オランダには12月に2度もクリスマスがあることをご存知でしたか?セント・ニコラス(シンタクラース)とイエス・キリストの2人の聖人のお祝いをするんです!それぞれどんなふうに過ごすのでしょうか?今回は、オランダの「まさか!?」なクリスマスの楽しみ方をご紹介します。
オランダのクリスマスはどんな感じ?6つのおもしろ豆知識!
1. 2回もお祝いするクリスマスの時期は?
オランダでは、セント・ニコラスの命日12月6日と、イエス・キリストの誕生日12月25日にお祝いをします。ただしセント・ニコラスのお祭りは1か月くらい続くから驚きです!
2. 12月5日は長いイベントの幕開け!
セント・ニコラスは、4世紀ごろ現在のトルコに実在していた神学者で、キリスト教大主教の司祭でした。彼は貧しい人や子どもや弱い立場の人々を救い、信仰のない者に道を説き多くの奇跡をおこなったという聖人です。シンタクラースはサンタ・クロースの前身なのです。
11月の第2土曜日に、シンタクラースがオランダの町にやってくるのがすべての始まりです。オランダの伝説によれば、セント・ニコラスはスペインのマドリッドに住んでいて、オランダのたくさんの子供たちに会うために毎年違う港にやってくると言われます。
シンタクラースは「ズワルズ・ピート(黒いピーター)」と呼ばれるお供をたくさん連れてスペインから蒸気船に乗ってやってきます。シンタクラースと黒いピーターたちが船から降りると、地元の教会ではお祝いのベルを鳴らします。白く長いひげをたくわえ赤いローブを着たシンタクラースは、白馬にまたがって町中をパレードしながらプレゼントを配ります。
黒いピーターは子どもたちが一年間どんな行いをしたのか大きな本に記録をつけているので、いい子はシンタクラースからプレゼントをもらえますが、悪い子はしつけをするために袋に入れられてスペインに連れて行かれると言われています。
シンタクラースがオランダに来る日の夕方には、子どもたちは靴を暖炉や窓のそばに置いてシンタクラースの歌を歌います。そしてシンタクラースの馬のためにニンジンを自分の靴の中に入れておくと、お菓子やプレゼントをもらえると信じています。馬に乗ったシンタクラースが屋根の上にやってきて、黒いピーターが暖炉や窓から入ってきて靴の中にプレゼントを入れるのです。これは12月5日のシンタクラースのお祝いの日まで毎週末続きます。
この頃オランダの人々は家の飾りやプレゼントやお菓子を買い集め、12月5日までにはクリスマスの飾りつけも終わります。こうしてオランダのクリスマス商戦は早々と11月に始まるんですよ!
3. いよいよ12月5日がやってくる!
12月5日の夕方は「セント・ニコラス・イヴ」とか「プレゼント・イヴ」と呼ばれ、子どもたちは夕方プレゼントをもらいます。玄関をノックする音が聞こえ開けてみると、玩具やゲームや人形などプレゼントがたくさん入った袋を見つけるってこともあります。パーティでは子どもたちは「宝探しゲーム」をして楽しみます。ヒントの書かれた詩やナゾを手がかりにシンタクラースが置いていったプレゼントを探し当てます。また特別なビスケットやお菓子がふるまわれます。例えば「文字ビスケット」はパーティに参加している人の名前の頭文字の形。「ペハヌート」というシナモンとスパイス入りの甘いビスケットもあります。ホット・チョコレートも欠かせません。
12月6日には、シンタクラースは蒸気船に乗ってヨーロッパ最大のロッテルダム港を経由してスペインへ帰っていきます。
4. 12月25日はとにかく「地味!」
12月24日クリスマス・イヴの夜にはサンタ・クロースがプレゼントをもってフィンランドのラップランドからやってくると子どもたちは信じています。サンタ・クロースをシンタクラースと間違えないように、クリスマス・マンと呼ぶこともあります。
イエス・キリストの誕生日を祝うクリスマスの日はとても静かです。人々は教会へミサに行ったあと、家族や親戚と一緒にクリスマス・ディナーを囲みます。時には教会ではクリスマスの日の午後に「スペシャル日曜学校」があり、クリスマス物語や伝統的な物語の読み聞かせがあります。子供たちはセント・ニコラスの日にたくさんプレゼントをもらっているので、クリスマスには1つだけプレゼントをもらいます。オランダの12月25日はとても地味なのです。
5. クリスマス・ディナーにも変化が!
クリスマス料理と言えば、以前は「ローストポーク」や野生のウサギや鳥などで作る「ジビエ」という伝統料理がメインでしたが、最近ではグルメと呼ばれるホットプレートが出回ってきました。細かく刻んだ肉や魚介類や野菜やチーズなどをテーブルに並べておいて、自分の好きな具を小さなフライパンに乗せて、それぞれホットプレートで調理します。あとはサラダやフルーツ、スパイス入りクッキーやフルーツ入りのパンなどが添えられます。
6. 観光地でのおすすめな過ごし方
アムステルダム中央駅から王宮のあるダムラック大通りはイルミネーションで彩られ、店のショーウインドーもピカピカに飾られています。11月末から4週間ほどクリスマスマーケットが開かれていて、クリスマスグッズやお土産の屋台はもちろん、「オリボーレン」というドーナツや薄焼きワッフル「ストロープ・ワーフェル」やグリルしたソーセージを挟んだホットドックなど屋台グルメを楽しむことができます。
イルミネーションスポットならば、ダム広場の左手の高級デパート「バイエンコルフ」のライトアップは王宮よりも華やかです。人と馬車とトラムが行きかうにぎやかな雰囲気も楽しくて寒さを忘れるほどですよ。ライトフェスティバルで光のオブジェを堪能したり、アムステルダム川沿いの夜景やライトアップした船のパレードも見逃せません。
国立博物館前の屋外スケートリンクそばには「I amsterdam」というオブジェがあります。アムステルダムの財産は「人」というキャッチコピーです。アムステルダムに住む人々は自分の町に誇りを持っているのですね。
まとめ
いかがでしたか?
まさか!?のオランダのクリスマスですね。お国が違えば文化も伝統も違うものです。サンタ・クロースをクリスマス・マンと呼ぶオランダの陽気な人々に乾杯!
オランダのクリスマスはどんな感じ?6つのおもしろ豆知識!
1. 2回もお祝いするクリスマスの時期は?
2. 12月5日は長いイベントの幕開け!
3. いよいよ12月5日がやってくる!
4. 12月25日はとにかく「地味!」
5. クリスマス・ディナーにも変化が!
6. 観光地でのおすすめな過ごし方