ある程度、英語に慣れてきた時によく迷うのは、形容詞の使い方でしょう。ネイティブですらよく間違うこの形容詞は、とにかく副詞と混同しやすく、やっかいな存在です。そこで今回は、英会話や英語の文章の中から形容詞を簡単に見分ける9つのコツをご紹介します。
英語の単語を見て形容詞だと簡単に見分ける9つのコツ
1. 形容詞の見分け方
形容詞と副詞がよく間違われるのは、二つとも修飾語だからでしょう。しかし、使い方はかなり異なります。形容詞は名詞、代名詞を修飾するのに対し、副詞は一部例外を除いて名詞以外を修飾するために使われます。まずはこの違いを覚えれば、前後関係から簡単に形容詞が見分けられるようになります。
2. 名詞の前
前述した通り、形容詞は名詞を修飾する言葉ですが、最も一般的な使い方として、名詞の前に配置するやり方があります。従って文章の中からまず名詞を見つけ、その前に書いてある単語がまず形容詞かどうか確認すれば、効率的に見つけられるでしょう。
例 “Jack is a good boy.”(ジャックはいい子だ)
この文章の中で、名詞なのは”boy”です。そこから、その前にある”good”が形容詞であることが分かりますね。
3. 動詞を挟んで修飾
2以外にも、名詞と形容詞の間に動詞を挟んで修飾するタイプの形容詞もあります。
例 “This cat is gorgeous.”(この猫はとてもかわいい)
この文章の中で、名詞は”cat”、動詞は”is”です。ゆえに、形容詞は”gorgeous”になります。
4. 語尾に注目
形容詞に特徴的な語尾はいくつかあります。例え知らない単語でも、語尾から逆算して形容詞と見分けることができるので、代表的なものを覚えておくと役に立つでしょう。
例
-able reliable
-al musical
-ant important
-ful beautiful
-ic mythic
-ious, -ous concious
-ish descriptive
-ive active
-less heartless
-y funny
5. 名詞+y
形容詞の中には、名詞の語尾に”y”を足しただけのものも少なくありません。やや口語的な表現になりますが、名詞さえ知っていれば形容詞だとすぐ判別できるので、覚えておくと便利です。逆にこれを使って、名詞に”y”をつけてなんでも形容詞として使うネイティブも多いので、会話の中でよく聞くタイプの身近な形容詞といえるでしょう。
例
greed + y – greedy
milk + y – milky
pink + y – pinky
cloud + y – cloudy
6. 名詞+ly
“y”ほどではありませんが、形容詞の中には、名詞の語尾に”ly”を足しただけのものもいくつかあります。副詞との区別がやや難しく、あまり種類も多くありませんが、文章の中の配置と合わせて判断するようにしましょう。
例
kind + ly – kindly
time + ly – timely
friend + ly – friendly
mother + ly – motherly
7. 比較級・最上級
複数のものを比べる時に使う比較級も形容詞の一つです。比較級が出てきたら、”than”の前にあるのは形容詞だと覚えておきましょう。
例
He looks much younger than he is.(彼は実年齢よりずっと若く見える)
”than”の前にある単語は”younger”なので、これが形容詞だと分かります。例
She has more books than you.(彼女はきみより多くの本を持っている)
”than”の前にある単語は”books”ですがこれは名詞なので、その前の”more”が形容詞だと分かります。また同じように最上級も形容詞の一つです。”-est”が語尾につくか、直前に”most”がある単語が形容詞になると覚えましょう。
例
She is the strongest woman I’ve ever known.(彼女は私が知る限り最も強い女性だ)
-形容詞 strongestShe is the most beautiful woman I’ve ever met.(彼女は私が知る限り最も美しい女性だ)
-形容詞 beautiful
8. 数字
年齢やものの数を表す時の数字も形容詞になります。但し、時刻や通貨を表す時は名詞扱いになるので、見分ける時にはちょっとした注意が必要です。
例
He is five years old.(彼は5歳だ)
She is twenty-five.(彼女は25歳だ)
9. 数の形容詞 all, no, most
8.の数字と少し重なりますが、数を表す時に使うall, no, mostも名詞を修飾する形容詞の一つになります。allは「全ての」、mostは「ほとんどの」、noは「少しもない」という意味で、前者2つは通常肯定文に使われ、最後の”no”は何かを全否定する時に使われます。但し、使われ方によっては、別の品詞扱いになる場合もあるので注意が必要です。
例
All books are for sale. (全ての本は売り物だ)
Most people think so.(ほとんどの人はそう思っている)
This is no joking matter.(冗談では済まされない)
まとめ
いかがでしたか?
いくつかの法則さえ知っていれば、形容詞の見分け方は案外簡単です。全ての形容詞を記憶するのは無理ですが、例えば名詞との関係性を知っているだけで、例え知らない単語でも逆算的に形容詞だとすぐ分かるメリットは大きいですよね。そして単語力を鍛えるのは地道な努力あるのみです。もし知らない単語に会ったら、例え形容詞だと分かったとしても、後で必ず辞書を引いて意味を調べることを忘れずに。そうした小さな努力の積み重ねが、いつかあなたを助けてくれる日がきますよ。
英語の単語を見て形容詞だと簡単に見分ける9つのコツ
1. 形容詞の見分け方
2. 名詞の前
3. 動詞を挟んで修飾
4. 語尾に注目
5. 名詞+y
6. 名詞+ly
7. 比較級・最上級
8. 数字
9. 数の形容詞 all, no, most