お隣の国、韓国は最も近くて親しみを感じる国の一つでもある一方、日本との関係は歴史的に敏感な部分が多く、必ずしも良い関係を維持してきた訳ではありません。
現在も過去の歴史に対する解釈や竹島問題等を巡り互いに異なる主張を繰り返し、ぎくしゃくした関係が相変わらず続いています。国家間の政治的な問題と個人の生活は全く別問題と受けとめている人が大多数ではありますが、今回は、韓国に暮らす日本人が肌で感じる反日感情7つの特徴についてお伝えします。
韓国在住の日本人が現地で感じる反日感情7つの特徴!
1. 歴史教育の重みが違う
多くの日本人が韓国の学校は「反日教育」を行っていると考えているようですが、現地の公立学校に子供を送っている親としての感想は、意図的に日本に反感を持たせるような教育を行っているようには見えません。受け止め方の違いでしょうが、「反日教育」ではなく「自国の立場からの歴史教育」を小学校時代からしっかり受けているという感じです。
当たり前のことですが、今時の韓国人は自分たちが「反日教育」を受けているとは思っていません。ただ、韓国という国の歴史を学ぶ上で、36年間に及ぶ日本の植民地時代(日帝時代)は非常に大きなウェイトを占めています。これは単に「被害者」としての歴史ではなく、韓国近代化への時代的転換期でもあるためでしょう。
植民地以前の歴史にしても、隣国日本との史実は最も頻繁に登場する内容の一つでもあり、残念ながら不幸な出来事が度々あったことは事実です。難しい問題ではありますが、過去の問題について日本と韓国の認識がいつまで経っても歩み寄れないのは、やはり歴史教育の重みが違うからではないでしょうか。
2. 幼稚園から竹島問題
これも歴史教育の一部として行われている内容ですが、独島(竹島)は韓国の領土だと教えるカリキュラムが幼稚園や小学校低学年から盛り込まれています。
あくまでも幼稚園児が対象なので難しい理論ではなく、島の位置や歴史的な背景を分かりやすく教えるという内容です。「独島は私たちの領土」という歌も一時流行りましたが、このような風景も日本人の視点から見れば、立派な「反日教育」に映るかも知れません。
現地の公立幼稚園に通う筆者の娘も、ある日「独島の歌」を幼稚園で習ってきたよ~と無邪気に歌っていましたが、純粋に「どうして島の取り合いをするの?」という疑問が残る程度の内容でした。
しかし、幼い頃から重い歴史問題を教えるという韓国の教育は、やはり日本との精神的距離を広げてしまう一因かも知れません。
3. 身近にある過去の記憶
現在も健在な韓国のお年寄りの中には、日本語が上手な人や日本の文化に詳しい人、日本の植民地時代の記憶が鮮明な人がまだ多く存在します。
実際に日本による植民地時代を経験した人々の口から聞く過去の話は、良い思い出話もあれば、酷い記憶も含まれています。忘れたくても忘れられない…という辛い話に接する機会があるほど、過去の歴史に対する興味も湧いてくるものです。遠い過去の話ではなく、生きた証言に身近に接する機会が多い韓国では、歴史に対する関心の度合いがどうしても日本とは大きく異なります。
このような雰囲気の違いが、一方では反日教育と指摘され、別の一方では歴史教育と受け止める理由ではないでしょうか。
4. ドラマの中の日本人
韓国のドラマや時代劇を見ていると、絵に描いたような悪者役として日本人が描かれることが度々あります。筆者が最近見たKBSの歴史ドラマでは、「豊臣秀吉」が狂気じみた悪者として登場していました。日本の「ヤクザ」もドラマによく出てきます。
筆者がこちらでテレビを見始めた時最初に感じた違和感は、ドラマの中で描かれる日本人のイメージがやや偏っていることです。歴史ドラマで登場する悪者は「豊臣秀吉」と「伊藤博文」が代表的で、伊藤博文を暗殺した安重根は日本ではテロリスト扱いですが、韓国では義士、英雄扱いです。当然のことですが、起こった事実は一つなのに、どちら側から見るかによってここまで解釈が変わるということを冷静に意識する必要があると思います。
一方で、バラエティ番組等で大活躍している日本人タレント等もいます。何でもかんでも日本を否定しているわけではなく、才能やセンスを認める心も韓国人はしっかり持っているのです。
なお、韓国で活躍する日本人の特徴を以下に詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
また、韓国のお笑い芸人やテレビ番組について、以下で特集していますので、こちらもぜひ読んでみてください。
5. 国家と個人は別物
韓国で暮らしていると様々な場面で日本との悲しい歴史を意識する瞬間がありますが、個人の日常生活の中で、「反日感情」を当り散らされるようなことはあまりありません。
例えばの筆者の周りには、両親のどちらかが日本人の子供がたくさん暮らしていますが、学校の歴史の授業で少し居心地の悪い思いはしたことがあるけれど、友達に日本人の代表のように扱われたり、いじめられたり…という話は聞いたことがありません。
学校でも、国家と個人は全く別物であること、国同士の関係を個人に当てはめてはいけないという前提で教えているようです。むしろ、外国人の少ない地元の食堂等で日本語を話していると、ジロジロ見られることはありますが、逆に興味を持ってサービスしてくれたり、好意的に接してくれたりする場合のほうが多いと感じています。
6. 日韓問題は、いい加減ウンザリ!
