欧米諸国ではクリスマスに次ぐ大イベントのイースター(復活祭)。キリストが十字架に架けられて亡くなってから3日後に復活した事を記念するキリスト教のお祭りですが、さて仏教国タイにはイースターは浸透しているのでしょうか?
今回はバンコク在住の筆者が、現地よりタイのイースター事情についてお伝えします。
タイのイースター特集!在住者に聞く7つのおもしろ特徴!
1. イースターの時期はいつ?日本と違いはある?
イースターは「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」と言う決まりがあるので、毎年日付けが変わりますが、もちろんタイでも世界中と同じ日がイースターです。春分の日は3月21日頃なので、それ以降の満月の次の日曜日となると、イースターは毎年3月末から4月の間になります。
2. そもそもタイ人はイースターを知っている?
イースターはキリスト教のお祭りなので、国民の95%が仏教徒と言われるタイでは「イースター」と言う言葉さえ聞いたことがないと言う人がほとんどです。聞いたことはあるけれど、何のことか分からないと言う人も多少はいるでしょう。
クリスマスは街でも派手なデコレーションが行われ、すでにメジャーなイベントの一つとなっていますがイースターの認知度は日本以上に低いと言えます。なお、タイのクリスマスについては以下の記事に特集されていますので、合わせてご覧ください。
3. タイでもイースターのイベントはある?
西洋人観光客の多いホテルなどでは、レストランでイースター特別メニューなどを用意したりする店もありますが、決して一般的とは言えません。観光客の多く集まる界隈などではイースターの名前を使ったイベントが多少行われたりもしますが、これもあまりメジャーとは言えません。クリスマスやバレンタインデーなどはすっかりタイでもイベントとして定着していますが、イースターはまだまだです。
また、イースターのデコレーションは卵をモチーフにしたものなど可愛らしいものが多いですが、タイでは百貨店などの飾り付けもイースター関連はあまり目にすることは少ないです。
なお、タイのバレンタインデーについては以下をぜひ一読ください。
4. イースター時期のタイのお祭り「ソンクラーン」
ちょうどイースター時期にタイで行われる大きなお祭りと言えば「Songkran / ソンクラーン(水掛け祭)」です。ソンクラーンとはタイの旧正月のことで、タイのお祭りの中でも最大と言えるでしょう。日程は毎年4月13、14、15日の三日間で、前後の休みなどを上手に使い長期休暇をとる社会人も多く、日本のお正月同様、都心で働く人はこの期間に実家に里帰りする人も多いです。
元々は、年長者の手や仏像などに水を掛けて敬意を表し、水で邪気を払うという意味がありますが、最近は若者を中心に水鉄砲などで派手に水を掛け合うお祭りへと進化しています。
5. イースター時期のタイの祝日「チャクリー王記念日」
4月6日はチャクリー王記念日の祝日です。大きなお祭りなどがあるわけでもなく、地味な祝日ではあるのですが、タイの歴史を少し知る上では大切な祝日です。ご存知の通りタイには王室があります。現在の国王はラーマ10世ですが、ラーマ1世から現在の10世までの約240年ほど続く現在の王朝をチャクリー王朝と呼び、この祝日はラーマ1世が1792年にバンコクに首都を定め始まった現王朝の記念日となります。
ちなみにバンコクに首都が移される前はチャオプラヤー川の西岸にトンブリー王朝という15年、一代のみの王朝がありました。最期は王様が乱心をきたし、部下である後のラーマ1世に殺され、トンブリー王朝は幕を閉じ、中心を川の東岸へ移し新たに現在のチャクリー王朝が築かれたのです。
6. イースター時期のタイのお祭り「万仏節」
旧暦3月の満月に行われる仏教のお祭りです。毎年日付は変わりますが、イースターより少し早くやってくる万仏節、お寺を覗けば仏教徒らしいタイ人の素顔が見える日でもあります。元々タイ人は日本人とは比較にならないほど信仰心が厚いです。寺院の前や仏像の前では、若者ですら立ち止まり手を合わせていく姿はタイの日常の光景です。
この万仏節はブッダ入滅3ヶ月前の説法に何の知らせもなく1250人の弟子達が偶然にもブッダのもとに集まったことを記念した祭事です。この日タイ人はお寺に足を運び、ロウソクや線香を手に境内を3周回って参拝します。お寺の周りに屋台なども出て、参拝客で賑わうのでこの時期にタイに滞在する機会のある人はぜひお寺を訪れてみてください。
7. タイのお祭りは禁酒日?
タイでの酒類の販売は時間や日によって規制があります。通常は11時から14時と、17時から24時までが販売時間で、それ以外の時間はアルコールの購入は出来ません。大型スーパーでは酒類の棚にカバーが掛かりますし、コンビニではレジで断られます。また年に何回かある仏教由来の祝日には一切の酒類の販売が禁止になります。
例えば、ここで紹介したタイの旧正月ソンクラーンやチャクリー王記念日は仏教系の祝日ではないのでアルコールは通常販売ですが、万仏節はアルコール販売禁止の祝日です。これはスーパーやコンビニだけではなく、レストランやバーなどでも一斉にアルコールの販売が停止になるので、お酒好きの旅行者は注意してくださいね。
まとめ
いかがでしたか?
タイでイースターが祝われることはありませんが、同じ時期に興味深いお祭りがたくさんあります。またちょうどこの時期は一年でも一番暑い時期になるので、水掛祭りに参加して、暑い中たくさんの水を浴びるのも楽しい旅の思い出になると思いますよ。
タイのイースター特集!在住者に聞く7つのおもしろ特徴!
1. イースターの時期はいつ?日本と違いはある?
2. そもそもタイ人はイースターを知っている?
3. タイでもイースターのイベントはある?
4. イースター時期のタイのお祭り「ソンクラーン」
5. イースター時期のタイの祝日「チャクリー王記念日」
6. イースター時期のタイのお祭り「万仏節」
7. タイのお祭りは禁酒日?