どの言語でも感謝の表現は日常会話の中で頻繁に使われます。ポーランド語にありがとうという表現そのものが20通りあるわけではありませんが、今回の「ありがとうをポーランド語で言おう!超便利20フレーズ」では、使われる場面を考慮しながら、ポーランド語の「ありがとう」を実用的に見つめていきます。旅先で感謝の気持ちが生まれたら是非ポーランド語で伝えてみましょう!
ありがとうをポーランド語で言おう!超便利20フレーズ
■dziękuję za(ジェンクーイェン・ザ)が基本!
ポーランド語のありがとうという表現は、「動詞dziękuję za(ジェンクーイェン・ザ) + 名詞(感謝の対象)」が基本です。dziękuję(ジェンクーイェン)の前にいろいろな副詞をつけたり、後ろに副詞句をつけて表現のニュアンスを変えることができます。
副詞では、bardzo(バルゾ、非常に)、uprzejmie(ウプシェイミェ、謹んで)、serdecznie(セルデチネ、心から)などですし、後ろにつける副詞句ではz całego serca(ス・ツァウェゴ・セルツァ、衷心から)などです。dziękuję(ジェンクーイェン)は、万能表現と言えますね。
例えば、あなたが誕生日に友人宅に招かれたとします。こんな感じで会話が進行するでしょう(以下の例では、主語はすべて「私」との前提です)。
1. Dziękuję za zaproszenie.(ジェンクーイェン・ザ・ザプロシェニエ)
招待頂きありがとう。
2. Dobrze, że przyjechałeś. Dziękuję.(ドブジェ・ジェ・プシイェハーウェシ。ジェンクーイェン)
来てくれてありがとう。
Wszystkiego najlepszego z okazji urodzin. (フシストゥキェゴ・ナイレプシェゴ・ズ・オカズィー・ウロージン)
お誕生日おめでとう。
3. Dziękuję bardzo.(ジェンクーイェン・バルゾ)
どうもありがとう。
Proszę przyjąć prezent ode mnie.(プロシェーン・プシーヨンチ・プレゼント・オデ・ムニェ)
これ、プレゼントです。
4. Serdecznie dziękuję.(セルデチネ・ジェンクーイェン)
ありがたく頂きます。
Smacznego!(スマッチネーゴ)
美味しく召し上がれ。
5. Dziękuję, nawzajem.(ジェンクーイェン、ナブザイェム)
ありがとう。そちらも。
6. Dziękuję za gościnność.(ジェンクーイェン・ザ・ゴシチーンノシチ)
おもてなしありがとう。
■Dziękuję!(ジェンクーイェン)の使い方
あまり望ましいシチュエーションではないですが、例えば、食事の途中で思わずくしゃみをしてしまったとします。招いた方は Na zdrowie(ナ・ズドロービェ)と言います。これに対しても、Dziękuję!(ジェンクーイェン!)で応えます。
7. Dziękuję!(ジェンクーイェン!)
※Na zdrowie(ナ・ズドロービェ)に対して。
■短い形式のdzięki!(ジェンキ!)
