イタリアの葬式・葬儀は教会で厳かに行われその後家族や死亡した本人の希望により火葬か土葬することになります。カトリック教でもあることから体はキリストに捧げて復活を期待するのでイタリア人にとっては土葬が基本的な葬儀となります。教会での葬儀マナーはそれほどこれといった決まりはなく、亡くなった人が安らかな永遠の眠りにつけるようミサに参加します。
お棺に納められた亡くなった人の周りは色とりどりの花で囲まれ、厳かな葬儀の中にも心を和ませる雰囲気があるのもイタリアの葬式の特徴です。パイプオルガンに合わせて歌う聖歌隊なども場合によっては加えられ死者の冥福を穏やかに祈りながら葬儀を行うのもカトリック教ならではでしょう。
今回は、イタリアの葬式・葬儀について詳しく見て行きます。
イタリアの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知識!
1. イタリアで死亡した時の通知報告
死亡をした時にはイタリアではその人の住んでいた区域の街角に死去の報告が専用の掲示板に貼られます。そのため近所の人が亡くなった場合すぐに知ることができ、知り合いならばお悔やみの言葉を伝えることができます。香典はイタリアにはないので死亡を知ってもあえてお金を用意するしきたりはありません。単に「Mi dispiace molto(とても残念です)」という言葉が香典の代わりとなります。
またお線香をあげたりする代わりに教会でキャンドルを灯します。死亡の通知を受けても自宅で死亡した以外には遺体が自宅へ戻ることはないので、家へ行ってキャンドルを灯すということはありません。また周忌というものもなく、亡くなった日に教会や自宅で個人的にキャンドルを灯したりするのが一般的です。
2. イタリアの葬式が行われる場所と方法
イタリアでは死亡した人の魂を清めるために教会で葬式を行います。教会の内部は厳かな雰囲気で包まれ死者は祭壇の前に縦方向で置かれます。お棺の周囲には死者の好きだった花をはじめとする菊にこだわらない様々な種類の花が並べられます。神父は死者プロフィールとともに安らかな永遠の眠りをお祈りしてミサを行います。
ミサの途中では、死者の親友や親戚が代表して最後の挨拶をすることもあります。教会の規模にもよりますが、パイプオルガンや賛美歌がミサの前後に流れ約1時間ほどの葬儀が終了します。ミサの後には霊柩車で墓地へと向かいそれぞれ希望する埋葬をします。
3. イタリアの葬式は誰が行うか?
参列者が葬式の時間に合わせて一通り揃うと神父が教会へ入ってきて葬儀が行われます。葬式では神父の服も紫色で統一するのがマナーです。神父はミサを行いますが厳かな中にも死者の魂はまだ息づいているということを教えてくれます。
イタリアでは葬式のカラーとして紫が用いらるのでイタリア人は紫色を避ける傾向があり、衣類や家具などすべてのものに対して敬遠する傾向があります。実際お店などでバーゲンなどで売られているものの中には紫色の商品が残っているものです。
4. イタリアの葬儀にふさわしいマナー違反にならない身なりは?
イタリアの葬儀に参加する人は一般的に暗い色目の服で身をまとうのがマナーで、それほどこれといった服装はありません。また死者の偉大さにより参列者の身なりも異なります。有名な人が亡くなった場合には、女性ならワンピースやスーツ男性ならネクタイとスーツでトータルに黒で身を包みます。女性は頭部に黒のレースのストールやチュール付きの帽子で顔を隠しながらエレガントに装うのが特徴です。通常では特にトータルにコーデをする必要はなく地味な服装であればマナー違反になりません。
また真珠などのアクセサリーも通常の葬式なら必要ないでしょう。他の参列者がシンプルですと「なんで葬式なのに着飾るんだ」みたいな感じで浮いてしまいます。イタリアではTPOに合わせてマナーを非常に重視する場合と、時に気にしない部分との差が大きいものです。自分ではよくないと思っても大丈夫だったり、いいと思っていたら反感を持たれたなどカルチャーショックが結構あるので確実でない時はしっかり調べておきましょう。
5. イタリアの葬式に参列した時のマナー
イタリアだけでなく葬式は悲しいセレモニーですので騒いだり笑ったりするのはマナー違反です。人々は亡くなった人の遺族を慰めるために手を握りしめたり抱き合ったりして最後の別れの瞬間を見届けます。葬式中には黙り続けていることはありません。むしろ久しぶりに会う親戚には相手の状況を尋ねるよい機会にもなるでしょう。参列者との無難な会話は悲しい雰囲気に満ちた葬儀を和ませてくれるでしょう。
人によっては悲しみに耐えられずに泣き続けて周囲を戸惑わせてしまう人もいます。そんな時にはせめてその辛さを分け合うことで悲しみを半分にしてあげるのがマナーでしょう。
6. イタリアの墓地とお墓
葬式が終わるとお棺を霊柩車に乗せて墓地へと向かいます。イタリアでは火葬よりも土葬がメインに選択されるので火葬所へ赴かず、直接墓地へ行くのが一般的です。参列者は死者の永遠の眠りを祈りながら土で埋もれていく死者を黙って見守ります。イタリアの墓地は埋葬された場所に十字架を置いたものから、個室のように重厚に建てられた豪華な墓まで様々です。
また壁を区分けして死者の名前を刻んだシンプルなものもあり家を買う時のようにスタイルによって価格も変動します。墓地は白を基調としているので日本のように薄暗く不気味なイメージがなく、むしろバラなどあちこち綺麗な花で飾られているので意外と心地よくお墓参りができるのものです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
イタリアでの葬式はカトリック方式で行われますので日本とはかなり異なります。悲しみを悔やむ感情は同じですが、参列する時のスタイルは比較的楽なものです。葬儀のマナーもこれといって難しいものはなく厳かでシンプルなのがイタリアの葬儀スタイルです。
イタリアの葬式・葬儀にまつわる6つの豆知識!
1. イタリアで死亡した時の通知報告
2. 葬式が行われる場所と方法
3. 葬式は誰が行うか?
4. 葬儀にふさわしいマナー違反にならない身なりは?
5. 葬式に参列した時のマナー
6. イタリアの墓地とお墓