ドイツのビザ取得で苦労する6つのポイント!

ドイツに長期滞在したい!でもどんな種類のビザを申請するべきか、ビザ取得にかかる期間と費用など、分からないことだらけ。そんなあなたに、今回は現地在住の筆者が自身の実体験をもとにビザ取得に役立つポイントをご紹介します。

ドイツでは、入国後90日間はビザなしで滞在できますが、それ以降の滞在にはビザが必要です。申請には時間がかかるので、なるべく早めに準備を始めましょう。

 

ドイツのビザ取得で苦労する6つのポイント!

 

1. ドイツで取得可能なビザの種類

ドイツで取得できるビザは以下の通りです。このうち、日本国内からビザ申請できるのはワーキングホリデービザと就労ビザのみです。その他のについては、ドイツに入国してから居住地の外国人局(Ausländerbehörde/アウスレンダービホェーデ)で各自で申請しなければなりません。

・ワーキングホリデービザ
31歳未満であれば申請でき、1年間ドイツに滞在しながら仕事ができます。日本国内でビザ申請可能。生活費支払い能力証明のため2,000ユーロ(約26万円)の預金残高が必要です。

・学生ビザ / 大学準備ビザ
学生ビザはドイツの大学に籍がある間取得可能なビザ。学業優先なので、月450ユーロまでしかアルバイトができないという就労制限あり。生活費支払い能力の目安は年約8,000ユーロ(約140万円)ですが、州により異なるので各外国人局への確認が必要です。大学準備ビザは、大学に入学するまでの準備期間として与えられるビザで、半年~1年間のビザが取得できます。大学準備ビザの申請には、既に日本で学位を取っていることと、申請時点で最低1年間は語学学校に通う旨の証明(語学学校に発行してもらう)が必要です。生活費支払い能力については学生ビザと同条件です。

・就活ビザ
ドイツの大学を卒業した場合に限り、最長18ヶ月まで就職活動のためのビザが申請可能です。

・語学研修ビザ
語学学校に通う期間のみ有効なビザ。生活費支払い能力については学生ビザと同条件です。

・就労ビザ、研修(インターンシップ、職業訓練)ビザ、研究ビザ
それぞれ就労先、研究機関からの受け入れが既に決まっている場合にのみ申請ができるビザ。ワーキングホリデービザからの切替えも可能。州によって定められている平均給与の基準を満たしている必要がある。

・配偶者ビザ
ドイツ国籍保有者または永住者との婚姻にて取得できるビザ。戸籍役場で入籍の予約日が確定していれば、その間にビザが切れても婚約期間としてビザの延長が認められます。

 

2. 居住地の住民登録局への登録を忘れずに!

ドイツへの渡航時にすでに長期滞在を考えている方にとって重要なのが、居住地への住民登録。どのビザもこの住民登録の証明がないと申請が認められません。原則、住民登録は入国後1週間以内に済ませることと決められています。実際、1週間を過ぎてもその後ビザ申請ができないわけではありませんが、速めに手続きすることをお薦めします。必要書類は、パスポートと住居の賃貸契約書です。

ドイツに来たばかりでドイツ語が全然できない方は、是非、ドイツ語ができる人を頼りましょう。筆者の場合、英語で手続きしようとしましたが、受付の時点で「ドイツにいるんだからドイツ語で話してくれないと私は分からない。」と対応を断られたという苦い思い出があります。

 

3. 外国人局の予約はメールが一番

ビザ申請には、各居住地の外国人局で担当官と直接会い書類を提出しなければなりません。そのためには、事前の予約が必要です。役所に行くと、予約はオンラインで行うようにと言われるのですが、このオンラインシステムでは数か月先まで予約が全て埋まっていて、選択肢すらないことが多々あります。

筆者は、直接外国人局にメールを送り、
1)一番早く予約が可能な日程
2)申請したいビザ取得に必要な書類
を返信してもらうように依頼します。

すると、オンライン予約システムに反映されていない担当官の空き時間を案内してもらえます。メールは、英語でもドイツ語でもどちらでも対応してもらえます。それでも、メールを送ってから2~3ヶ月先の日程を提案されることもあるので、入国後すぐに、もしくはドイツ入国前にすでに予約の手配をしておいた方が安心です。

 

4. 書類の準備は入念に

ドイツは書類大国。書類の審査はなかなか厳しいです。また、1つでも書類が欠けると、もう一度上記3. の予約手続きをして、次の手続きまで数週間待たなければなりません。ですので、1回の手続きで処理が終わるよう、事前準備は完璧にしておきたいものです。

ビザの申請時に共通して重要かつミスを犯しやすいのは、申請者の預金残高証明と健康保険の加入証書です。銀行の預金残高証明は、英語もしくはドイツ語の証明書を提出しますが、外国人局によっては、日本の銀行では認められないケースもあるようです。その場合は、ドイツ国内の銀行に口座を作っておく必要があります。

また、健康保険の加入時に気を付けたいのは、保険の種類と契約期間。日本の海外旅行保険は残念ながら適用外のことが多いので、ドイツの保険会社に加入するようにしましょう。また保険のプランには、歯科治療と妊娠費用が保険適用の対象になっていることが重要です。さらに、契約期間がビザの申請希望期間をカバーしているかも、確認してください。州によっては、外国人局指定のフォーマットに保険会社からの署名が必要なこともあります。

書類不備で時間のロスを防ぐためにも、書類に関して少しでも疑問や不安がある場合は、必ず早めにメールで質問し、万全の態勢で臨みましょう。

 

5. ビザ申請費用は馬鹿にならない

ビザの申請費用は、1年未満50ユーロ(約6,500円)、1年以上の滞在期間の場合60ユーロ(約7,800円)、そして延長の都度30ユーロ(約3,900円)かかります。例えば、語学研修ビザ(1年)→学生ビザ(1年)へ切り替える間にビザの有効期限が切れてしまう場合、仮滞在許可証が発行されます。その場合は、合計60ユーロ×ビザ2回+30ユーロ(仮滞在)=150ユーロかかります。

ビザの延長や切替の際には、有効期限から逆算して早めに手続きすれば、無駄な出費を抑えられるかもしれません。

 

6. ドイツ語が堪能な人がいた方が有利?

外国人局の担当官は基本英語ができるので、ドイツ語が堪能である必要はありません。しかし、ドイツ語が話せる人に同伴してもらった方が、スムーズに手続きが進む確率がぐっと上がるでしょう。意外かもしれませんが、ドイツでは結構担当官との相性やその場の雰囲気の良しあしも、手続きの進行に影響することがあります。

また、英語ができる担当官でも、英語を話すことに気の乗らないような態度を見せる人もいます。担当官とのミスコミュニケーションで、とれるビザが取れなかったり、有用な情報を逃したりすることを防ぐためにも、可能であればドイツ語ができる方に頼ることをおすすめします。

 

まとめ

いかがでしたか?
ドイツのビザ申請で難しいのは、外国人局によって審査基準に違いがあることです。ネットでは基本的な情報は知ることができますが、その通り準備したのに申請を却下されることがあります。一番確実なのは、ビザ申請をする外国人局に問合せをすること。そして、必要書類の準備には時間がかかることもあるので、冒頭にも記載した通り、早め早めから情報収集を始めましょう。

 

ドイツのビザ取得で苦労する6つのポイント!

1. ドイツで取得可能なビザの種類

2. 居住地の住民登録局への登録を忘れずに!

3. 外国人局の予約はメールが一番

4. 書類の準備は入念に

5. ビザ申請費用は馬鹿にならない

6. ドイツ語が堪能な人がいた方が有利?

 


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