日本語で放送禁止用語があるように、ドイツ語にも使ってはいけない汚い単語やスラングがたくさんあります。自分が言おうとしたことと別の意味に伝わり誤解やトラブルになることは避けたいですよね。また、人の悪口や相手を傷つける言葉をきちんと知っておくことで、それらを使わないよう会話をコントロールすることができます。
そこで今回は、ドイツ語を勉強中のあなたにドイツ人の前でうっかり使うと誤解やトラブルを招くスラング表現をご紹介します。教科書では教えてくれないことは、この記事でしっかり押さえておきましょう!
ドイツ語で絶対に使ってはいけない超危険な単語20選!
1. Scheiße(シャイセ)
「Scheiße」と言えば、ドイツ危険単語の代表です。ドイツ語を習ったことのある人ならだれでも知っているのではないでしょうか。この単語の意味はずばり「クソ」です。
また、「どうでもいい」という意味の「egal(エガール)」と繋げて「Scheiße egal」、「クソどうでもいい」というように日常的にもよく使われています。ただし他人に向かって「シャイセ!」と言うと侮辱罪で捕まってしまう事もあるので注意しましょう。
2. verrückt(フェアリュックト)
「verrückt」も「Scheiße」と同じくドイツではよく聞かれる単語ですが、実は「気の狂った」という意味。自分に対して皮肉って使うことが多い単語で、例えば「私はチョコレートに夢中なの」を「Ich bin verrückt auf Schokolade.」、直訳すると「私はチョコレート狂いなの」と言うことができます。
もちろん他人にも使えますが、親密な間柄でない限り本人の目の前ではあまり言わないことをおすすめします。
3. dumm(ドゥム)
「dumm」も日常的に使われる単語で「バカ」を意味します。こちらも自分を皮肉って使うことの多い単語で、ドイツ人はテストの出来が悪いと「Ich bin dumm.」「私ってバカ」と独り言で使ったりします。
「dumm」は一言で「バカ」と訳してもかなり侮辱の意味がこもっているため、それを聞いた周囲の人は大笑いするか「そんなことないよ!」と本気で励ましたりするのが通例です。もちろん他人に対して「dumm」は失礼なので使うのは自分だけにしましょう。
4. verdammt(フェアダムト)
この単語の意味は「いまわしい」、「ちくしょう」です。最近では強調語として形容詞「hübsch(ヒュプシュ)」「可愛い」などと繋げて「verdammt hübsch」「めっちゃ可愛い」と言うこともできます。
しかし危険単語のひとつですので使うのは日常語としてのみで、ビジネスシーンではまず使いません。車に傷をつけられたり、留守の間にペットが家中荒らしてしまったり、理不尽に不幸なことが起こると時々「Verdammt!」と叫んでいる人がいます。
5. geil(ガイル)
「geil」は「みだらな」や「勢いのよい」等の意味が辞書に載っていますが、日本語の「ヘンタイ」や若者言葉の「ヤバイ」に近い単語です。
こちらも強調言葉として「Musik(ムジーク)」「音楽」などの名詞と合わせて「geile Musik」「ステキな音楽」という言い方ができます。冗談っぽく使うことができますが、真顔で他人に向かってgeilと言うのはやめましょう。
6. doof(ドーフ)
「doof」は「dumm」と同じく「バカ」を意味しています。「dumm」と違うのは人より物に対していう事もできるという点です。何か美術作品を見ていて「Das ist doof.」「これはつまらない」と使うこともできます。「dumm」に比べると優しい感じですが、人や他人の物に対して言うのは失礼に当たります。
7. Kacke(カッケ)
「Kacke」とは大便のこと。ろくでもないことを「Kacke」で表す場合もあります。「Kot(コット)」も同じ意味です。「Kacke」と「Kot」はムカっとくるというより幼稚な軽蔑言葉で、正直聞いているこちらが恥ずかしくなります。日本でも幼い子が意味もわからず大便を連呼しているのと同じように感じます。
8. Mist(ミスト)
この単語は「くだらぬ物事」という意味を持ちます。「So ein Mist!」で「畜生め!」や、「Mach keinen Mist!」「バカなことをするな!」という言い方があります。
9. Sau(ザオ)
「Sau」とは女性を馬鹿にした言い方で「雌豚」の意味を含んでいます。現代でも女性の絵が描かれたトランプに対して使う場面がたまにありますが、生きている女性に対してはまず使いません。
10. Verpisst(フェアピッスト)