これまでのパターンは、英語の「thank you for+名詞・動名詞」に相当する表現です。これが分かれば、英語のThanks!に相当するDzięki!(ジェンキ!)という表現もある事が容易に想像できますよね。
家族や親しい友達同士では、dziękuję(ジェンクーイェン)の代わりに、短い形式のdzięki!(ジェンキ!)がよく使われます。相手が親しい間柄であれば、これまでの例で出てきたdziękuję(ジェンクーイェン)は大体dzięki(ジェンキ)で置き換えが可能ですが、最初のうちはできるだけdziękuję(ジェンクーイェン)を使うようにしたほうが無難でしょう。
ちなみに、現在は若者が気取って使う以外はほとんど使われませんが、単数形のdzięk(ジェンク)はドイツ語のdankと同語源の単語です。10世紀初めに大モラビア帝国経由で入ってきたと考えられています。使い方は、こんな感じです。
8. Z góry dzięki.(ズ・グールイ・ジェンキ)
前もって感謝するよ。
9. Stokrotne dzięki Ci za wszystko.(ストクロトニェ・ジェンキ・チ・ザ・フシストゥコ)
本当にいろいろありがとう。
10. Dzięki, Panie Andrzeju. Naprawdę Pan pomógł mi w tej sprawie.(ジェンキ、パニェ・アンジェーユ。ナプラウデェ・パン・ポーモグゥ・フ・テイ・スプラービェ)
ありがとう、アンジェイ。この件では本当に助けてもらいました。
11. Dzięki za te mile słowa.(ジェンキ・ザ・テ・ミレ・スウォボ)
お言葉、ありがたく頂いておきます。
12. Bóg zapłać!(ブゥク・ザプワチ)
ありがとうございます。
仲良しのポーランド人と一緒にカトリック教会に行く事もあるかもしれませんね。そこでは、こんな表現を耳にするでしょう。事実上すでに廃れてしまった表現ですが、カトリック教会などでは今でも使われています。そのまま覚えてしまいましょう。
■Wdzięczność(ヴジェンチノシチ)の使い方
ポーランド語では感謝を意味する単語としてこのdzięki(ジェンキ)の系統、つまり動詞dziękować(ジェンコーバチ)/podziękować(ポジェンコーバチ)、名詞podziękowanie(ポジェンコバーニエ)の他に、wdzięczność(ヴジェンチノシチ)という名詞及びこの名詞と同じ語根のwdzięczny(ヴジェンチヌィ)という形容詞があります。
基本的な使い方は「動詞być(ブィチ) + wdzięcznym(ヴジェンチヌィム)」です。なお、以下の例文では主語が一人称複数になっているので、 wdzięcznym(ヴジェンチヌィム)の形がwdzięczni(ヴジェンチニ)に変化していますのでご注意ください。
13. Będziemy bardzo wdzięczni, gdyby Państwo przyjęli naszych specjalistów w Państwa firmie.(ベンジェームィ・バルゾ・ヴジェンチニ、グディブィ・パンニストゥヴォ・プシイェーリ・ナーシフ・スペツャリストゥフ・フ・パンニィストヴァ・フィールミェ)
弊社スペシャリストを貴社にて受け入れ頂けると大変幸甚に思います。
14. Jesteśmy wdzięczni Państwu za miły sposób, w jaki przyjęliście nas w Państwa kraju.(イェステシムィ・ヴジェンチニ・パンニストゥヴゥ・ザ・ミーウィ・ソポースゥプ、フ・ヤキ・プシイェリシチェ・ナス・フ・パンニストゥァ・クラーユ)
私達が貴国を訪問した際に暖かくおもてなし頂き本当に感謝しております。
■Podziękowanieの使い方
ちょっと難しい表現になりますが、フォーマルなスピーチなどではバリエーションとして「wyrazić wdzięczność za to, że (ヴィラジチ・ヴジェンチノシチ・ザ・ト・ジェ)+ 従属節」がよく使われます。多くの場合、wdzięczność(ヴジェンチノシチ)の代わりにこれまで使ってきたpodziękowanie(ポジェンコバーニエ)に置き換えることができます。
以下は実際のスピーチから取ったものです。なお、以下の例文では却って煩わしくなるのでカタカナでの発音表記は省きますのでご了承ください。
15. Wyrażam głęboką wdzięczność, że również w tej kwestii całkowicie się zgadzamy.
この問題においても我々は完全に賛同しており、このことに深い感謝の意を表すものであります。
16. W tym względzie chciałabym wyrazić wdzięczność dla mojego kolegi Carla Casiniego.
この観点で、私は同僚のカルロ・カッシーニ氏に感謝したいと思います。
17. Chciałbym wykorzystać tę okazję, by wyrazić moje serdecznie podziękowanie.
この場をお借りしまして、私の心からの感謝の意を表したいと思います。
18. Chciałabym wyrazić podziękowanie monachijskiej Konferencji Bezpieczeństwa, która anulowała zaproszenie dla pana Łukaszenki.
