五千年もの長い歴史を誇る国、中国。地図を見ればわかる通り、日本とは隣国で古くから行き来があり、多くの日本文化の源ともなっています。観光地としても見どころが多く、万里の長城や故宮博物館、兵馬俑にシルクロードなどガイドブックにも数多くの名所が紹介されています。ツアーを利用すればこうした有名地を観光できます。でも、もう一度地図をよく見て下さい。沿岸部から内陸部まで、低地から高地まで、北から南までとても広大で奥行きの深い国ですよね。そう、中国には他にもまだまだ魅力的な見どころがたくさんあります。今回は、そんなガイドブックには載せきれない旅行スポットの中から7つほどご紹介します。
中国の地図ガイドにもないお勧めマニアック旅行7スポット
1. 黄土高原のヤオトン(陝西省)
内陸に位置し、ゴビ砂漠の黄土が堆積してできた黄土高原は、雨がほとんど降らない過酷な気候(夏は40度超、冬は零下20度超)で、樹木も育たないこの地で人々は、地中に家を作りました。地面を掘り下げてそこから横穴を掘ったり、あるいは岩壁を直接掘り抜いたりして洞窟住居「ヤオトン」を作ったのです。
ちなみにあなたは井戸水を使ったことがありますか?冬は温かく、夏はとても冷たくて気持ちいいんですよね。同じ理屈で地下のヤオトンは夏涼しく、冬は暖かく、まさに厳しい自然の中で少しでも快適に暮らしたいという人々の知恵と努力の結晶とも言えるんです。実際に今もヤオトンに住んでいる人も数多くいます。陝西省の延安市には、中国革命の際に周恩来や毛沢東が住んでいたヤオトンもあり、中国の歴史に触れつつ実際にヤオトンを見学することができます。
2. 天子大酒店(北京市)
日本の七福神の1人「禄福寿」様、実は中国ではそれぞれ3人に分かれていて、「福」は繁栄、「禄」は富貴、「寿」は長寿の神として崇められています。で、何が言いたいかというと、その3つの神様の外観をしたホテルがあるんです。北京の東30kmにある10階建ての「天子大酒店」がそれです。
ちなみに「大酒店」と言うのは中国語でホテルのことです。開業は2001年で神様のご体の中に43の部屋があり、「寿」の神様が手に持っている桃の中がスイートルームという凝りようです。ちなみに希望する神様の中に宿泊できるそうです。「世界最大の象形建築」としてギネスブック入りし、「中国で最も醜い建築物」に選ばれたこともある何とも興味深いホテルです。ぜひ一度体験してみてはいかがでしょう?
3. 黄龍(四川省)
省の東北部にある湖沼群で、石灰岩の堤で囲まれた3400の大小の池が棚田のように連なり、まるで龍のウロコのようです。このウロコの堤は、石灰岩を含んだ山の水が長い年月を経て周囲の落ち葉や小枝を固めることで形成された、まさに大自然の驚異なんです。また五彩池は、水面が緑や黄、青、黒と水面がさまざまに変化する不思議な池で、また池のほとりにある黄龍寺の真下にある黄龍洞の水は、どんな病気にも効くと言われており、自然の驚異と神秘が同時に体験できる場所です。世界遺産にも登録されていますので、最近は人出も多くなっていると思います。
4. 赤壁古戦場(湖北省)
三国志の中でも特に有名な赤壁の戦いは、映画「レッドクリフ」の舞台でもあります。この赤壁古戦場は湖北省の州都、武漢市から新幹線で40分、この戦いの舞台赤壁市にあるテーマパークで、当時の建物や陣地を復元したり、また、当時の戦いの様子を再現するアトラクションが行われたりと当時の戦いを偲ぶことができる観光スポットです。長江の流れやその広さを実際に体感しながら、当時の武将たちの駆け引きや奮闘ぶりに思いを馳せる、三国志ファンであれば絶対に訪れたい場所の一つですね。
5. アモイ(廈門:福建省)
省の南東部に位置する古くから発展した美しい貿易都市です。対岸に台湾を望むことができます。本島と隣のコロンス島、そして内陸の沿海地区から構成されています。特におすすめの観光スポットはコロンス島で、かつて公共租界地だったこの島には当時の領事館や商社、病院、学校、教会をはじめとした異国情緒あふれる街並みが残っていて、ゆっくり散策するのがお勧めです。他にも「中国で最も美しい大学」と言われるアモイ大学のキャンパスやアモイ園林植物園など町全体に美しい景観が点在し、とにかく自然を楽しみたい方におすすめのスポットです。
6. 平譚島(福建省)
福建省の州都、福州市の沖合に浮かぶ台湾本島に最も近い島になります。(約125km)現在この島と台湾が連携して開発を進めるという「平潭総合実験区」計画が着々と進行中で、大陸と島を結ぶ全長5kmの海峡大橋の開通、台湾と島を結ぶ高速フェリーの就航とアクセス面でも非常に便利になりました。現在すさまじい勢いで町全体の開発が進められており、同時に従来からの美しい自然を生かした観光リゾート地としても整備が進められています。発展を続ける中国の勢いを感じることのできるスポットです。
7. トルファン(吐魯番:新疆ウィグル自治区)
新疆ウイグル自治区の州都ウルムチから3時間ほどの所にあるシルクロードの要所です。夏の暑さが厳しいことでも有名で、中でも「西遊記」で孫悟空が鉄扇公主と戦う場所で有名な「火焔山」は、地表から立ち上がる陽炎が燃え上がる炎のように見えることからこの名がついたと言うほどの場所で、実際太めの指輪は暑くてはめられなくなるくらいだそうです。2006年には地表気温が70度近くまで達したこともあるそうです。交河故城などの古代遺跡もたくさんあり、見どころも豊富ですので、ぜひ一度、大陸の過酷な気候を体験しながら観光してみてはいかがでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
「中国の地図ガイドにもないお勧めマニアック旅行7スポット」、もちろんガイドに載っているところもありますが、「マニアック」と言う観点で選んでみました。五千年の歴史を誇る中国。歴史的にも地理的にもとても広大で奥行きの深い国です。身近でありながら日本にはないたくさんの魅力に溢れていて多くの人の心をとらえて離しません。他にもまだまだたくさんの魅力的な場所があるはずです。そんなガイドブックには絶対載らない、あなただけの魅力的な旅行スポット、探しに出かけてみてはいかがでしょう。
中国の地図ガイドにもないお勧めマニアック旅行7スポット
1. 黄土高原のヤオトン(陝西省)
2. 天子大酒店(北京市)
3. 黄龍(四川省)
4. 赤壁古戦場(湖北省)
5. アモイ(廈門:福建省)
6. 平譚島(福建省)
7. トルファン(吐魯番:新疆ウィグル自治区)