中国のインフルエンザや風邪にまつわる6つの豆知識!

中国のインフルエンザや風邪にまつわる6つの豆知識!

日本では冬にインフルエンザが流行ることが珍しくありません。中国でもインフルエンザは流行るのでしょうか?また、風邪をひいた時など、中国の人は一般的にどういう対処をしているのでしょうか?今回は、中国へ出張や旅行の予定があるあなたに送る、中国の流行りの病気や、もし病院へ行く事になったときの中国の医療事情について詳しくご紹介します。

 

中国のインフルエンザや風邪にまつわる6つの豆知識!

 

1. 中国にもインフルエンザはあるの?

中国語では一般的な風邪のことを「感冒」(gan3 mao4)と言います。日本語でも感冒とも言いますから、同じ漢字で同じ意味なんです。一方でインフルエンザの事ですが、「流感」(liu2 gan3)と言います。「流行性感冒」が省略された単語です。ですから、日本と同じで中国においてもインフルエンザは存在しています。それでは、インフルエンザに対する予防や対処方法はどうしているのかということですが、先ずは中国の医療事情をご説明致します。

 

2. 中国の健康保険制度

中国の医療事情を説明するに先立ち、戸籍制度についてご説明しなければなりません。中国の社会保障制度というのは日本と違ってとても複雑です。日本の様に国民がみな健康保険制度に加入している訳ではありません。また、保険制度に加入していたとしても、都市部と農村部ではその内容が異なります。これは戸籍制度に立脚していて、都市部と農村部の戸籍制度に明確な違いがあるからなんです。農村部の人は基本的に都市部に戸籍を移すことができません。この制度に基づいて社会保障制度もある為に、中国の健康保険の内容も都市部と農村部とでは内容を異にするのです。

簡単に言うと、都市部の戸籍制度は充実していて、農村部の戸籍制度は封建的な制度であり、両者の違いは差別的でさえあります。充実している都市部の保険制度と言っても、会社と個人の両方で保険金を積み立てておいて、かかった医療費をそこから引き落とすという仕組みです。日本健康保険の三割負担という制度設計とは根本的に違う仕組みで運営されています。

 

3. 中国の病院事情

日本には大学病院から、公立病院、健康組合の病院、個人病院など、様々な病院があり、特にどの街にもある個人病院はとても便利です。中国には基本的に個人病院がありません。全てが総合型の大病院です。ですから、ちょっと熱が出たと言っても、日本の様に気軽に街の個人病院に行って診てもらうということができません。すべからく大病院で受付し、順番が来るのを延々待たなければならないのです。概ねどの病院に言っても込み合っていて、その日に診てもらえない場合もあるようです。

 

4. 病院での一般的な治療方法

一般的に風邪や流感の場合は、血液検査とX線検査をします。検査の結果、風邪あれば抗生物質の点滴を打つのが一般的です。流感の場合は点滴と共に、入院を勧められる事があるようです。日本の様に予防注射を打つという習慣はありません。上記は病院に行った場合の例ですが、多くの人たちが風邪程度だと病院に行かないことが多いようです。前述の通り、健康保険制度が充実していないこと。医療費が高いこと。大病院しかないので待ち時間が長い事がその理由です。その為に街の薬局で市販薬や漢方薬を購入して服用して治すことが多いように思います。

流感の話しからはそれますが、筆者の家族が中国で大病を患い、大学病院の集中治療室に入院した事がありますが、外国人であった為に中国の健康保険に加入していませんから、入院するに当たりデポジットとして数万円を前払いさせられました。救急車で病院に搬送されましたが、病院に着いてストレッチャーに載せられ病院に入る時に、救急車の運転手からお金を請求されました。集中治療室に入ると、既にデポジットを支払ったにもかかわらず、シーツ代やベッド代を現金で支払わされました。中国の大都市では、今では外国人専用の病院もありカードも使えますが、基本的には現金が無いと入院もできませんから、旅行の場合は海外旅行傷害保険、赴任の場合は所属企業に赴任期間中の医療保険についてきちんと加入されているのか確認が必要です。

また、入院した場合ですが、日本の病院と決定的に違う事があります。看護婦さんが身の回りの面倒をみてくれません。日本の看護婦さんはブザーで呼べば何でも助けてくれますが、中国の看護婦さんはそれをしてくれません。医療行為しかしないのです。その為に筆者は家族が入院中、病院に寝泊りして看護婦さん代わりのサポートをしました。その期間は一ヶ月半に及びました。

 

5. 風邪以外の最近の傾向

流感以外に日本でも流行したノロウイルスの様は病気も流行っているようです。正式には「诺罗病毒」(nuo4 luo2 bing4du2)と呼ばれているようですが、「流行性胃腸炎」(liu2 xing2 xing4 wei4 chang2 yan2)と言うのが一般的です。以前は鳥インフルエンザが猛威を振るった時期もありましたが、現在まで症例はごく少数にとどまっています。

 

6. 昔からの家庭的な対処方法

病院での治療以外に、古くから家庭で一般的に行われている風邪対策があります。生姜湯です。生姜をすりおろしてお湯に混ぜて飲んだり、大根おろしと生姜のすりおろしを混ぜて飲んだり、お湯の変わりにお鍋でコカコーラを温めて生姜をすりおろして飲んだり、各家庭で若干の違いはありますが、生姜湯として飲むのが一般的です。また、風邪をひいた時にはお粥を食べたり、水分を多く摂取したりしている様です。日本と余り違いがありません。こういう昔ながらの家庭的な治療方法を「土方」(tu3 fang1)と言います。

 

まとめ

いかがでしたか?
今回ご紹介したとおり、中国にもインフルエンザが流行しているのですが、日本と根本的に違うのは、やはり社会保障制度の一つである健康保険の違いと病院の違いです。万が一中国滞在中に病院に行く事になると、とても大変なので、事前に医療保険に加入されることをお勧め致します。旅行の場合は、カード会社で付与されている海外旅行傷害保険で大丈夫ですが、赴任の場合はしっかり所属法人の人事部門に確認して下さい。

※中国語の発音についてはアルファベットのピンインとイントネーションの四声の二つの理解が必要です。当稿ではアルファベットのピンインの後に四声を数字で記載しています。詳しくは「中国でショッピングするとき役立つ中国語10選!」をチェックしてみてください。

 

中国のインフルエンザや風邪にまつわる6つの豆知識!

1. 中国にもインフルエンザはあるの?
2. 中国の健康保険制度
3. 中国の病院事情
4. 病院での一般的な治療方法
5. 風邪以外の最近の傾向
6. 昔からの家庭的な対処方法

 


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