タイで刺青・タトゥーはどう思われているか調査!

(Stevovo González)

日本では以前に比べ、刺青やタトゥーがファッションの一部として認知されてきた印象があります。しかし、それでもまだ歌手やスポーツ選手などが多く、社会人として毎日を送る人たちには程遠い存在であるのが現実かも知れません。同じアジアの国、タイではどうなのでしょうか?

そこで今回は、タイで刺青・タトゥーはどう思われているのかを見てみましょう!

 

タイで刺青・タトゥーはどう思われているか調査!

 

1. 刺青・タトゥーはどんな人がするの?

タイにはสักยันต์/サックヤンと呼ばれる伝統的な刺青が存在します。สักยันต์/サックヤンとは、สัก/サック「刺青をする」、ยันต์/ヤン「護符」で、宗教的な意味合いを持つ魔除けの刺青です。この刺青についての修行を積んだ一部の僧侶やอาจย์าร/アチャーン「先生」とよばれる元僧侶の彫師のみが行い、彫る前と後にはกะตะ/カタと呼ばれる祈祷で刺青に命が吹き込みます。図柄はタイに同化したヒンドゥー神が多く、護符文字はパーリ語で書かれます。色は黒一色です。幸運を呼び込む、魅力の増大、運気の上昇など一つ一つに意味があり、力があると信じられています。

このような意味合いから、下級階層の男性を中心に貧困からの脱出、良運、安全祈祷などを願い彫られていました。元々彫る図柄から彫る場所、順番まで厳密な決まりが存在していますが、現在は願掛けとして自分の気に入った図柄を彫る傾向にあるようです。ハリウッドの有名女優であるアンジェリーナジョリーがこの魔除けの刺青の護符文字と虎を背中に彫ったこともあり、現在はタイの女性でも若者を中心に彫っている人が増えてきています。時代の流れで伝統が変化した事実はありますが、今も昔も幸せになりたいと思う気持ちに変わりはないのもまた事実です。

 

2. 若者・お年寄りはそれぞれどう思ってる?

昔からの伝統的な刺青が身近に存在していることにより、魔除けの刺青はお年寄りでも、若者でも入れているのをよく見かけます。この魔除けの刺青は不浄とされる身体部分には入れられませんが、中にはワンポイントだけではなく、顔以外の上半身に多くの図柄を入れている人も見かけます。もちろん、この刺青を入れているからと言ってお咎めは特にありません。ファッション的な意味合いのタトゥーを入れているのはやはり若者の方が多いようですが、伝統的なものに比べるとお年寄りには印象があまり良くないようです。

 

3. 男性の刺青と女性の刺青の印象の違いは?

男性の刺青に比べると、女性の刺青はまだまだ圧倒的に少数派と言えます。男性は伝統的な刺青を含め、洋服から露出する部分に入れている人も極々少数という訳ではなく、日本よりははるかに多く見かけます。女性でも伝統的な刺青を入れている若者も多く見かけるようになってきましたが、ファッションタトゥーは特に夜の商売に従事しているセクシーアピールのイメージがあるようで、社会的な偏見はやはり存在するように思います。

 

4. 就職活動に影響はある?

一般的に見れば、これは「ある」と答えた方が無難でしょう。工場やファッション系列のお店で働く場合には影響はあまりないと言い切ってしまって問題ないですが、政府関連や一般企業のオフィスなどで働いている社会人には、魔除けの刺青やファッションタトゥーを入れている人は皆無と言っていいでしょう。見えない場所に彫られているのかも知れませんが…。このように、やはり見える場所の刺青によって就職の道が限定されてしまうことはあるでしょう。逆に言えば見えない場所であれば就職活動に影響が出ることはありませんので、タイで働こうと思っているあなたには心に留めて置くことをお勧めします。

 

5. 出入り禁止や制限を受ける事はある?

日本では温泉や銭湯、サウナ、プールなどの公共施設への出入りが禁止になっている例が多くありますが、日本よりも刺青が庶民に身近なタイではそのような規定は見たことがありません。規定をしてしまうと、観光大国タイでは、タトゥーを入れている外国人観光客が入れない場所ができてしまうことへの配慮もあるのかも知れませんね。

 

6. 刺青・タトゥーのタイならではのエピソード

タイで絶大な人気を誇る王様であるラマ9世がご逝去されてからまだ日が浅いタイですが、その畏敬の念を身体にも刻もうとするタイ人が増えています。タイ数字の9である๙を中心にタイの国の形を組み合わせてデザインをしたり、王様自身のお顔のデザインであったり、「ラマ9世の時代に生まれた」というメッセージやご逝去された日付を刻んだりと多種多様です。タイ語の綴りの難解さが災いしたのか、รัชกาลที่ ๙/ラマ9世と彫るべきところをราชกาลที่ ๙と綴りを誤って彫ってしまった実際の例を取り上げた注意喚起がSNSを中心に多く出回っています。

 

まとめ

いかがでしたでしょうか。
日本の刺青とはだいぶ印象の違うタイの刺青、図柄は宗教的なものが多く、細かいデザインは外国人から見ても美しく、とても楽しいものです。刺青を入れることにあまり抵抗のない人が多いタイ、これからも伝統的なものから新しいものまで色々なデザインが登場しては、共存していくことでしょう。しかしながら、タイで刺青を入れたいと思っているあなたには、タイは伝染病の非常に多い国であること、日本とは異なる衛生環境であることを肝に銘じ、全ては自己責任の上でということを最後にお伝えしておきます。

 

タイで刺青・タトゥーはどう思われているか調査!

1. 刺青・タトゥーはどんな人がするの?
2. 若者・お年寄りはそれぞれどう思ってる?
3. 男性の刺青と女性の刺青の印象の違いは?
4. 就職活動に影響はある?
5. 出入り禁止や制限を受ける事はある?
6. 刺青・タトゥーのタイならではのエピソード

 


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