豊かな自然に恵まれたオーストラリアでは、小さい頃からスポーツに親しんで育つ人が多く、中でも水泳やサーフィンなどのウォータースポーツは幅広い世代に人気です。オリンピックはそんなスポーツ好きオーストラリア人にとって、見逃せないイベントとなっています。
そこで今回は、そんなオーストラリア人がオリンピックをどういう風に見ているのか、現地在住の目線から8つのポイント別にご紹介します。
オーストラリア人にとってオリンピックとは?在住者が感じる8つの特徴!
1. オリンピックでトップクラスのメダル獲得数
スポーツ大国の名にふさわしく、オーストラリアは約30年間前から現在までのオリンピックで、開催国の中で常にトップ10以内のメダル獲得数をキープしてきました。
中でも代表的な種目は競泳で、シドニー・アテネオリンピックで5つもの金メダルを獲得したイアン・ソープ選手を覚えている人も多いのではないでしょうか。気軽に行けるビーチや屋内プールがたくさんあり、小学校から毎年水泳大会が行われるオーストラリアにとって、競泳が最も有望な種目なのは当然の結果かもしれませんね。
他の水上競技では飛び込み、ボート、カヌー、セーリングなどでも優秀な成績を残しています。
2. オーストラリアの得意種目(夏)
夏季オリンピックではなんといっても競泳が飛びぬけたメダル数で、これまでに2位の陸上競技の2倍以上を獲得しています。TVやCMで人気のオリンピック選手もほぼ競泳選手で、中でも最も有名なスターは、先述しましたが、オーストラリア史上最多の9個のメダル数を獲得したイアン・ソープでしょう。その偉大な業績を讃え、シドニーには彼の名前を冠した屋内プールも建てられているほどです。
また、どんなにオリンピックに興味がないオーストラリア人でも、競泳だけは見るという人は多いです。これら2種目の他に、自転車競技、ボート、セーリング、馬術、射撃が続きます。
3. オーストラリアの得意種目(冬)
夏季大会に比べて冬季オリンピックではかなり苦戦中のオーストラリア。毎回2、3個のメダルしか獲得できないのは、やはり雪が少ない温暖な気候であることと無関係ではないでしょう。その悪条件の中でも、南半球の国として史上初の冬季オリンピック金メダルに輝いたのも実はオーストラリアなのですから、なかなか優秀といえるかもしれません。
競技別には、フリースタイルスキー競技、スノーボード、ショートトラックスピードスケート、アルペンスキーにメダリストがいますが、まだまだ夏季大会のレベルには追いついていないのが現状です。
4. オーストラリアで開催されたオリンピック大会
オーストラリアではこれまで2回、オリンピックが開催されました。最初は1956年のメルボルン大会(夏)、そして2000年のシドニー大会(夏)です。
メルボルン大会は史上初の南半球で開催されたオリンピックで、北半球の夏は南半球の冬にあたるため、11月からのスタートに調整されました。シドニー大会では先住民出身の陸上選手キャシー・フリーマンが開会式の聖火点火役として登場し、話題になりました。
オーストラリアはイギリス植民地時代、先住民に対し非道な扱いをしたという歴史上の暗部を抱えているため、オリンピックという華やかな舞台でそのイメージを払拭し、新しい時代への幕開けを印象づけたいという政治的な人選でした。
そのフリーマンですが、見事400メートル走で金メダルを取ったわけですが、そのゴールでオーストラリアの国旗と先住民アボリジニの旗の2つを掲げたことが国内で物議を醸したのは残念なことでした。
5. リオ大会からの新種目ラグビーセブンズ
ラグビーセブンズという種目がリオ大会から正式種目として採用されたのはご存知ですか?1チーム7人制で戦うので「セブンズ」と呼ばれるラグビー種目で、人数が少ない分、通常のラグビーの試合より短時間で行われるのが特徴です。
そのリオ大会のラグビーセブンズで、オーストラリアは女子部門で見事金メダルに輝き、オーストラリアラグビーファンを熱狂させました。オーストラリアにとって国民的スポーツといえるラグビーだけに、ラグビーセブンズはメダルを狙える絶好の種目であり、今後のオリンピックでも目が離せない存在です。
6. 東京大会からの新種目サーフィン
東京大会からの正式採用種目の中で、注目すべきはなんといってもサーフィンでしょう。サーファーにとってこれまで夢だったオリンピック出場が現実になり、男女ともに世界トップレベルの選手を持つオーストラリアではメダルが有力視されている種目です。
特に東京大会では国内有数のサーフィンスポットである千葉県の海岸が会場になるので、ビッグウェーブに乗るサーファーの姿が世界中に流れれば、スポーツとしてのサーフィンも大いに盛り上がることが期待されています。
なお、外国人と一緒にスポーツ観戦するとき、ぜひ英語を使ってみてください。スポーツを通して国際交流がさらに進むこと、間違いなしですよ!以下の記事でスポーツ観戦でよく使うフレーズをあつめましたので、ぜひチェックしてみてください・
7. 次の開催地への立候補に向けて
オーストラリア二大都市であるメルボルン、シドニーに続いて次のオリンピック開催地として着々と準備を進めているのが、ブリスベンを中心としたクイーンズランド州南東部です。
オーストラリア北部の温暖な気候の良さを武器に、2032年の開催地を目指すと市長は表明していますが、大会開催費だけで900億ドルという調査結果に加え、さらに交通網の整備やスタジアムおよび宿泊施設の建設などが上乗せされるとあって、地元のムードは微妙のようです。連邦政府のスポーツ事業予算も減少傾向にある今、果たして立候補できるのか注目されます。
8. オリンピック大会中の街のムード
東京オリンピックではオーストラリア初の8K放送でTV中継およびパブリックビューイングを行うことが既に発表されています。
ですが、現地へ応援に行くような熱心なファンを除いては、国内の一般層でのオリンピックムードがあまり盛り上がっている印象はありません。理由として最近のオーストラリア代表選手の不振があげられており、東京大会において前回以上のメダル獲得の望みは薄いというのが大方の予想です。
とはいえ、オリンピック中継用の専門TVチャンネルもあり、パブやスポーツバー、パブリックビューイングイベントも各種用意されているので、オーストラリア人と一緒に応援してみたい方は要チェックです。
なお、オーストラリア人の性格については、以下に詳しくまとめていますので、こちらも合わせて読んでみてください。
まとめ
いかがでしたか?
人口約2500万人規模の国としては驚異的といえる、オリンピックでメダルランキングトップ10に入るところはさすがスポーツ大国の名に恥じないオーストラリア。
ですが、最近はオリンピック事業への政府支援金の減少やその影響を受けた代表選手の資金不足など、過去大会での成績不振が大きな陰を落としており、国内のオリンピックムードを高めるためにも、東京大会での活躍が大いに期待されています。
もしこの時期にオーストラリアへ来ることがあったら、是非パブやパブリックビューイング体験してみてはいかがですか?
オーストラリア人にとってオリンピックとは?在住者が感じる8つの特徴!
1. オリンピックでトップクラスのメダル獲得数
2. オーストラリアの得意種目(夏)
3. オーストラリアの得意種目(冬)
4. オーストラリアで開催されたオリンピック大会
5. リオ大会からの新種目ラグビーセブンズ
6. 東京大会からの新種目サーフィン
7. 次の開催地への立候補に向けて
8. オリンピック大会中の街のムード