ドイツのクリスマスと聞いて何を思い浮かべますか。クリスマスマーケット、色鮮やかなイルミネーションに巨大なクリスマスツリー。ドイツのクリスマスは、日本のものとは一味違います。今回は、そんなドイツのクリスマスの過ごし方をご紹介します。
ドイツ在住者に聞く現地のクリスマスの7つの楽しみ方!
1. クリスマスの時期といえば「アドベント」
ドイツでクリスマスと言えば、25日よりもむしろアドベント期間が本番です。アドベント期間とは、イエス・キリストの降臨を待つ12月25日までの「待降節」期間。ドイツではこの期間がクリスマスの本番と言っていいほど多くのイベント、クリスマスマーケットなどの催しが各地で開催されます。
また、日本では24日の夜にサンタクロースがプレゼントを届けに来ますが、ドイツのサンタクロース即ち聖ニコラウスは12月6日に子供たちにお菓子をプレゼントします。
2. ドイツ人にとってのクリスマス
前述したとおり、ドイツ人たちにとってクリスマスはアドベント期間が本番。11月の最終の土日あたりから、クリスマスに向けて準備を始めます。
まず、スーパーやデパートでアドベントカレンダーを買ってきて、お菓子を食べながら25日が来るのを待ちます。クリスマスマーケットに出かけていって、伝統的な菓子パン「シュトレン」の材料やツリーの飾りを買います。
また、プレゼント交換用のプレゼントを買いにイルミネーションの美しい街に出かけて行くのもこの時期。街全体がクリスマス一色になり、外出がうきうきしたものになるためか、ドイツ人たちは寒いこの季節も散歩や散策の回数を減らすことはありません。
また、ヨーロッパ諸国でクリスマスは家族と過ごす日です。ドイツでもそれは例外ではなく、日本のように恋人とイルミネーションを見に行ったり、レストランで食事をするといったクリスマスの過ごし方は少し型破りに映るようです。
なお、ドイツで人気のお菓子について以下の記事に詳しく特集していますので、こちらも読んでみてください。
3. クリスマスの伝統料理
このアドベント期に食べる伝統的なお菓子が、前述した「シュトレン」と呼ばれる菓子パンです。ドイツではこのシュトレンをアドベントの間少しずつスライスして食べてクリスマスを待つ習慣があります。
シュトゥーレンは生地にドライフルーツやナッツが練りこまれており、表面には砂糖がまぶされています。フルーツの風味が日ごとにパンに移るため「今日より明日、明日よりあさってと、どんどんクリスマスが待ち遠しくなる」という意味が込められています。
また、来たるクリスマスに食べられる伝統料理と言えば「がちょうのロースト」。これを12月24日の昼にクレ―セと紫キャベツの煮ものと共に食べるのがドイツの伝統的なクリスマスです。
ドイツの家庭料理については以下にまとめていますので、こちらも読んでみてください。
4. ドイツ人のクリスマスの過ごし方
前述したように、ドイツ人たちはクリスマスまでのアドベント期間をクリスマスマーケットで買い物を楽しんだり、マーケットで売られるホットワインで身体を温めたりして過ごします。こうして徐々にクリスマスの準備を進めておき、当日は家族でゆっくり過ごすのです。
多くの会社は休みなのでゆっくり寝て、普段ミサに行かないような家族も、教会に出かけます。帰った後はこの日のために作られたごちそうを家族みんなでゆっくり味わい、用意していたプレゼントを開けます。その後はおしゃべりをしてのんびり過ごす。ドイツ人たちは、クリスマスを静かにロマンチックに楽しむのです。
ちなみに12月25日にクリスマスマーケットで物々交換することはできないとされているので、クリスマスマーケットはクリスマス当日開催されません。
5. クリスマスマーケットはイベントも満載
クリスマスまでの各地のクリスマスマーケットはどこも素晴らしいものです。各土地の特色を表現しており、郷土料理を楽しむことができます。クリスマスマーケット内で各種イベントが開催されることも多く、ミュージシャンのライブや大道芸なども楽しみのひとつでしょう。
また、12月6日はサンタクロースが子どもたちにお菓子を配る日。特に予告もない道端や駅中でサンタクロースに仮装した大人が子どもにお菓子を渡すなんてシーンに出くわすことも。
6. 日本人におすすめのドイツクリスマス
日本人におすすめしたいのはやはり各地のクリスマスマーケット。ドイツ中のどの都市でも開催されていますが、最大規模で「最も美しいクリスマスマーケット」とされているニュルンベルクは特におすすめ。おもちゃにゆかりのある街であるため、子どものためのマーケットやワークショップが多いのも特徴です。
また、中世の面影を残すローテンブルクのクリスマスマーケットも非常に有名。他の都市とは違う白ワインベースのグリュ―ワインを楽しむことができます。クリスマスマーケット発祥の地とされる、ドレスデンも一見の価値あり。最高級のシュトレン「ドレスデン・クリストシュトレン」を味わいたいなら、ドレスデンに行かない手はありません。
とはいっても、この時期のドイツはどの都市も多くのクリスマスマーケットが立ち並び、漏れなく美しいイルミネーションや壮大なクリスマスツリーを楽しむことができます。あなたのお気に入りの街のクリスマスを楽しむのが、一番おすすめだと言えるでしょう。
なお、ドイツのクリスマスマーケットについては、以下で特集していますので、こちらもチェックしておきましょう。
7. クリスマスツリーを褒め合う不思議な習慣
バイエルン州やバーデン・ヴュルテンベルでは変わった慣習があります。それはお互いのクリスマスツリーを褒め合うというもの。お互いの家から家に行って、その家のクリスマスツリーを褒めます。
また、褒められた家主は褒めてもらったお礼として「シュナップス」という非常にアルコール度の強いお酒をふるまいます。家を回るうちにお酒も回り、よりクリエイティブな褒め言葉が出てくる、という奇妙な慣習です。
まとめ
いかがでしたか?
ドイツのクリスマスは寒いですが、非常に華やかだとお分かり頂けたかと思います。あなたもぜひ、クリスマスまでのロマンチックな一時をドイツで過ごしてみてはいかがでしょうか。 Fröhliche Weihnachten!(メリークリスマス!)
ドイツ在住者に聞く現地のクリスマスの7つの楽しみ方!
1. クリスマスの時期といえば「アドベント」
2. ドイツ人にとってのクリスマス
3. クリスマスの伝統料理
4. ドイツ人のクリスマスの過ごし方
5. クリスマスマーケットはイベントも満載
6. 日本人におすすめのドイツクリスマス
7. クリスマスツリーを褒め合う不思議な習慣