イタリア人にとってオリンピックはどんな存在なのでしょうか?日本ではオリンピックは大切な国民的行事の一つですよね。この時期にはみんながオリンピックの話題で盛り上がり、日本人であることを誇りに思ったり再認識するような機会でもあります。
今回は、日本とは違うイタリアのオリンピックの特徴をイタリアに住む筆者が紹介していきます。イタリア滞在中にオリンピックの開催があるときの参考にもなりますよ。
イタリア人にとってオリンピックとは?在住者が感じる8つの特徴!
1. 日本人ほどは関心が無い
日本ではオリンピックが始まると、テレビをつければオリンピックの競技の中継をしていたり、ニュースでも必ずオリンピックの結果が報じられて、特に気にしていなくてもオリンピックの情報が入ってきますよね。
イタリアでは日本ほどニュース番組の中でオリンピックの試合結果などが取り上げられてないように感じます。会社や友達との会話でも、オリンピックのことが話題になることは日本よりかなり少ない印象です。イタリア人の最大の関心事ワールドカップと比べると、全く関心が無いと言ってもいいくらいです。
2. オリンピック開催中のイタリアの様子
ワールドカップのときには、レストランやバールのテレビで試合を観戦しようとする人で溢れかえりますが、オリンピックではこうした光景はほとんど見られません。また、日本のように金メダル獲得おめでとうセールのようなイベントもないので、オリンピック開催中の街の中はいたって通常どおりです。
なお、イタリア人の性格については以下にまとめていますので、こちらも合わせて読んでみてください。
3. イタリア人に人気な種目(夏季)
オリンピックへの関心は低めとはいえ、イタリアがメダル常連国の種目はもちろんイタリア人も注目しています。メダル獲得数が常に多い種目は、フェンシング、自転車競技、ボクシング、陸上競技、体操競技などです。
中でもフェンシングは常に圧倒的な強さを見せています。自転車競技はイタリアは自転車愛好者が多いので人気がある種目です。
4. イタリア人に人気な種目(冬季)
冬季種目でメダル獲得が多いのは、アルペンスキー、クロスカントリー、リュージュなどです。メダルの数は意外と少ないのですが、フィギュアスケートも人気があります。
カロリーナ・コストナー選手は日本でも有名ですが、イタリア人にも大変人気があります。20代前半で引退することが多い女子フィギュアスケート界で、32歳の現在も現役で活躍しています。
5. メダル獲得者への高額報奨金
ワールドカップほどはオリンピックに盛り上がりのないイタリアですが、実はイタリアはメダルを獲得した人への報酬金額が高い国なのです。
2016年のリオデジャネイロ五輪では、イタリアオリンピック委員会からは金メダル獲得者に約1700万円の報奨金が支払われました。日本の金メダル獲得者に支払われる500万円とは差があります。ただイタリアの場合は報奨金の全額に高額の税金が課されるので、実際に受け取れる金額はかなり少なくなります。
高額の報奨金を設定している他の国は金メダル獲得者が少なかったり、ほとんどいない国が大半を占めているのに対して、それなりの金メダル獲得者が出ている国でこれだけの高額報奨金を設定している国はイタリアだけなんです。
6. 過去のイタリアでの開催都市
イタリアは1896年に開催された第1回アテネオリンピックから参加しています。
自国イタリアでの開催は、夏季オリンピックは1960年のローマオリンピック、冬季オリンピックは1956年のコルチナ・ダンペッツオオリンピック、それからまだ記憶にも新しい2006年のトリノオリンピックです。前回のローマでのオリンピックからは長い歳月を経ての開催でした。
トリノオリンピックは開会式のフィナーレで3大テノールの一人ルチアーノ・パバロッティが歌い、イタリアらしさを強く感じさせました。
7. スタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ
オリンピックのために建設された施設の中で、今も使われていて有名なのがスタディオ・オリンピコ・ディ・ローマです。ローマオリンピックのメイン会場として建設され、その後も改修を重ねて、現在はASローマ、SSラツィオがホームスタジアとしています。ローマでセリエAのサッカー観戦をするなら訪れることになるスタジアムです。
なお、イタリア語でスポーツ観戦するときに役立つフレーズを以下で特集していますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
8. ローマ2024年夏季オリピック開催地立候補断念
日本では2000年の東京オリンピック開催に向けて盛り上がっていますが、イタリアは2024年の夏季オリンピックの開催地に立候補しようとしましたが、経済的な理由から断念することになりました。ローマ市長が財政難のローマでオリンピック開催は困難で無責任なことになるとコメントしています。ローマ市民もオリンピック開催は税金の無駄遣いになると反対の意見が多かったのです。
イタリア人は日本人よりもシビアな目線でオリンピックを考えています。実はローマは2020年の夏季オリンピックにも立候補しようとして、直前に立候補を辞退しています。1960年のローマオリンピックから長い年月が経ちますが、イタリアでの夏季オリンピック開催はすぐには実現しなさそうです。
まとめ
いかがでしたか?
ご紹介したようにイタリアのオリンピック事情は日本とは少し違っています。日本のように街中がオリンピック一色にはならず、またオリンピックに全面的に肯定的ではありません。イタリアでの生活、イタリア人とのコミュニケーションの中にぜひこの記事の情報を役立たせて下さいね。
イタリア人にとってオリンピックとは?在住者が感じる8つの特徴!
1. 日本人ほどは関心が無い
2. オリンピック開催中のイタリアの様子
3. イタリア人に人気な種目(夏季)
4. イタリア人に人気な種目(冬季)
5. メダル獲得者への高額報奨金
6. 過去のイタリアでの開催都市
7. スタディオ・オリンピコ・ディ・ローマ
8. ローマ2024年夏季オリピック開催地立候補断念