ジャマイカ国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?

ジャマイカ国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?

ここ近年のジャマイカ陸上選手のすばらしい活躍で、ジャマイカの国旗を目にすることも多くなったと思います。ジャマイカは、経済的に安定していないため、暮らすには大変厳しい国です。たくさんのジャマイカの人々が、アメリカ、カナダ、イギリス等へ移住しています。幼少の頃、親と共に移住し、ほとんどジャマイカへ帰ったことがない人達でさえ、ジャマイカ国旗を見ると喜びと誇りを感じるそうです。今回は、そんなジャマイカ国旗について、国の歴史も含めてご紹介します。

 

ジャマイカ国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?

 

1. ジャマイカ国旗の誕生

イギリスから独立した1962年8月6日に、現在のジャマイカ国旗は誕生しました。ジャマイカ国旗は、縦横比が1:2で、金色のセント・アンドリュー・クロス(X型をした十字架)が描かれ、その上下が緑色、左右が黒色となっています。ちなみに、イギリスの植民地時代、ジャマイカを表す旗には、イギリス国旗とジャマイカの国章が描かれていました。

 

2. 国旗の意味するところ

ジャマイカの国旗に使われている三つの色には、もちろんそれぞれに意味があります。まず、クロスしている金色(黄色に見えますが本当は金色だそうです)は、天然資源と美しい太陽の光を表します。このクロスは、セント・アンドリュー・クロスと呼ばれ、キリスト教への敬謙信仰も意味します。そして、上下の緑色は、希望と農業資源を表し、左右の黒色は、ジャマイカの人々の強さとに創造性を描いています。実は、国旗が誕生した当時、黒の部分の意味は、「困難」を意味していました。しかし、1996年にジャマイカ国旗の象徴について見直され、「困難」はネガティブな意味であるため、現在の「強さと創造性」に変更されたそうです。

 

3. ジャマイカ独立までの道のり

ジャマイカ国旗は、イギリス植民地からの独立と同時に誕生しましたが、ジャマイカが独立するまでの歴史背景を簡単に振り返ってみます。 ジャマイカの先住民は、2500年以上前に、南アメリカからやってきたアラワク族(タイノ族とも呼ばれていたようです)というインディアンで、1494年5月、スペインの探検家コロンブスに発見されるまで、静かに暮らしていました。コロンブス上陸後の1503年、ジャマイカはスペインに征服されました。スペイン人に強制労働を強いられたアラワク族(タイノ族)は、スペイン人が持ち込んだ疫病、奴隷制度、戦争により絶滅してしまいました。その後、スペインは、サトウキビのプランテーションの労働力を補うため、多くの奴隷を西アフリカからジャマイカへ連れてきました。スペインは100年以上ジャマイカを支配しましたが、1652年ごろからイギリスの攻撃を受け、ついに、1670年、イギリスはジャマイカを植民地化しました。1838年奴隷制度は廃止されましたが、その後もイギリスの支配下に置かれていたジャマイカはようやく1962年8月独立したのです。ジャマイカ国旗のクロスで分けられている左右の黒色は、国民の90%を占める奴隷としてアフリカから連れてこられた黒人を意味するという説もあるようです。自由を勝ち取るためにねばり強く戦い抜いた黒人の信念の強さも表しているのかもしれません。

 

4. 実は、ジャマイカ国旗のデザインは急遽変更されていた!

ジャマイカは、1962年8月の独立に合わせて、ジャマイカ国旗を制定するため、1961年9月から全国でデザインを募りました。集まったのは、368案。そのうち12案が候補に残りました。そして、1962年6月、ジャマイカ議会で、緑、黄色、黒のヨコ縞のデザインが採用され、イギリスの植民地省へ承認を申請しました。しかしながら、当時のタンガニーカ国(現タンザニア)の国旗に酷似しているということが判明し却下されてしまいます。そして、再度、話し合いを重ねた結果、色はそのまま採用して、現在のデザインに至りました。

 

5. 国旗取扱いのルールがたくさん!

国旗取扱いのルールがたくさん!どこの国でもそうだと思いますが、ジャマイカ国旗も取扱いの際の規則があります。その規則をいくつか下記にご紹介します。

・ジャマイカ国旗は常に尊厳を持って扱わなければなりません。
・地面や床に触れてはいけません。
・国家行事を除いて、すぐに破棄するような一時的な飾りに使用してはいけません。
・一緒に掲げられる他の旗より大きくなくてはなりません。
・古くなった旗を処分する場合は、非公開で燃やさなければなりません。等々。

ここに挙げたものは、ほんの一部ですが、たくさんのルールがあるようです。一国を象徴するものですから当然ですね。

 

6. ジャマイカ国旗は、ラスタカラーではないのですが…

ジャマイカ=レゲエ=ラスタカラーということから、ジャマイカ国旗がラスタカラーだと思っている方もいるかもしれません。ラスタカラーというのは、緑、黄色、赤の三色(時々黒が入っているものもあります。)のヨコ縞で、ラスタファリアニズムの旗は、真ん中にライオンが描かれています。これは、エチオピア帝国の国旗から来ています。ラスタファリアニズムは、アフリカ回帰主義を唱える宗教思想運動で、1930年エチオピア帝国の皇帝に即位したハイレ・セラシエ1世を崇めています。1970年代にレゲエ音楽、ボブ・マーリーによって世界に広まりました。したがって、レゲエシーンにおいてはラスタカラーがよく使われます。ラスタファリアンではない人も、ジャマイカでは、このラスタカラーの旗もジャマイカ国旗と同じくらい身近な存在だそうです。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか?
オリンピック等の国際大会の開会式では、アルファベット順に入場するので、ジャマイカ選手団は日本選手団の前を歩きます。国旗も、日の丸の横に並んでいます。今度、機会があれば、ぜひご覧ください。 どこの国の国旗にも、歴史的背景やその国の特徴が表れていて、調べてゆくと非常に興味深いものです。国を知る手段として、国旗について紐解いてゆくのも面白いかもしれません。

 

ジャマイカ国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?

1. ジャマイカ国旗の誕生
2. 国旗の意味するところ
3. ジャマイカ独立までの道のり
4. 実は、ジャマイカ国旗のデザインは急遽変更されていた!
5. 国旗取扱いのルールがたくさん!
6. ジャマイカ国旗は、ラスタカラーではないのですが…

 


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