日本では早ければ9月頃からハロウィンモードに突入し、各地で盛大なハロウィンイベントが催されています。子供から大人まで各世代が楽しめるイベントとして日本ではすっかり定着したハロウィンですが、ヨーロッパの小国リトアニアでは日本ほどの盛り上がりは見られません。
今回は、リトアニアにおけるハロウィンについて、なぜ日本ほどの盛り上がりがないのか、ハロウィンよりも大切なお祭りの存在とは、「trick or treat」でお菓子をもらう別のイベント(リトアニアの伝統行事)がある?!などリトアニアのハロウィン事情について詳しく解説します。
リトアニアもハロウィンでコスプレする?現地のおもしろ6つの特徴!
1. ハロウィンとリトアニア
ハロウィンは、元々アメリカで形作られたイベントであり、リトアニア独自のものではありません。そのため、日本と同じように、アメリカからハロウィン文化を輸入する形で、リトアニアでも「trick or treat」のハロウィンがお祝いされることがあります。
リトアニアのハロウィンの日は、日本と同じ10月31日ですが、この日が特別な祝日に指定されているというわけではありません。そもそもこの時期はちょうど秋休みと言われるシーズンで、学校がお休みなのです。
幼稚園や小学校では仮装して「trick or treat」のハロウィンイベントを学校で行うこともありますが、秋休みに入る前の10月上旬、または10月中旬頃に行うところがほとんどです。
2. ハロウィンは子供向け?
リトアニア人にとってハロウィンは子供のための楽しみといった程度のものでしかありません。むしろ翌日11月1日「諸聖人の日」を伝統的な行事として尊重しており、10月31日は11月1日に向けた前準備などで忙しいくしていることがほとんどです。
「諸聖人の日」とは、祖先のお墓に詣で、祖先を敬う日であり、カトリック教会の伝統的なお祭りとして知られています。祖先のお墓は郊外にあることが多いため、前日10月31日に実家に戻る人が多いです。
しかし、最近は大学生の間でアメリカ流ハロウィンをお祝いする風潮があり、10月31日の夜にパブやバーでハロウィンイベントが開催されることがありますが、大々的に行うと白い目で見られるため、イベント自体は控えめです。中には仮装する人もいますが、ハロウィンカラーの服を着たり、悪魔の角がついたカチューシャを付けたりする程度の仮装が多いです。
一番本格的な仮装が見られるのは、幼稚園のハロウィンイベントでしょう。そこでは仮装コンテストなども行われています。
3. Uzgavenes(ウジュガヴェーネス)
リトアニアにおけるハロウィンイベントで最も盛り上がりを見せるのは幼稚園や小学校の学校イベントだけです。ハロウィンだからと街中がハロウィン色で彩られることも、飾り付けられることもありません。
日本ではハロウィンシーズンというと、早ければ9月頃からカボチャやこうもり、お化けなどのハロウィングッズで街中が彩られますが、リトアニアではそうした光景を目にすることはありません。多くの人は、ハロウィンではなく、翌日の「諸聖人の日」のための準備に追われ、ハロウィンはそっちのけといった印象が強いです。
因みに、リトアニアでは独自の「trick or treat」イベントがあります。「Uzgavenes(ウジュガヴェーネス)」と呼ばれる大きなお祭りで、長い冬を追い出し春を呼び込むことを目的としており、皆で怖い仮装をして冬を追い出します。子供は「trick or treat」を唱えながら各家を周り、お菓子をもらいます。
このスタイルはハロウィンのものと同じものですが、アメリカ流ハロウィンではあえて行わず、リトアニアの伝統行事と結び付けて「trick or treat」を楽しむというのがいかにもリトアニアらしいところです。
4. 年配者には低い認知度
アメリカから輸入されてきた文化、イベントという認識が強いため、アメリカ映画を観て育った世代(20代以下)はハロウィンに対しても馴染があるものの、30代以上のリトアニア人には受け入れられていません。
特に、60代以上の人はハロウィンが何かあまり認識すらしておらず、子供のためのイベントの一つとしか考えていません。
5. バーやクラブが大賑わい!
リトアニアではハロウィンをテーマにした大きなイベントは開催されません。日本では日中でもハロウィンウォークという名の仮装パレードなどが各地で行われますが、リトアニアでは日中にハロウィンイベントが開催されるということはまずありません。
しかし、近年はアメリカ文化に興味を持つ若者が増えてきた影響もあり、バーやパブ、ナイトクラブなどで真夜中にハロウィンイベントが開催されることがあります。その中でもここ数年人気が上昇しているのが「Grand Halloween Carnival」というもので、多くのDJが参加することから若者の間でも支持を集めています。
6. ハロウィンらしきイベントはない…
ハロウィンイベントに参加することを目的に、このシーズンにリトアニアを訪れてもハロウィンイベントらしきイベントに遭遇することはまずないと考えて間違いないでしょう。
リトアニアの10月下旬の気候は日本でいうところの12月上旬、中旬並みなので、かなり寒いです。木の葉も落ち、花も咲いていない殺風景な屋外で何かをするというよりは、劇場や美術館などを巡る観光スケジュールを組むのがベストでしょう。
まとめ
いかがでしたか?ハロウィンはどこの国でも盛大にお祝いするのかというとそうでもないのです。特に、自国の伝統的なカトリックの行事を大切にするリトアニアでは、ハロウィンはあくまでもお子様のための、お子様が楽しむためのイベントでしかないのです。
10月中旬、下旬にリトアニアを訪れようと計画されている方は、現地でリトアニアのハロウィンイベントに遭遇できなかったとしてもガッカリしないで下さい。代わりに、素敵なコンサートや絵画に触れ、リトアニア版芸術の秋を現地で過ごされてみてはいかがでしょうか?
リトアニアもハロウィンでコスプレする?現地のおもしろ6つの特徴!
1. ハロウィンとリトアニア
2. ハロウィンは子供向け?
3. Uzgavenes(ウジュガヴェーネス)
4. 年配者には低い認知度
5. バーやクラブが大賑わい!
6. ハロウィンらしきイベントはない…