーパーでは日本のそれより一回り小さいサイズの林檎が人気です。また、乾燥しやすい気候のため、のどを痛めやすいので、そんな時には前述のマヌカハニーをなめたり、ビタミンCやエチナセアのサプリメントを摂るなどして、悪化しないよう予防する人も多いです。
6. あの香りがたまらない?!
風邪は特効薬がないため、とにかく予防第一!普段から家周りを清潔にすることが感染予防に重要です。そんな時にオージーがよく使うのはこれまたユーカリオイル。このオイルは、病院でも清掃時に使われる程の高い殺菌力で有名で、特に汚れやすい水周りには水で薄めて拭くだけでかなりの消毒効果が見られます。またペパーミントのような独特の香りも、慣れてしまえばリラックスする気がしてくるのが不思議なところ。家に人にと大活躍するのがこのユーカリオイルなのです。
まとめ
いかがでしたか?
オーストラリアでも冬になれば日本と同じような病気が流行しますが、対処法が一味違うところに国民性が表れていて面白いですね。日本の治療法を知っていると、オーストラリアの医者が自然療法をすすめることに最初は驚く人も多いのではないでしょうか?でもそこにはちゃんと理由があるので、慣れてしまえば納得の方法です。あなたも試してみてはいかがですか?
オーストラリアのインフルエンザや風邪にまつわる6つの豆知識!
1. やっぱり流行るのはこの二つ
2. 医者に行かない?
3. 困った時はハチミツ?!
4. 風邪の時にはチキンスープ
5. 風邪予防にはあのフルーツ
6. あの香りがたまらない?!