韓国の国民性を知るために押さえるべき7つのニュース!

韓国の国民性を知るために押さえるべき7つのニュース!

韓国人には日本人とは異なる国民性があります。韓国の人たちとお付き合いする上で、このような韓国人の国民性・気質を理解しておくことは非常に重要です。そこで今回は、韓国の国民性を知るために押さえるべき韓国の現代史上の出来事やニュースについて7つご紹介します。

 

韓国の国民性を知るために押さえるべき7つのニュース!

 

1. 大韓民国の「原点」としての「光復」

8月15日といえば日本では「終戦記念日」とされていて、過去の戦争に想いをいたす日になっていますが、1910年以降、日本の統治を受けていた韓国にとって、日本の敗戦は日本による支配からの「解放」を意味しました。ソウルをはじめとする各都市では日本からの解放を喜ぶ市民が街頭に出て「独立万歳」を叫びました。韓国ではこのことを失われていた光が回復した、という意味で「光復」といい、8月15日は「光復節」として祝日になっています。このような植民地支配とそれからの解放という歴史的経緯から、韓国には「国」「祖国」あるいは「民族」という価値を非常に重視する国民性があります。

 

2. 韓国現代史最大の虐殺事件「済州4.3事件」

現在、南北に分断されている朝鮮半島の南側に位置する韓国。日本の敗戦後、北緯38度線を境界として北をソビエト連邦、南をアメリカが占領していましたが、米ソの対立が激化するなかで南北で別個の国家建設が進められていきました。ソ連側が朝鮮半島全体での総選挙を拒否したため、南朝鮮での単独選挙がアメリカ軍政当局によって決定されました。これに反発した左派の南朝鮮労働党勢力が1948年4月3日に済州島で武装蜂起し、鎮圧しようと派遣された軍や警察、右翼団体によって多くの島民が殺害されました(済州4.3事件)。

以降、済州島は「アカの島」などと呼ばれ、21世紀にはいって歴史の見直し事業がはじまるまで韓国社会で偏見にさらされることになりました。済州島で起こった同じ韓国人同士が殺し-殺されるという実際の経験をつうじて、韓国社会には異質なものを敵視する空気が支配するようになりました。次の3につづく、国民性形成の契機となった事件です。

 

3. 民族分断の悲劇「朝鮮戦争(韓国戦争)」

その後、南北にそれぞれ大韓民国と朝鮮民主主義人民共和国が建国され、分断国家体制が確定します。1950~53年には直接戦火を交える朝鮮戦争(韓国戦争)が勃発し、朝鮮半島のほぼ全域が戦場となり国土は荒廃しました。

この分断と戦争によって韓国社会では反共主義が強化され、左派勢力が一掃された結果、極端な「共産主義アレルギー」という国民性が生まれました。現在も共産主義を擁護したり支持するような言動は国家保安法によって厳しく取り締まられます。また、緊急電話番号のひとつにスパイを通報する「111」があります。

 

4. 韓国の高度経済成長「漢江の奇跡」

1960年代に入ると韓国は朴正煕(パク・チョンヒ)のもとで経済成長期を迎えます。とくに1965年の国交樹立以降、日本から資本や技術の移転がなされ、韓国の経済発展が加速していきました。このような急速な経済発展をソウル市内を流れる漢江(ハンガン)の名前をとって「漢江の奇跡」と呼びます。

この時、集団行動を基本とした工業生産性向上や、集団労働による農村の振興を企図する「セマウル(新しい村)運動」が行なわれました。その結果、韓国では「集団性重視」という国民性が強化されました。最近の若者は少しづつ避けるようになってきているものの、やはり今でも日本とくらべて学校や職場で「みんなで~する」という場を重視する傾向があります。

なお、このような経済発展を実現した朴正煕政権について評価する見解と、あくまで軍事クーデタによる独裁政権であることから否定する見解があり、現在の政界の与野党対立とも重なって2つの見解は対立しています。

 

5. 民主化運動の象徴「光州事件」

朴正煕が1979年に側近によって暗殺された後、軍事クーデタによって政権を握ったのが全斗煥(チョン・ドゥファン)です。この政権に対して、その後、学生を中心に反発した市民たちによって激しい民主化運動が展開されましたが、その象徴的な事件として歴史に名をのこすのが「光州事件」です。この事件自体は全斗煥政権発足以前のもので、1980年5月 18日から10日間、全羅南道光州(クァンジュ)市で発生した学生・市民の蜂起とそれに対する軍の容赦ない鎮圧による一連の事件です。朴正煕死後に韓国社会に高まった民主化要求を反映したものでした。まず、丸腰でデモをしていた市民に軍が発砲し、多くの市民が殺害されました。これに反発した市民が軍の兵器庫から武器を奪って武装し、道庁に立てこもって市街戦を展開しました。この時、市民を鎮圧する作戦を実行したのが当時、軍の将校であった全斗煥でした。民主化要求へのこのような弾圧と抵抗は全斗煥政権に対する抵抗運動の象徴となり、1987年の民主化宣言を実現しました。