ルカシェンコ氏への招待状をキャンセルされたミュンヘン安保会議に感謝の意を表したいと思います。
19. W imieniu narodu ukraińskiego pragnę podziękować za zaszczyt zwrócenia się do narodu polskiego.
ウクライナ国民を代表し、ポーランド国民にご挨拶申し上げる機会を与えれましたことに感謝の意を表したいと思います。
■会計のときに便利なProszęの使い方
日本人はお釣りをもらった時に、つい習慣でDziękujęと言ってしまうことがよくあります。渡した方は「お釣りはいりません、結構です」の意味に取ってしまうので注意しましょう。
例えば理髪店で散髪したあとに支払いをしてお釣りをもらうとします。理髪店の従業員は、Dziękujemyと言いながらお釣りを渡すでしょう。こういう場合には、何も言わないか、或いはどういたしましてというニュアンスのProszęでかわします。これが20番目のフレーズです。
20. Proszę (プロシェーン)
どういたしまして。
まとめ
話し言葉は生きていますので、ある程度の文法の規則に則っていれば、必ずしもマニュアルのように決まった表現を使わなければならないという事はありません。こんなふうに使うのか!というイメージを持つように努めることが外国語を覚えるコツの一つです。
この「フレーズ20」を通して、ポーランド語を勉強中のあなたのイメージが少しでも膨らんで頂けたらこんな嬉しいことはありません。なお文中にカタカナでつけた発音表記はあくまで参考程度とお考えください。
ありがとうをポーランド語で言おう!超便利20フレーズ
1. Dziękuję za zaproszenie.(ジェンクーイェン・ザ・ザプロシェニエ)
2. Dobrze, że przyjechałeś. Dziękuję.(ドブジェ・ジェ・プシイェハーウェシ。ジェンクーイェン)
3. Dziękuję bardzo.(ジェンクーイェン・バルゾ)
4. Serdecznie dziękuję.(セルデチネ・ジェンクーイェン)
5. Dziękuję, nawzajem.(ジェンクーイェン、ナブザイェム)
6. Dziękuję za gościnność.(ジェンクーイェン・ザ・ゴシチーンノシチ)
7. Dziękuję!(ジェンクーイェン!)
8. Z góry dzięki.(ズ・グールイ・ジェンキ)
9. Stokrotne dzięki Ci za wszystko.(ストクロトニェ・ジェンキ・チ・ザ・フシストゥコ)
10. Dzięki, Panie Andrzeju. Naprawdę Pan pomógł mi w tej sprawie.(ジェンキ、パニェ・アンジェーユ。ナプラウデェ・パン・ポーモグゥ・フ・テイ・スプラービェ)
11. Dzięki za te mile słowa.(ジェンキ・ザ・テ・ミレ・スウォボ)
12. Bóg zapłać!(ブゥク・ザプワチ)
13. Będziemy bardzo wdzięczni, gdyby Państwo przyjęli naszych specjalistów w Państwa firmie.(ベンジェームィ・バルゾ・ヴジェンチニ、グディブィ・パンニストゥヴォ・プシイェーリ・ナーシフ・スペツャリストゥフ・フ・パンニィストヴァ・フィールミェ)
14. Jesteśmy wdzięczni Państwu za miły sposób, w jaki przyjęliście nas w Państwa kraju.(イェステシムィ・ヴジェンチニ・パンニストゥヴゥ・ザ・ミーウィ・ソポースゥプ、フ・ヤキ・プシイェリシチェ・ナス・フ・パンニストゥァ・クラーユ)
15. Wyrażam głęboką wdzięczność, że również w tej kwestii całkowicie się zgadzamy.
16. W tym względzie chciałabym wyrazić wdzięczność dla mojego kolegi Carla Casiniego.
17. Chciałbym wykorzystać tę okazję, by wyrazić moje serdecznie podziękowanie.
18. Chciałabym wyrazić podziękowanie monachijskiej Konferencji Bezpieczeństwa, która anulowała zaproszenie dla pana Łukaszenki.
19. W imieniu narodu ukraińskiego pragnę podziękować za zaszczyt zwrócenia się do narodu polskiego.
20. Proszę (プロシェーン)