現在スペインでは、欧州19カ国とアンドラ、モナコ、バチカン市国等のミニ国家で使われている単一通貨=ユーロが使用されています。以前はペセタという通貨が使われていました。ユーロ導入後は、国々によって両替する必要が無くなり、ヨーロッパ旅行がとても便利になりましたね。今回は、ユーロとスペインペセタについて詳しく調べていきたいと思います。
スペイン通貨を徹底調査!旅行前に知りたい7つのポイント
1. エウロとセンティモ
スペインでは、ユーロを《エウロ》と呼び、セントを《センティモ》と呼びます。センティモという硬貨には、1、2、5、10、20、50 センティモがあります。エウロ硬貨には、1、2 エウロがあります。紙幣には、5、10、20、50、100、200、500 エウロがあります。
2. ユーロのデザイン
ユーロは、ユーロ使用国がそれぞれ国ごとに造幣しています。中でも硬貨は、表面は共通のデザインでありながら、裏面は各国がそれぞれの特徴のあるデザインを施しています。例えばスペインの場合、1、2、5 セント硬貨にはサンティアゴ・デ・コンポステーラ大聖堂が、10、20、50 セント硬貨にはスペインの作家・セルバンテス、そして1、2 ユーロ硬貨には前スペイン国王ファン・カルロス1世が描かれています。それに対してユーロ紙幣は、全ての使用国で同じデザインです。
3. ユーロのシンボル
ユーロのシンボルマーク=€ はギリシャ文字のイプシロン=ϵとヨーロッパ(Europe)の頭文字Eが融合されて作られました。横に入る2つのラインは、アメリカドルや日本円のシンボル同様、安定、つまりユーロ圏の安定を意味しています。
4. ペセタ
ペセタは1868年よりスペインで流通していた通貨です。ユーロが完全に導入された2002年に廃止になりました。ユーロとペセタの交換比率は、1ユーロ=166.386ペセタでした。ペセタには世界でも珍しく、日本の5円硬貨の様なドーナッツ型の硬貨がありました。25ペセタです。ユーロ導入後10年以上経った今でも尚、ペセタの使い易さを語るスペイン人が多くいます。特に今お話した25ペセタは、その25という単位そのものがユーロにはなく、使い勝手が良かったと支持の多い硬貨です。
5. ペセタの種類
ペセタのシンボルはPTAでした。ユーロ導入直前まで使われていた紙幣には、1000、2000、5000、10000ペセタ紙幣が、ペセタ硬貨には、1、5、10、25、50、100、200、500ペセタ硬貨がありました。紙幣のデザインは、1000ペセタ紙幣には一面にスペインのコンキスタドール、エルナン・コルテスと、もう一面にフランシスコ・ピサロの肖像画が、2000ペセタ紙幣にはスペインの植物学者、ホセ・セレスティーノ・ムティス、5000ペセタ紙幣にはクリストファー・コロンブス、そして10000ペセタ紙幣には前スペイン国王ファン・カルロス1世の肖像画が描かれていました。
6. 実生活に登場するユーロ
私達の実生活でよく使用されているユーロ紙幣は、5、10、20、50 ユーロです。100 ユーロ以上の紙幣は小さなスーパーや商店では断られることもあります。旅行する場合は、出来れば100ユーロ以下の紙幣に両替してもらう様にしましょう。また、ATMで現金を引き出す場合も、100ユーロ以上の紙幣が出てくることはまずありません。
7. コカインとユーロ紙幣
最後に余談になりますが、残念なことながらスペインはコカインの消費が世界一です。吸引の為にユーロ紙幣がよく使われるそうです。スペインで行われた10年程前の調査になりますが、なんと調査した94%の紙幣に多かれ少なかれコカインの成分が付着していたそうです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
一昔前までは、国境を越える毎に通貨を両替しなくてはなりませんでした。今ではユーロという単一通貨でヨーロッパ旅行が大変便利になりました。旅行だけでなくビジネスに於いても、ユーロ導入はビジネスの効率化に繋がり、グローバル的には良い経済効果を齎しました。しかしながら一方で、ユーロ圏内の経済的不均等は未だに欧州が抱える課題の一つでもあります。あなたがヨーロッパに行ったなら、その先々で同じユーロでありながらその価値の違いに驚くことがあるでしょう。
スペイン通貨を徹底調査!旅行前に知りたい7つのポイント
1. エウロとセンティモ
2. ユーロのデザイン
3. ユーロのシンボル
4. ペセタ
5. ペセタの種類
6. 実生活に登場するユーロ
7. コカインとユーロ紙幣