この時、韓国人の国民性として民主化運動の原動力となったのはリーダーの「道徳性」でした。韓国には儒学のうち、正邪の別を重視する朱子学の伝統がありました。そこではリーダーは人々の意見を注意深くきき、暴力ではなく人格によってリードしていくべきだ、という倫理観があります。光州事件で全斗煥がとった行動は、このような倫理に反するもので、韓国の国民性からするとリーダーとして到底受容できるものではなかったのです。

 

6. さらに発展する韓国を襲った「IMF通貨危機」

1988年にソウルオリンピックが成功し、政治の民主化の流れは社会の民主化へと進んでいきました。93年には民主化運動の指導者の一人であった金泳三(キム・ヨンサム)が大統領に就任し、これまでの軍人が支配する時代に終わりを告げるべく「文民政権」と名乗りました。韓国は経済発展と民主化を成し遂げた新興国としてさらに成長する勢いだったのです。

そのような順風満帆にみえた韓国を襲ったのが1997年12月3日にはじまる、いわゆる「IMF通貨危機」です。これは韓国の通貨であるウォンの価値が急激に下落するという危機に陥って国家経済破綻の危機に瀕して、国際通貨基金 (IMF) からの資金支援を受けることにした事件です。その影響で当時第2位の規模を誇った大宇財閥グループが倒産・解体したのをはじめ、多くの倒産が相次ぎました。

そのような危機を克服しようと、韓国人は金製品を献納し、国の借金を減少しようと運動しました。これは上で述べた「祖国」を重視する韓国人の国民性によるものだと言われています。

国民生活は、以降、新自由主義的な激しい生存競争にさらされることとなり、若年層を中心に高い失業率や低賃金に悩まされることになりました。韓国人の国民性のひとつといわれる「チャレンジ精神」は、時に賞賛すべき結果を生み、人々を感動させます。しかし一方で、これまでみたような激動の現代史に加えて、非常に厳しい生存競争がその背景にあると考えられることから、手放しでは賛美できない側面もあります。

 

7. 韓国の事故処理のあり方を示す「セウォル号沈没事件」

この事件は2014年4月16日に大型旅客船「セウォル」号が、全羅南道珍島郡観梅島(クヮンメド)沖で転覆し沈没した事故です。数年前ですので、日本でもニュースになりましたよね。結果的には乗員・乗客の死者が295人、行方不明者9人、捜索作業員の死者8人という惨事となり国民的な悲しみの雰囲気にあふれました。

この悲しい事件をうけて、被害者やその家族に連帯しようという動きがいち早く起こりました。これは韓国の国民性としてよくいわれる「情」がはたらいたものであると思われます。その一方で、極めて韓国的だと思われる事故後の世論や被害者・家族の反応がありました。それはどういった構造で事故が発生したのか?という事故原因の追究よりも、責任者が誰でどのように責任をとるべきなのか?という責任追及の問題が全面的に押し出された、ということです。そこでは船会社の会長、船長、さらには監督官庁や救助にあたった海上警察(日本の海上保安庁に相当)、そして大統領にいたるまで、「誰に事故の責任があるのか」という問題に議論が集中しました。これもまた、おそらく「道徳性」を重視する国民性に起因するものだと思われます。

一方で事故の反省をうけて韓国社会の「安全不感症」を見直す動きもありました。韓国には「ケンチャナヨ精神」と呼ばれるものがあります。「ケンチャナヨ」というのは韓国語で「大丈夫」という意味で、韓国人の細かいことを気にしない精神を言い表したものです。これはいい意味では韓国人のおおらかさにもつながるのですが、こと「安全」という問題になると何度も確認作業をすることが求められますし、安全にかかわる決まりを「ケンチャナヨ」といって無視すると、いざという時に大変なことになる、という問題があります。韓国人の国民性として日本でも知られているこの「ケンチャナヨ精神」は事故を通じて大幅な見直しを迫られている、と言っても過言ではありません。

 

まとめ

いかがでしたか?
日本の支配から解放されていこうの韓国の現代史は「激動」という一言では表せない、前途多難なものでした。そのような中を生き抜いた韓国人たちが今日のような国民性をみずから形成してきたのです。これからも韓国はグローバル化などによってさらなる変革を迫られることでしょう。

「国民性」というのは固定的なものではなくて、歴史や社会の状況によって変化してゆくものです。そしてこれまでお話してきたことはそのほんの一端に過ぎず、実際はもっと複雑な関係性のなかで形成されるものです。そしてこれからも、韓国人の国民性は変化してゆくことでしょう。

韓国人と深く向かい合っていく上で、韓国の歴史のなかで形成されてきた韓国の国民性について表面だけでなくその背景まで理解することは、たがいの関係をよりスムーズにし、真の隣人として日本と韓国が共生していくうえで不可欠なことではないでしょうか。

 

韓国の国民性を知るために押さえるべき7つのニュース!

1. 大韓民国の「原点」としての「光復」
2. 韓国現代史最大の虐殺事件「済州4.3事件」
3. 民族分断の悲劇「朝鮮戦争(韓国戦争)」
4. 韓国の高度経済成長「漢江の奇跡」
5. 民主化運動の象徴「光州事件」
6. さらに発展する韓国を襲った「IMF通貨危機」
7. 韓国の事故処理のあり方を示す「セウォル号沈没事件」

 


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