モスクワの天気の印象といえば「極寒の地」「一年中寒い」というイメージが強いのではないでしょうか?しかし実際にモスクワの1年の四季を追ってみると、実はそうではないことがわかります。季節ごとの特徴や必需品を事前に知っていれば、出発前の荷造りもスムーズに進みそうですよね。今回は、そんなモスクワの天気を徹底分析し、旅行前に知っておきたい7つの特徴をご紹介します。
モスクワの天気を徹底調査!旅行前に知りたい7つの特徴
1. モスクワは一年の半分が冬!
モスクワの天気の最大の特徴は、とにかく冬が長いこと。短い夏が終わり、秋になったかと思うと間もなく雪が降り始め、本格的な冬のスタートです。早いと9月下旬、遅くても10月中には初雪があります。この時期はちょうど日を追うごとに日照時間が短くなっていくので、気温の低下とともに沈んだ気分になったり、家にこもりがちになる人も。年を越すと少しずつ日照時間が伸びはじめ、晴天の日も増えてきますが、最低気温のピークは例年、1月後半〜2月頃。この時期のモスクワはまさに「厳寒」という言葉がぴったりで、モスクワを訪れる人は万全の防寒対策が必要です。雪が解け始める4月から5月にかけて、モスクワに待ちに待った春が到来します。枯れ木の街路樹が一斉に緑の芽を伸ばし始め、街は美しい新緑に包まれます。日照時間も伸び、ピークの6月には夜10時を過ぎてもまだ明るいのです!そして短い夏を堪能し、雨の日が増え始めたら、もう秋。「黄金の秋」と形容される美しい黄葉を目に焼き付けて、再び長い冬へ向かうのです。
2. 冬のモスクワ
モスクワの冬の始まりは10月。例年、遅くとも11月に入る前には初雪が降ります。降雪は毎年多いわけではなく、ほとんど積もらないほど少ない年もあります。ピーク時の最低気温は、マイナス20℃〜30℃!ただしこんなに寒いのは冬を通してずっとではなく、だいたい1〜2週間のうちに落ち着きます。参考までに、モスクワの1月の平均気温は−12度前後です。天気の傾向としては、10月〜11月は雨や雨混じりの雪が多く、実際の気温より寒く感じられます。靴は防水のものがおすすめです。寒さが本格的になってきて乾いた雪が降るようになると、防寒優先でムートンブーツや、ロシアで昔から愛用されているフェルトのブーツを履く人が多いようです。1月以降から春までは、寒い日ほど雲一つない快晴になる傾向があります。
3. 春のモスクワ
雪が解け始めるとモスクワの春の到来です。4月上旬まではまだ雪が残っていることが多いです。モスクワ市内には路上に排水溝がなく、雪解け水が道路にあふれますので、この時期の街歩きには防水ブーツが必須です。雪がなくなる頃、気温は一気に上昇し、プラス20℃を超えるほど暖かい日がやってきます。服装の調節が難しい時期です。この時期ロシアの人々は、まるで冬眠から覚めた動物のように街に出てきます。モスクワ市内には緑あふれる公園がたくさんあり、春は新緑を楽しむ人々でいっぱいです。日本のゴールデンウィークにあたる5月上旬はロシアもちょうど連休にあたり、薄着のロシア人が公園に繰り出して、薄着で日光浴を楽しみます。5月下旬には天気の良い日が増え、リラ(ライラック)の花も満開に。街に甘い花の香りが溢れるころ、モスクワは夏を迎えます。
4. 夏のモスクワ
モスクワが最も美しい季節、それが夏です。モスクワの夏は非常に短く、夏らしい天気に恵まれるのは、5月下旬〜8月上旬のわずか2か月ちょっと。この時期、最高気温は30℃を超えます。とはいっても、日本の夏のような湿気がないので、暑い夏に慣れている日本人には、概ね快適に過ごせます。冬の日照時間が短いモスクワで暮らす人々は、夏の間にできるだけ日差しを浴びようとします。この時期、街のレストランには季節限定のテラス席が出現し、降り注ぐ太陽の光をめいっぱい浴びながら屋外での食事を楽しむロシア人がたくさん。日差しは日本より強めなので、この時期に日本からモスクワに行くならサングラスと日焼け止めをお忘れなく!
5. 秋のモスクワ
モスクワの秋の始まりは、なんと8月。日本でいえばお盆を過ぎるころから秋風が吹き始め、気温も20度を下回るようになり、9月に入るころには最低気温気温が1桁台まで下がることも少なくありません。日本はこの時期まだ残暑が厳しいので、夏の続きのような感覚でモスクワに出かけると、あまりの気温差に驚くでしょう。天気も全体的に不安定になり、秋雨の日々がやってきて、まさに一雨ごとに冬が近づくことを実感するのではないでしょうか。ただ、この時期はロシアでは「黄金の秋」と呼ばれ、黄色に色づいた木々の葉がたいへん美しい季節なので、公園を散歩するのも素敵な過ごし方です。気温が安定しない季節に重宝するダウンベストやショート丈のダウンジャケットをさらりと羽織ってモスクワの公園に出かければ、可愛いリスに出会えるかも!
6. モスクワっ子の防寒対策
モスクワの冬は寒いので、とにかく重ね着して暖かく・・・と思いがちですが、モスクワっ子はコートの中は意外に薄着。モスクワ市内の建物は、冬はセントラルヒーティングで非常に暖かく、半袖でも問題なく過ごせるほどなので、ユニクロのヒートテックなどは意外と暑い・・・ということになりがちです。そのかわり、モスクワっ子は薄着の上に厚手のコートを着て、屋内と屋外の気温差に対応します。ロシア人の代名詞のような毛皮のロングコートも、理に適っているのですね。最近は若い人を中心に、ほとんどの人が分厚いダウンコートを着ています。そして忘れてはならないのが、帽子とマフラー。マイナス20度近くになると髪もまつ毛も凍りますので、頭部を覆うものが必須です。普通のニット帽でかまいませんが、必ず耳が隠れる帽子をかぶりましょう!また、マフラーやストールも重宝します。冷たい空気を勢いよく吸い込むと、肺を痛めたり咳喘息を引き起こすことがあります。本当に寒い日には口元まで覆えるボリュームのマフラーやストールを巻くことをお勧めします。
7. モスクワ旅行のベストシーズンは5月〜7月
冬が長く夏が短いモスクワ。観光におすすめのベストシーズンは、なんといっても5月〜7月にかけての初夏の時期です。この時期は観光のピークシーズンで、世界中から観光客が多く訪れます。5月上旬はまだ肌寒い日がありますが、5月下旬から6月いっぱいは夏らしい暑さの日が続き、さらに晴れの日が多いので観光にはぴったり。湿気のない爽やかな夏空は本当に気持ちが良いです!この時期に梅雨を迎える日本から訪れるなら、この5月〜7月を強くおすすめします。
まとめ
いかがでしたか?
モスクワの天気は四季のメリハリが非常にはっきりしていて、季節の変化とともに姿を変える街並みはとてもドラマティック。そんなモスクワの1年のお天気を徹底分析してみましたが、いかがでしたでしょうか?今回の記事では、地元の人の防寒対策や季節ごとの過ごし方も紹介してみましたので、モスクワを訪れる際にはぜひ参考にしてくださいね!
モスクワの天気を徹底調査!旅行前に知りたい7つの特徴
1. モスクワは一年の半分が冬!
2. 冬のモスクワ
3. 春のモスクワ
4. 夏のモスクワ
5. 秋のモスクワ
6. モスクワっ子の防寒対策
7. モスクワ旅行のベストシーズンは5月〜7月