ドイツもハロウィンでコスプレする?現地のおもしろ6つの特徴!

(Marco Verch)

10月の行事と言えばハロウィン、そしてコスプレと日本ではすっかりおなじみになりましたが、ドイツには日本とはやや異なる、独特の背景や広まり方も垣間見えます。

筆者がかつて複数のドイツ人とハロウィンについて話した頃と違い、今では当日の夜はコスプレをした子供達が1軒ずつまわって Süßes oder Saures?(ジューセス オーダー ザオレス)「お菓子かイタズラか?」と言ってお菓子をもらって歩き、自宅ではパーティーをする様なスタイルも目にする様になりました。

そこで今回はドイツならではのハロウィン文化についてご紹介します。

 

ドイツもハロウィンでコスプレする?現地のおもしろ6つの特徴!

 

1. ドイツのハロウィンは別の祝日


ハロウィンの日である10月31日は、ドイツの一部の州では祝日です。しかしその日はマルティン・ルターにちなんだ宗教改革の日という祝日です。いかにもドイツらしい祝日ですね。一方で11月1日を諸聖人の日という祝日にしている州もあり、このあたりは宗教的、歴史的な背景があるドイツの事情がはっきりと表れています。

ただ、現代のドイツでは宗教改革を特に重んじる訳ではなく、むしろハロウィンに押されている現実もあるようです。10月に入るとハロウィングッズが街で売られ始め、大人向きのイベントは10月中旬あたりから始まり、当日は子供達がコスプレをしてお菓子をもらいに各家庭をまわります。

そんなハロウィンならではの子供達の行動に合わせて、プロテスタント系の教会が出したのがなんと「ルター飴」です。子供達にマルティン・ルターにちなんだ飴を配ることで、伝統ある祝日を思い出してもらおうという、まさしくドイツらしい背景だとも言えます。

2. 現地の人のハロウィンの過ごし方とコスプレ


子供達の楽しみがお菓子ならば、大人達、特に若い世代の間ではコスプレが広がりつつあるようです。ホームパーティーを開いて仲間内でコスプレをする人もいれば、街中の各種イベントに出かける人もいます。

市中で10月に入るとチラホラと売られ出すコスチュームの主流は圧倒的にホラー系です。ガイコツ、吸血鬼、モンスター、ゾンビetc.が圧倒的で、しかも相当な力の入りよう。ハロウィン用品を揃えた貸衣装店もたくさんあります。アニメキャラ風も目立つ日本とは大違いです。ハロウィンが元々は悪魔祓いが起源であることや、魔女伝説があるドイツの文化的背景も影響しているようです。

一方でベルリン観光局のHPを見ると、ジャック・オー・ランタンと呼ばれるおなじみのカボチャの切り方も載っています。家庭での楽しみ方と外部のイベントの楽しみ方の両方がハッキリと存在しているのがドイツ風ですね。

3. 日本との大きな違いは

何と言っても当日の夜に、可愛い魔物の群れが各住人を次々と襲撃?することにあります。興味のある人は、Süßes oder Saures を検索ワードにして、動画をいくつか見てみて下さい。

子供達にお菓子をあげる時に嬉しそうな表情を浮かべる年配の方々が映っている動画からは、最近の日本ではあまり見かけなくなった、地域の人達同士の良い雰囲気がうかがえます。しかし、どうやらいいことばかりでもないのか、ブラックユーモア混じりの動画もあります。言葉が分からなくても、内容は十分理解出来ます。どちらも日本には無い、ハロウィンがドイツにもたらしたものだと言えるでしょう。

4. ハロウィンを巡るドイツの事情

ドイツの複数のメディアによると、ハロウィンがアメリカからドイツに持ち込まれたのは1995年のことです。今から23年前ですから、現在30代後半以上のドイツ人は、子供の頃にお菓子をもらって歩いた記憶は無いでしょう。その歴史の浅さの為か、当日夜のイタズラに辟易しているような報道もあります。

少し古いシュピーゲル誌の記事で、既にハロウィンの日は少々の冗談は許される様になった、とありますが、別のメディアでは悪ふざけの社会現象だと批判する派の意見も紹介されているなど、年代別というよりもハロウィンを巡っての立場の差が見て取れます。

また、昨年のシュテルンという新聞によると、ドイツのお菓子業界にとってハロウィンはクリスマス、オースターに次ぐ第三の重要な行事だと報じられており、この手の冷静な分析記事からはドイツにおいても「突然広まったハロウィン」という受け止め方をされている様子がうかがえます。

5. ドイツのハロウィンのイベント


有料のイベントの選択肢は豊富で、その謳い文句が日本のお化け屋敷のノリに近いものもあれば、子供から大人まで家族連れに優しいショー形式のものまであります。いかにもドイツ語らしい強烈な?単語が並ぶ各イベントの中から、特に筆者の目にとまったものを2つご紹介したいと思います。

・ベルリン最大のハロウィンパーティー in カルチャー醸造所
カルチャー醸造所という商業施設で行われる、10月26日の夜10時から始まるライブなのですが、年に1度モンスターや幽霊、吸血鬼がベルリンにやってきて、であるとか、9ヶ所ある会場のダンスフロアその他の床なんかにも仕掛けがしてあるという宣伝文句がユニークです。

・我に嚙みつけ!
ハンブルクの市庁舎で行われるコスプレディスコ風パーティーです。10月27日と30日の2回、夜8時から10時までの開催です。このイベントのHPにアクセスしてみると、地獄の門が開くまで…と銘打って開催までのカウントダウンをしていて、使われている文言を読むだけでは、肝試しイベントと勘違いしそうです。

6. この時期にドイツを訪れる人へのおすすめ

有料のイベントは上記以外にもたくさんありますが、中にはコスプレが義務付けられている所もあり、日本から衣装等を持参するのは難しいでしょう。また、日本語の各サイトの情報が少ないことからも、ある程度のドイツ語力が要求されます。そこで観光客にもドイツのハロウィンを気軽に味わえる、派手なパレードがある街を2つご紹介します。

・べルリン:ゾンビウォーク
2018年は10月27日の開催でした。基本的には参加型のパレードです。

・ミュンヘン:死者のハロウィン祭
10月31日に頭蓋骨を立てた行列が、地下鉄の駅から目的地のホテルLovelaceまで約1時間歩きます。

無理なくドイツのハロウィンの雰囲気を味わうには、こういうパレード見物が出来る大都市を狙うのが良さそうです。

 

まとめ

歴史の浅さはあるものの、年間行事としては浸透しつつあるドイツのハロウィンについてお届けしました。実際にこの時期にドイツに行く機会があれば、大都市でドイツのハロウィンを味わってはいかがでしょうか。また、ある程度ドイツ語が分かる人は、思い切って有料のイベントに参加するのも良い体験になるかもしれません。

 

ドイツもハロウィンでコスプレする?現地のおもしろ6つの特徴!

1. ドイツのハロウィンは別の祝日

2. 現地の人のハロウィンの過ごし方とコスプレ

3. 日本との大きな違いは

4. ハロウィンを巡るドイツの事情

5. ドイツのハロウィンのイベント

6. この時期にドイツを訪れる人へのおススメ

 


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