インドのバレンタインデーはどんな感じ?6つのおもしろ豆知識!

(Mark Hillary)

ヒンドゥー教徒が約80%を占めるインドですが、近年、西洋の文化に憧れをもつ若者たちの間でバレンタインデーは認知され始め、お祝いされるようになりました。イベント好きのインド人ですが、結婚前に恋愛なんて御法!ともいわれるインドの社会ならではの問題もあります。そこで今回は、インドのバレンタインデー事情を詳しくご紹介します。

 

インドのバレンタインデーはどんな感じ?6つのおもしろ豆知識!

 

1. バレンタインを祝うのは一部の中高階層の若者たち

バレンタインデーのイベントを楽しむのは、西洋的な文化やファッションに憧れを持つ中高階層の若者たちです。インドの都市部では、ここ10年の間にショッピングモールなどの商業施設がつぎつぎに建設されました。バレンタインデーの日はハート型の風船などが飾り付けられ、人々で賑わうようになりました。

しかし、そういった商業施設に行かなければ、バレンタインデーということも忘れるくらいの雰囲気で、日本のように盛り上がるイベントではありません。インドは年々恋愛結婚の割合が増えてきたとはいえ、8割の人は同カースト同士で相手を探し、親が決めたお見合い結婚をするのが一般的です。結婚前に恋愛をすることや、ましてやお付き合いをするなんてことは良いとは考えられていません。バレンタインデーというイベントをみんながみんな盛り上がって楽しむことがないのは、こういった社会的背景や恋愛事情も少なからず影響しているようです。

 

2. プレゼントを贈るのは男性から!愛の告白も!

日本では女性から男性にチョコレートを渡し、愛の告白をしたり、義理チョコを配ったりもしますが、インドでは男性から女性へプレゼントを贈ります。愛の告白をすることも!本当に愛する人へ愛のメッセージを届けると認知されているイベントなので、日本のような義理チョコのような習慣はありません。

インド人は悪ふざけやジョーキングが大好き!バレンタインデーの日に町で突然女性に声を掛けて愛の告白をしたらどうなるか?!というドッキリ番組はインド人らしい発想です。

 

3. プレゼントは花束、カードが主流!

バレンタインデーのプレゼントは赤いバラの花束やカードが主流です。インド人は誕生日や何かお祝い事の度にカードに詩やメッセージを書いて渡すのが大好きです。最近では花やカード以外にも、テディベアやネックレスなどのアクセサリーを一緒に贈ったり、インドで祝い事の時に食べられる甘菓子ミタイーや、ナムキンと呼ばれるスナック菓子、チョコレートなどもプレゼントしたりします。恋人がいる女性は、カードやお菓子など、ちょっとした気持ちを恋人に渡すこともあるようです。

 

4. バレンタインウィークがある?アンチバレンタインウィークも!

インドで面白いのが、バレンタインデー前の一週間をバレンタインウィークと呼ばれるラブウィークがあることです。2月14日の愛の告白に向けての下準備というものでしょうか。インド人は愛のメッセージを詩で詠うのが大好きです。インターネット上では、それぞれの日に送る用のSMSや詩などたくさん見ることができます。

2月7日 Rose Day バラの日
2月8日 Propose Day 告白の日
2月9日 Chocolate Day チョコレートの日
2月10日 Teddy Day テディベアの日
2月11日 Promise Day 約束の日
2月12日 Kiss Day キスの日
2月13日 Hub Day ハグの日

さらに面白いことに、バレンタイン後の一週間を愛に破れた人や恋人との関係を決裂する人のためか、アンチバレンタインウィークというものがあることです。2月15日からSlap Day平手打ちの日から始まり、Kick Dayキックの日と続き、最終日2月21日にはBreak up Day 崩壊の日となっています。バレンタインデーの告白に破れた人のための心の慰めウィークというものでしょうか。

 

5. バレンタインデーに対する批判と抗議

ヒンドゥー教の文化や慣習がとても大事にされているインドでは、バレンタインデーなどの西洋文化がインドに与える影響を歓迎しないと非難する国民もたくさんいます。毎年バレンタインの日には一部の政党や宗教団体がバレンタインカードや花を燃やすなどして抗議デモを行ったり、カードショップを襲撃するなどの事件も起きたりしています。バレンタインデーを楽しむ人々の一方で、良く思わない人も大勢いることも忘れてはならない点です。

 

6. 恋人より家族!バレンタインより家族のイベントを大切にする国

インドはとても家族を大事にする国です。恋人より家族だったりします。恋人と楽しむバレンタインデーより、ラクシャーバンダン(Rakshabandhan)といった姉妹と兄弟の絆を祝うお祝いの日の方がとても重要視されていて、国民の祝日でもあります。兄弟が姉妹を守る意味合いがあり、姉妹が兄弟に腕輪飾りのようなラーキーと呼ばれた紐を贈り、兄弟がお返しにプレゼントやお金を渡すなどします。結婚や仕事で兄弟が遠方に離れて暮らしていても、そのために帰郷したり、どうしてもの時は郵送で送って届けたりもします。

また、カルワチョーク(Karva Chauth)といった、旦那さまの為に奥さまが断食をし、夫婦の絆を確かめ合うお祝い事もあります。結婚した夫婦のイベントなのですが、恋人がいる未婚の女性も、恋人の為に断食をしようと考える若者もいます。これらヒンドゥー教のイベントはバレンタインデーとは比べものにならないくらい、インドではとても重要視され大事にされているお祝い事です。

 

まとめ

いかがでしたか?
国によってバレンタインデーに対する考え方やお祝いの仕方も違い面白いですよね。以前インドの職場で義理チョコのつもりでチョコレートを配ったら、みんな顔を真っ赤にして照れてしまい、こちらがとても恥ずかしくなったのを覚えています。

発展し続けるインドですが、インド人の家族や兄弟を大事にする心、自国の文化を大事にする心はずっとそのままであって欲しいと思います。そして何よりも平和で争いごとがないことを願います。

 

インドのバレンタインデーはどんな感じ?6つのおもしろ豆知識!

1. バレンタインを祝うのは一部の中高階層の若者たち
2. プレゼントを贈るのは男性から!愛の告白も!
3. プレゼントは花束、カードが主流!
4. バレンタインウィークがある?アンチバレンタインウィークも!
5. バレンタインデーに対する批判と抗議
6. 恋人より家族!バレンタインより家族のイベントを大切にする国

 


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