エアメールなどでもおなじみの、トリコロールカラーで人気のあるフランス国旗ですが、特にデザインがあるわけでもなく赤・青・白の3色だけでオシャレに見えてしまうのが不思議ですよね。そこで今回は、現地在住の筆者が、フランス国旗に関する色々なエピソードをご紹介します。今後、トリコロールカラーを見る目が変わるかもしれませんよ。
フランス国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?
1. フランス国旗は海上専用旗が存在する!
フランスの国旗には、実は陸上で使われる国旗と海上で使われる国旗が少し異なります。もちろん3色の色が違うとか、デザインが違うとか言うものではなく、言われてみなければわからない程度の違いです。
海上で使われるフランス国旗は、色ごとに幅が違います。理由は、海の強い風邪で国旗がはためき、色が良く見えないから。ついでに言うと、真ん中の白い色が膨張して見えるので、右側の赤い色が細く見えてしまうからという理由もあります。
はためくフランス国旗が、同じ幅に見える比率が、旗竿の青が30センチ・真ん中の白が33センチ・右側の赤が37センチとして設定されています。
2. フランス国旗は色ごとに意味なんてない!
筆者が中学生か高校生頃に、世界史の授業でフランス国旗に付いて習ったことがあり、その時に色ごとに意味があって、青色は自由・白色は平等・赤色は友愛だと教わった記憶があります。でも、長年のフランス生活の中で、フランス国旗に付いて知識をひけらかすと、頭の悪い人扱いされるので要注意です。
なんとフランスでは、国旗そのものが「自由・平等・友愛」の意味を持つものであり、各色に意味が込められているわけではないのだそうです。ちなみに、フランスで国旗を色ごとに区別するのは花で、青は特徴的な青い花を咲かせる矢車草で、白い色はフランスの国花にもなっている白百合、またはフランス菊。赤は春から夏にかけて雑草として咲き誇る、コクリコの花だそうです。
3. フランス国旗とは別にブルターニュ地方の旗がある
フランスのブルターニュ地方という所には、フランス国旗とは別に、アメリカ国旗のデザインに似た、黒と白の独自の旗が存在します。アメリカの国旗が星条旗ならば、ブルターニュ地方の独自の旗は、星の部分にオコジョという可愛らしい動物のシッポ部分があしらわれています。これは、ブルターニュ公国の紋章で、11個あしらわれているのが特徴です。
ブルターニュ地方に住むケルト系ブルトン人により、現在までケルト文化を継続させつつ、守り続けているグエンヌ・ア・デュと呼ばれる旗です。ブルターニュ地方を旅行すると、どこのお土産屋さんでも買うことができます。
4. Facebookでフランス国旗!
2015年11月15日に、パリで起きた同時多発テロ事件をご存知でしょうか。130名の死者と、300名の負傷者を出した事件で、亡くなられた方々の追悼と、パリ市民の安全と平和を祈願するために、Facebookのプロフィール写真に、フランス国旗を被せるというものです。
今では元に戻してしまう人が多いですが、当時はFacebook中にフランス国旗が溢れて、世界中の人達と、パリの平和祈願と追悼の一体感を感じることができました。事件後には、エッフェル塔下の広場に防犯対策のために鉄扉が設置されるようになったり、巡回する警官や軍人が増えたり、筆者が住む田舎でもテロ事件直後から、巡回する軍人を多く見かけるようになり、今までのパリを大きく変化させる出来事でした。
5. フランス国内で国旗を見かけないことはない
フランスでは、県庁や市役所、郵便局、公証役場や墓地、慰霊碑などの公共の建造物のすべてに、フランス国旗が掲げられているのが特徴です。普段から、フランス国旗を見る機会は当然のようにあるのですが、フランスの祭日の日には国旗の数が、いつもより多く掲揚されます。
筆者は毎日、戦没者慰霊塔の前を通る習慣があるのですが、通常は1本だけの国旗が、祭日には4~5本増えていて、町中に国旗が溢れています。また、面白いことにサッカーやラグビーなどの大きな試合がある時には、自宅やアパートの玄関前やベランダなどに、フランス国旗を掲げて応援する人が多く見受けられます。レース観戦などにも、絶対になくてはならないのが国旗であり、学校などでも国旗を使うことが頻繁にあります。
6. 大昔はトリコロールではなかった時代も!
12~17世紀後半頃まで、実はフランス国旗は現在のトリコロールカラーではありませんでした。12~13世紀ごろの大昔には、フランス国旗は青い色一色に、フランス王家の紋章である百合の花のモチーフが散りばめられたものがフランス王国の旗として使用されていました。
13~16世紀には、青色に王家の紋章である百合のマークが3つになり、その後は百合委のマークに王冠がかぶされた、優勝カップのようなデザインの時代があったりします。1794年2月15日、現在のフランス国旗が制定されましたが、1814年から1830年まで、王政復古のためにフランス国内から姿を消していた時期もあるのです。
まとめ
いかがでしたか?
フランス国旗に関するさまざまなエピソードをご紹介しましたが、トリコロールカラーが決まった後に、国旗の配色が左右逆だった時代もありました。フランス国旗が縦縞になったのは、オランダが同じ色を使って、横縞の国旗を既に使用していたからとされています。ブルターニュ地方の旗も、通常のフランス国旗とは全く違って面白いですよね。フランス国旗を通してフランスの文化を勉強するのも楽しい時間ですよ。
フランス国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?
1. フランス国旗は海上専用旗が存在する!
2. フランス国旗は色ごとに意味なんてない!
3. フランス国旗とは別にブルターニュ地方の旗がある
4. Facebookでフランス国旗!
5. フランス国内で国旗を見かけないことはない
6. 大昔はトリコロールではなかった時代も!