日本の年末や大晦日と言えば、静かにゆったりと過ごすというイメージがありますが、ドイツ人たちは一体どのように年末を過ごしているのでしょうか。そこで今回は、現地在住の筆者が気になるドイツ人達の年末の一般的な過ごし方について詳しくご紹介します。
ドイツ人は年末どう過ごす?在住者に聞く7つの現地事情!
1. セント・ステファノ(12月26日)後の静けさ
ドイツでは、クリスマスの3日間(12月24日、25日、26日)は、日本の正月三箇日のようなもの。一年で最も大切で、人々が待ちわびる時期です。ドイツでは一応クリスマスは1月6日までとされてはいるものの、12月26日を過ぎるとクリスマスムードは一気に無くなり、街にはなんだかとてもさみしい雰囲気が漂います。
日本では、クリスマスが終わるとすぐさま正月用の門松やしめ縄などで新年を迎える準備に取り掛かりますが、そもそもドイツには正月のような特別の飾り付けや行事ごとがはっきりと無いので、クリスマスが終わった後のギャップには少し驚いてしまうところかもしれません。
2. 大晦日:シルベスター(Silvester)
英語ではニューイヤーズイブとも言われますが、ヨーロッパ圏では多くの地域(スペイン語、フランス語なども類似)で、12月31日のことをシルベスターと言います。
さて、ヨーロッパ圏の大晦日の雰囲気はというと、日本とは打って変わって、人々は派手に一年の終わりと始まりを祝います。ドイツも例外ではなく、まるで大規模なお祭り騒ぎと言ったところでしょうか。いろいろな街でイベントが催される他、食べ物の出店も街の至る所で見られますので、この日は街歩きをするのも楽しいでしょう。
ただし、多くのお店はお昼までの営業となるところがほとんどです。食料品やホームパーティなどの買いだしが必要となるなら、早いうちに買いだしを終えておきましょうね。
なお、ドイツの家庭料理について以下の記事にまとめてありますので、こちらも読んでみてください。
3. Guten Rutch!(良いお年を!)
これは直訳すると「良い滑り込みを!」というなんだかおかしな文章ですが、つまり良い新年に滑り込んでください、よい一年の始まりを迎えてくださいね、と言ったようなニュアンスになります。年末に近い、特に12月31日によく人々が交わす言葉ですので、日本語の「良いお年を」に当たる言葉と言えるでしょうか。
よく聞かれる言葉ですので、是非覚えて使ってみてくださいね。
4. レストランでのシルベスターディナー
ドイツでは年末に決まって食べられる伝統料理ははっきりとないようです(地域ごとに好まれるものはあるかもしれませんが)。それよりも、近年はシルベスター特別のコース料理を提供しているレストランが多く、一年の最期の夕食を友人らとわいわい過ごすという人が多いようです。
レストランの種類も様々、ドイツ料理だけではなく、イタリアンや中華料理など、いろいろなお店がシルベスターメニューをオファーしています。ただし、その多くが事前予約が必要となりますので、気になるお店があれば早めに確認されることをお勧めします。
なお、現地でぜひ食べて欲しいドイツ料理を以下にまとめましたので、こちらもぜひ旅行前にチェックしてみてください。
5. ビールで乾杯
ビール党とワイン党で別れることの多いドイツですが、シルベスターの晩餐の始まりは、ワインでしっぽりというよりはビールでわいわいといった雰囲気になることが多い気がします。この日ドイツ人達は夕方18~19時から夕食をはじめ、長い場合はそのまま朝まで飲むというツワモノも。
周囲につられて勢い良く飲んでしまいそうになるところですが、休み休み、潰れない程度に楽しみましょうね。
なお、ドイツのおいしいビールやワインについては以下で特集していますので、ぜひチェックしてみてください。
6. 花火で盛大に新年のカウントダウン!
通常ドイツでは個人単位の打ち上げ花火は禁止されていますが、新年のカウントダウンのみは正式にこれが許可されています。打ち上げ花火が購入できるのは、一年のうちの年末のわずか数日だけですので、この時人々はこぞって買い込むのです。
さて、多くの年越しイベントでも大きな打ち上げ花火が上がるので、街ではイベントで用意された盛大な打ち上げ花火と、個々人が打ち上げる無秩序な打ち上げ花火(そしてこれがどこか危険な雰囲気)の両方を楽しむことが出来ます。大体21時ころからでしょうか、3時間前、2時間前…と、年越しまでのカウントダウンを知らせるかのように、あちらこちらで間欠的に花火が上がり始めます。
0時丁度の花火は、それまでのものとは桁違い!・・・是非、実際に目で見て確かめてみてくださいね。
なお、ドイツの年末付近にある季節のイベントを以下にまとめましたので、こちらもぜひチェックしてみてください。
7. 安全の注意
こうしたかなり人が集まるイベントでは、スリなどの軽犯罪や性犯罪、テロなどの危険性も高まります。貴重品の管理はもちろんのこと、身の回りの安全にも十分注意してくださいね。
カウントダウン花火(個人用)は、本当に周囲四方八方から打ちあげられます。怪我などされないよう十分注意を払い、楽しいイベントにしてくださいね!
また、ドイツの治安については以下に詳しく特集していますので、こちらも一読してみてください。
まとめ
いかがでしたか?
日本とは全く異なるドイツの年末は、クリスマスの文化的・宗教的なイメージとは全く異なり、楽しくお祭り騒ぎさながらの雰囲気を味わうことができますよ!
是非ドイツ流の年末を、楽しんでくださいね。
ドイツ人は年末どう過ごす?在住者に聞く7つの現地事情!
1. セント・ステファノ(12月26日)後の静けさ
2. 大晦日:シルベスター(Silvester)
3. Guten Rutch!(良いお年を!)
4. レストランでのシルベスターディナー
5. ビールで乾杯
6. 花火で盛大に新年のカウントダウン!
7. 安全の注意