ベルギーは1年を通じて観光客に人気のある国です。でも、旅行に出かける前に「英語は通じるかな?」と不安に思っている方も多いのではありませんか。筆者も初めてベルギーに滞在した時には戸惑いました。ベルギーはオランダ語とフランス語を公用語としていますが英語はどのぐらい通じるのでしょうか。
そこで今回は、筆者の初めてベルギーに行った時の経験と反省を交えてご紹介します。
ベルギーで英語は通じる?旅行前に知るべき7つのポイント!
1. ベルギーの言葉は2つ!
ベルギーでは、オランダ語とフランス語が話されています。ヨーロッパはEUとなって、人の行き来や物の流れが自由になり、まとまりを見せていますが、語学となると別ですね。フランスにはフランス語、イタリアにはイタリア語と、それぞれの国にそれぞれの言葉がありますがベルギーにはベルギー語というものはありません。
ベルギーが独立した国家となったのは19世紀の初頭です。このエリアは、それまでの歴史の中で、何度もフランスとオランダの間を行き来します。そのことから、独立後も国内にはオランダ語を話す北部の住民と、フランス語を話す南部の住民が住むこととなり、双方の間にトラブルが多かったことから、北のフランデレン(フランドル)地方と南のワロン地方の連邦制となりました。
国会もそれぞれで運営され、議員や議事堂もそれぞれです。両方の議会をまとめるのが、ベルギーの首都ブラッセル(ブリュッセル)にある国会議事堂です。※カタカナ表記は、オランダ語(フランス語)として記載します。
2. オランダ語エリアとフランス語エリアってどのあたり?
ベルギーは10の州に分かれています。言語で分けてご案内します。
▼オランダ語エリア
首都から北部の5州。北ブラバント州、西フランドル州、東フランドル州、アントワープ州、リンブルグ州。オランダ語の方言のフランデレン語ともいわれますが、オランダ語と発音も表記もほぼかわりません。人口の60%が住んでいます。
▼フランス語エリア
首都から南部の5州。南ブラバント州、リエージュ州、ナミュール州、リュクサンブール州。東部はドイツに接しているため、ドイツ語も通じます。人口の40%が住んでいます。
3. オランダ語エリアとフランス語エリアではどちらが英語は通じるの?
オランダ語エリアの方が、英語はよく通じます。
▼オランダ語エリア
中世の頃から大きな港があり貿易が盛んだった都市やダイヤモンド産業が盛んだった都市は、北部に集中しています。今もアントワープを中心に産業の要となっています。そのことから、英語はよく通じます。
隣国オランダも英語の良く通じる国で「英語を母国語としない国の中で、最も英語が上手な国」と言われています。統一される前からの教育や近隣の国との貿易などの関係から、言語習得が大切とされていたようです。
買い物に行った店や駅などでは、外国人には初めから英語で話してくれます。小さなたばこ屋さんやスーパーでも英語で大丈夫です。ファーストフードの学生アルバイトの人たちも、とても英語が上手です。旅行の際は、英語だけで大丈夫です。
▼フランス語エリア
観光地のショッピングストリート、ホテルやレストラン以外は、あまり通じません。行きたい美術館や買いたいものがあってお店を探す時などは、フランス語表記の地図を見せて教えてもらいましょう。
南ブラバント州以外の郊外では、駅や郵便局では英語で通じますが、まずはフランス語で対応されます。英語が話せる人でも、フランス語が最初ですね。
4. 道路標識や駅での表示は?
オランダ、フランス、ドイツ、ルクセンブルグに接しているため、道路標識などには「EXIT」などの英語表記がされています。また、駅の券売機は言語を選べる機械が設置されています。列車の中は、国際列車や長距離列車では、停車駅などのアナウンスは英語でされています。
ただし、州名や都市名が表記されるときには英語はありません。高速道路などでは、オランダ語とフランス語で記載されています。発音もオランダ語エリアでは英語で大丈夫ですが、フランス語エリアでは通じません。国名だけでも、ベルギーは、英語Belgium(ベルジム)、オランダ語Belgie(ベルヒエ)、フランス語Belgique(ベルジック)と、違います。
5. レストランのメニューは英語表記がある?
レストランのメニューは、大きな都市ではほとんどの店で英語表記があります。オランダ語エリアでは、基本的にオランダ料理またはオランダ料理とフランス料理のミックスです。オランダ料理は日本ではあまりなじみがないので、英語表記で見たり、英語で説明をされても、味のイメージが出来ない料理もあります。
ベルギーのフランス料理は、「本国フランスよりおいしい」といわれ、ヨーロッパでも美食の国と言われています。英語表記があっても、繊細な料理を理解するのは難しいですね。
6. 覚えておくとレストランで便利な名物料理の名前をご紹介!
▼オランダ語エリア
・Erwtensoep(エルテンスープ)
青豆を潰して作る伝統的なスープ。ソーセージやサラミで塩味を加えたに煮込みスープ。
・Andijviestamppot met een gehaktbal(ミートボールのスタンポット添え)
スタンポットはオランダ風のマッシュポテトで、キャベツやケールなどレストランによって加える野菜は違います。
・Haring met bietensalade(ハーリングのサラダ)
ハーリングはニシンで、中世の頃からオランダでは塩漬けにして食べています。パンが添えられていれば、挟んでサンドイッチにして食べます。
▼フランス語エリア
・Carbonnades flamandes(牛肉のビール煮)
ビールでコトコトと牛肉を柔らかく煮込んだ料理。
・Croquettes aux crevettes(小エビのコロッケ)
ポテトと白身魚のすり身に甘エビのような甘みのある小エビを加えたクリームコロッケ。ベルギーの名物料理。
・Chicon au jambon(シコンのグラタン)
シコンは野菜のチコリです。ベルギーの家庭料理。
なお、ベルギー料理については以下に詳しく紹介していますので、ぜひ合わせて読んでみてください。
7. ベルギー旅行に持って行きたいもの!
オランダ語エリアを訪れる際には、英語が通じるので、英語の辞書や一般的なガイドブックの地図がとても役立ちます。道を教えてもらう時も、英語とオランダ語を交えて対応してくれるので、特別な準備はなくても大丈夫です。
フランス語エリアを旅するときには、時間があれば出発前に日本にある「ベルギー観光局」などで、フランス語の地図やガイドブックを準備しておくと安心です。地名や通りの名前をフランス語で把握しておくと、駅でチケットを買う際などにもスムーズです。
まとめ
いかがでしたか?
旅行中は、「○○美術館はどこですか?」「駅へはどうやって行けばいいですか?」「何が美味しいですか?」など、地元の人に尋ねることは多いですね。訪ねたときに、親切に教えてもらうには、やはりこちらも準備をしておきましょう。
また、英語がすべてと思わずに、現地の言葉にもチャレンジしましょう。きっと楽しい旅になりますよ。
ベルギーで英語は通じる?旅行前に知るべき7つのポイント!
1. ベルギーの言葉は2つ!
2. オランダ語エリアとフランス語エリアってどのあたり?
3. オランダ語エリアとフランス語エリアではどちらが英語は通じるの?
4. 道路標識や駅での表示は?
5. レストランのメニューは英語表記がある?
6. 覚えておくとレストランで便利な名物料理の名前をご紹介!
7. ベルギー旅行に持って行きたいもの!