「Verpisst」は「小便」の意味。「Kacke」や「Kot」と同じように、汚い言葉です。”Verpisst euch”で「立ち去れ」という意味にもなり、ケンカがヒートアップした時に使う人もいますが、言われた方はカチンとくるような言い方なので要注意です。
11. Depp(デップ)
「マヌケ」や「知的障害」といった意味を持つ「Depp」。主にドイツ南部やオーストリアで使われるとされていますが、ドイツ語圏で直接他人に向かっては使わないでください。「Was macht der Depp jetzt?」「あのマヌケは今何しているの?」のように陰口で使ったりします。
12. Kuh(クー)
「Kuh」は雌牛のことですが、軽蔑的に女性を指して「アマ」という意味も持ちます。ドイツには乳牛の原産地ホルシュタイン州があるためか、同じホルシュタイン牛でも日本に比べ非常に太く、だらしない印象があります。
13. Schwein(シュヴァイン)
「Schwein」とはブタのこと。日本でもぽっちゃり系の人を軽蔑してブタと言う人がいますね。それと同様、ドイツ語でも太った人に使います。
14. Esel(エーゼル)
グリム童話のブレーメンの音楽隊にも出てくる「ロバ」を意味する単語です。童話の中では活躍するロバなのに、「愚か者」、「とんま」という意味が隠されています。ロバに失礼な気がしますが、ドイツのロバ観がそうなのでしょう。
15. Schwanz(シュヴァンツ)
「Schwanz」は「尻尾」の意味もあるのですが「男性器」も指します。女性はもちろん、男性もむやみやたらに使わないほうが安全です。
16. Fotze(フォッツェ)
売春婦という意味です。同じ意味でHure(フレ)やProstituierte(プロスティトゥイーアテ)などがありますが、Fotzeは特別に軽蔑の意味を込めて使います。
17. Affe(アッフェ)
Affeは「サル」の意味。「人の真似をするもの」や「愚か者」を指し、暗に「バカ」を意味しています。日本でも「サル」と言われるとネガティブに感じるのと同様、ドイツでも“Affe”がスラングの1つとされています。
18. Arschlock(アルシュロッホ)
Arschlochは「肛門」を意味しています。その汚いイメージから派生して「まぬけ」や「嫌なやつ」も表すようになりました。
19. Liam(リアム)
日本でも名前にされたことのあるLiamですが、実はドイツ語でLiamは英語の「Loser In All Missions」「全ての使命における敗者」を略したもの。可愛い響きで英語圏でも見られる名前なのですが、ドイツ語ではなんと「永遠の敗者」を意味するのだとか。
20. Idiot(イディオット)
英語でも使われるこの「Idiot」。話し言葉で「バカ」や「マヌケ」を意味します。「Dummkopf(ドゥムコップフ)」に近い意味で、知的に劣った人に対し言う言葉です。
Dummkopfの方がより頭が悪く聞こえるのですが、Idiotというとバカの意味だけでなく、少しおかしい人というような感じも含まれます。
まとめ
いかがでしたか?
ヨーロッパの言語に比べ、日本語は人を侮辱する言葉が非常に少ないと言われています。そのため「超危険なスラング」と言われてもピンとこない人が多いかもしれません。しかしドイツではこの超危険なスラングが今でも使われることがあり、スラングを他人に対して使うことで捕まることもあります。ドイツへ旅行で来る方は、一度はドイツ語のスラングに目を通してみましょう。
なお、ドイツ語の基本的な挨拶フレーズについては以下の記事に詳しくまとめていますので、合わせて一読することをおすすめします。
コツコツ勉強して、スマートなドイツ語の話し手になりましょう!
ドイツ語で絶対に使ってはいけない超危険な単語20選!
1. Scheiße(シャイセ)
「クソ」2. verrückt(フェアリュックト)
「狂ってる」3. dumm(ドゥム)
「馬鹿」4. verdammt(フェアダムト)
「ちくしょう」5. geil(ガイル)
「変態」6. doof(ドーフ)
「馬鹿」7. Kacke(カッケ)
「大便」8. Mist(ミスト)
「くだらない事」9. Sau(ザオ)
「雌豚」10. Verpisst(フェアピッスト)
「小便」11. Depp(デップ)
「知的障害を持つマヌケ」12. Kuh(クー)
「牛おんな」13. Schwein(シュヴァイン)
「豚」14. Esel(エーゼル)
「とんま」※直訳はロバの意味。15. Schwanz(シュヴァンツ)
「男性の性器」16. Fotze(フォッツェ)
「売春婦」17. Affe(アッフェ)
「猿」18. Arschlock(アルシュロッホ)
「肛門」19. Liam(リアム)
「永遠の負けっぱなし野郎」20. Idiot(イディオット)
「マヌケ」