特に若い世代の韓国人にとって、日本とのぎくしゃくした関係はもうウンザリ…と感じている人も多いようです。少し関係が良くなったと思えば、政治家の心無い発言によってまた元通り…というパターンに飽き飽きしている空気も感じられます。「日本=加害者、韓国=被害者」という構図では、一歩も前へ進めないと考える人も多く、未来に向けた建設的な関係を築くことに焦点を当てるべきだという主張もあります。
勿論、きちんとした謝罪がない限り、日本との関係に未来はない!と言い切る極端な人も一部いるでしょうが、日韓関係は切っても切れない関係だということは揺るぎない事実です。
ちなみに、日本でヒットしている嫌韓本のような反日雑誌や本などは韓国には存在しません。恐らくあっても売れないからでしょう。
7. それでも日本カルチャーは大好き
歴史認識や竹島問題を巡っては日本を強く非難する韓国人も、日本人や日本のカルチャーには興味と尊敬の念を持っている人が多くいます。
日本に追いつけ追い越せと超スピード経済発展を遂げたけれど、国民の意識や行動レベルはまだまだ本当の先進国市民とは言えない…と自嘲することも多々あります。日本の徹底した安全意識や公共のマナーを学ぼうという意識が強く、何か事故があるたびに日本のケースを参考にすることが多くあります。
また、日本の文化や製品、食べ物に対する関心も高く、あらゆる分野で日本マニアが存在するのも事実です。彼らにとって「反日感情」とは、過去の歴史認識や竹島問題等、敏感な政治問題に限った事柄なのです。
まとめ
いかがでしたか?
時折、日本の友人から「韓国人は全員幼い頃から反日教育を受けているのでは?」と質問されることがありますが、実際に暮らしてみると、イメージされているような反日感情を持っている韓国人に出会うことはほとんどありません。
特に世代が若くなるにつれ、国家の問題と個人の問題は全く別物と割り切る若者が多く、日本の政治家は嫌いだけど、日本人や日本文化は好き!という考え方が一般的になってきたように思えます。韓国も個人化がますます進み、集団的に一つの考え方を強要されるような風潮はもはや受け入れられないのでしょう。
日韓両国に大切な家族や友人がいる筆者としては「反日」「嫌韓」等というイヤな言葉が使われなくなる日が早く来てほしいと願うばかりです。あなたも、ニュースや誰かから聞いた情報だけでなく、ぜひ自身の目や体験をもとに、韓国人との関係を色眼鏡を外して築いてください。
なお、以下の記事では「韓国を苦手と感じる日本人」について特集していますので、こちらも合わせてチェックしてみてください。
韓国在住の日本人が現地で感じる反日感情7つの特徴!
1. 歴史教育の重みが違う
2. 幼稚園から竹島問題
3. 身近にある過去の記憶
4. ドラマの中の日本人
5. 国家と個人は別物
6. 日韓問題は、いい加減ウンザリ!
7. それでも日本カルチャーは大好き