あなたはタイの国旗を目にしたことはありますか。タイの国旗は、赤、白、紺のトリコロールカラーでお馴染みのフランスの国旗と同じ配色で、洗練されたおしゃれな印象です。今回は、タイの国旗についてのエピソードを調べているあなたに、国旗が出来たいきさつや国旗が持つ意味に興味があるあなたに、タイの国旗が持つ6つの秘密を紹介します。
タイの国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?
1. 国旗の歴史
タイの最初の国旗は赤く無地で、1656年~1688年、ナーラーイ大王時代から使われるようになったといわれています。この旗は、1855年まで商船旗として使われました。その後、1809年~1824年、ラーマ2世であるナパーライ王は、赤地に白いチャクラ(サンスクリットで円、円盤、車輪、ろくろを意味する語で、ここでは仏教の輪を意味する)とその内側に白象を載せました。1855年には、ラーマ4世であるモンクット王が、前述の赤く無地の旗では国際的に識別しがたいとの理由で、赤地の中央に王家のシンボルである白象を配した旗を正式な国旗としました。この旗は、タイ語で ธงช้างเผือก /トンチャーンプアック「白象の旗」と呼ばれています。そして、1916年に現在の国旗のような5本の帯のあるデザインになりましたが、中央の帯の色は外側と同じ赤で、赤と白のみが使われたものでした。1917年、ラーマ6世であるワチラーウット王が中央の帯の色を、赤から紫色がかった紺色に変え、赤、白、紺の配色の現在も使われている国旗が誕生しました。この赤から紫色がかった紺色に変えた理由は、ラーマ6世が自身の誕生日である土曜日の色・紫色を好んでいたこと、第一次世界大戦での勝利と赤、白、紺を用いた国旗を使用しているフランス、イギリス、アメリカをはじめとした連合国への結束の表明の為だそうです。この旗は、タイ語で ธงไตรรงค์ /トントライロング「3色旗」と呼ばれています。
2. 国旗の色のそれぞれの意味:赤
ラーマ6世の1921年の著書によると、赤はタイ語で เลือดอันยอมพลีให้แก่ชาติ / ルアッドアンヨームプリーハイゲーチャート「国に捧げる血、国に殉ずる」とあります。現在はそれから少々かけ離れた、ชาติ/チャート「国家」の定義になっています。
3. 国旗の色のそれぞれの意味:白
ラーマ6世の1921年の著書によると、白はタイ語で ความบริสุทธิ์แห่งพระพุทธศาสนาและธรรมะ /クワムボリスットヘーンプラプットササナーレタンマ 「仏教及び仏法への純潔」とあります。現在は簡潔にศาสนา/ササナー「宗教」の定義になっています。ここでいう「宗教」とは、タイ国民の90%以上が信仰する上座部仏教を指します。上座部仏教とは、小乗仏教とも呼ばれる、釈迦によって定められた戒律と教え、悟りへ至る智慧と慈悲の実践を純粋に守り伝えていく姿勢を根幹に据えた厳しい戒律で知られるものです。タイでは成人男性は生涯に一度は出家をするのが通例になっており、また仏教の大事な記念日は国の祝日に定められている等、仏教が生活に深く根付いています。
4. 国旗の色のそれぞれの意味:紺
ラーマ6世の1921年の著書によると、紺はสีส่วนพระองค์ขององค์พระมหากษัตริย์ / シースワンプラオンコーンオンプラマハーガサート「大王の色」とあります。現在はそれから少々かけ離れた、 พระมหากษัตริย์ 「王室」の定義になっています。今年2016年には80歳になられるラーマ9世であるプーミポン国王は、タイ国民からの厚い厚い敬愛を受けています。2.~4.までの色の意味は非公式ではありますが、王室を中心とした国民の忠誠心、団結心と上座部仏教への高い信仰心を象徴としていることが見て取れます。
5. 国旗掲揚
タイでは、毎日朝8時と夕方18時に公共施設、公園、広場、テレビ、ラジオ等で国歌が流れます。官公庁や一般企業等、国旗掲揚台がある場所では、朝の国歌斉唱の放送と共に国旗掲揚され、夕方の国歌斉唱の放送時に再び下ろします。特に学校では、毎朝、教師、生徒揃い、国歌斉唱すると共に国旗掲揚が行われます。この国歌が流れている間は、例え歩いていても、座っていても、基本起立し、直立不動の姿勢を取らなくてはいけません。従わない場合には不敬罪となり、警察官は逮捕することもできます。タイ国民だけということではなく、「郷に入っては郷に従え」で外国人といえども従う必要があります。
6. 似ている国旗
世界中には、国や地域を象徴する旗のデザインがほぼ同じ、またはよく似ているものが多くあります。タイの国旗もある国の国旗ととてもよく似ていますが、あなたはどこの国だと思われますか。正解は、コスタリカ国旗です。コスタリカのものは、両端の帯の色が紺、中央の帯の色が赤になっています。コスタリカでは、真ん中に国章が入ったものは民間での使用が禁止されており、代わりにこの国章が入っていないデザインが用いられているそうです。遠い国でとてもよく似ている国旗が使われているのは、タイに住んでいる筆者としては親近感がとても湧きます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
タイの国旗は、タイ王国の根本的な部分がぎゅっと濃縮され、とても良い縮図となっているように思います。タイの国旗を理解することが、あなたにとってタイへの親しみをより一層深めるきっかけになると嬉しいです。
タイの国旗を徹底分析!国旗が持つ6つの秘密とは?
1. 国旗の歴史
2. 国旗の色のそれぞれの意味:赤
3. 国旗の色のそれぞれの意味:白
4. 国旗の色のそれぞれの意味:紺
5. 国旗掲揚
6. 似ている国旗