旅行の楽しみのひとつと言えば、現地で食べるその国の料理ですよね。日本ではまだあまり知られていませんが、スウェーデンには独自の料理がたくさんあります。そこで今回は、現地でぜひ食べてほしいおすすめスウェーデン料理を10品ご紹介します。
現地で絶対食べたいおすすめスウェーデン料理10選!
1. ショットブラール köttbullar (Swedish meatballs)
スウェーデンの伝統的な家庭料理であるミートボール。苔桃ジャムをつけながら食べるところが特徴的なのですが、実はこのジャム、まったく甘くないのです。ミートボールの味付けもスパイスが効いているので、ジャムの酸味とピリ辛が程よく混ざり、想像とは違う味が楽しめるはずでしょう。ジャムのほかに、必ずと言っていいほどマッシュポテトとグレイビーソースが添えてありますので、様々な添え物と一緒にミートボールを味わえます。スウェーデンの代表的な料理ですので、是非現地で食べてみて下さい!
2. ピッティパンナ pyttipanna (pyttipanna)
こちらも現地の人達がよく口にする家庭料理のひとつです。スウェーデンではじゃがいもが主食になることがとても多く、余ったじゃがいもを処理したい時に作られる一品なのだとか。そんな残り物で出来たピッティパンナは、じゃがいも・牛肉/豚肉やソーセージをサイコロ型に切り炒めたものです。こちらの料理はドイツでも食べられているようなのですが、スウェーデンのピッティパンナには上に目玉焼きが乗っていることが特徴です。また、先ほど述べたように残り物で作る料理なので、毎回違った味が楽しめる一品となっています。
3. ヤンソン氏の誘惑 Janssons frestelse (Jansson’s temptation)
グラタン料理の一種です。玉ねぎとアンチョビを必ず使うのが特徴で、そのアンチョビとジャガイモを交互に重ねたものを焼いた一品です。通常私たち日本人が食すアンチョビはイワシで出来たものですが、北欧のアンチョビはニシンを使っています。そのニシンが、この料理の特徴的な風味を出しているとのことです。この不思議な名前の由来は諸説ありますが、最も有名なものが、菜食主義であった宗教家のヤンソン氏が誘惑に負けて、ついこの料理を食べてしまったという話から名付けられたと言われています。ヤンソンさんが思わず食べてしまった料理がどのようなものなのか、是非現地で食べてみて下さい!
4. スモーガスボード smörgåsbord (smorgasbord)
日本でいうバイキング形式の食事の原型であるスモーガスボード。ここでは日本のバイキングスタイルとの違いをご紹介しましょう。スウェーデンでは古くからお皿の数が多い方がおもてなしになるとの考えがあったようで、まず前菜やメインディッシュを同じお皿によそうことはしません。原則食べる順番が決まっていて、例えば前菜が食べ終わるまで、後続するメインディッシュ等は食べないのがルールです。スウェーデンでスモーガスボードを食べる際には、バイキングスタイルとの違いを楽しみながら、たくさんの料理を少しずつ味わえるように食べましょう。
5. クロップカーコル kroppkakor (kroppkakor)
クロップカーコルには二つの特徴があります。まずは、じゃがいもで出来たもちもちの生地。そして、オールスパイスという強い香りと味がする調味料で味付けされた塩漬けの豚肉と玉ねぎです(ちなみに、2日以上前から塩漬けしておくのが重要だとか)。この豚肉と玉ねぎをじゃがいもの生地で包み込み、茹でたら完成です。最後の味付けは、ここでも苔桃ジャムが活躍します。肉まんのような、おまんじゅうのような、独特な触感と味を是非とも現地で体験してみて下さい。
6. パンケーキと豆のスープ ärtsoppa med pannkakor (pea soup with pancake)
面白いことに、スウェーデンでは木曜日の日替わりメニューとして、このセットを提供するレストランが非常に多いです。こちらの由来も諸説あるのですが、おそらくキリスト教の習慣から金曜日は肉を摂取しない日なので、その前日に栄養たっぷりの豆スープを飲んでおこうという風潮が強かったのではないかと言われています(その当時庶民が飲んでいたスープには、肉片もたっぷり入っていました)。なぜ一緒にパンケーキが出るのかは明かされていないようなので、木曜日のお昼は現地の人たちとこのセットを食べながら、その謎について会話をしてみるのはいかがでしょうか。
7. スモーガストルタ smörgåstårta (smorgastorta)
こちらはサンドイッチケーキという料理です。日本料理のちらし寿司のようなものでしょうか。この料理はレストランで食べることはほとんどなく、お祝い事の時に家でこれを作り皆で食べます。薄切りのパンにフレッシュクリームとお好みの具を挟んで積み重ねていくのですが、スウェーデンで見かけるものには、サーモン・海老・きゅうり・ハム等がよく使われています。名前にトルタ(ケーキ)と入っていますが、これはご飯として食べるものです。実際のトルタがどういうものかを次に見ていきましょう。
8. プリンセストルタ prinsesstårta (princess cake)
「お姫様のケーキ」という意味を持つスウェーデンの代表的なデザートです。かつてのスウェーデン王女達がこのケーキを非常に好んだため、このような名前が付いたとか。中身はスポンジケーキ・ペイストリー・ホイップクリームが交互に重なったもので、最後は上からマジパンでコーティングしています。マジパンの色は通常緑色かピンク色です。そして、プリンセスケーキはとにかく大きいものがほとんどで、そのサイズは必見です。日本ではIKEAが小ぶりなプリンセスケーキを売っているようですので、本場で大きいサイズを食べる自信がない方は、手始めにお試しになってみるのはいかがでしょうか。
9. セムラ semla, fastlagsbulle (semla)
セムラとは、パンにもケーキにも似たお菓子です。スパイスの女王とも呼ばれているカルダモンが甘い生地に含まれていて、シュークリームのような形に焼き上げられます。その焼いた生地の間に、アーモンドクリームと甘くないホイップクリームが挟んであるのです。セムラは、かつて習慣とされていたイースター前の断食に関係した食べ物のため、年明けからイースター前頃までは店頭で見かけますが、その他の時期に置いているお店はほとんどないでしょう。そのまま食べるのも良し、ホットミルクに浸して食べるのも良し。ちなみに、スウェーデン人は毎年この期間限定のお菓子を平均5個ほど食べるようですよ。
10. ルッセカット lussekatter (Lucia cats)
ルッセカットとはサフランとレーズンが入っているS字型の黄色いパンになります。こちらもスウェーデンでは大変有名なお菓子ですが、セムラ同様期間限定のお菓子になります。このパンはスウェーデンで毎年12月13日に行なわれるルシア祭のために焼き上げられます。ルッセカットというのは、「ルシアさんの猫」という意味だそうで、パンのS字型の形は、ルシアさんの猫の尻尾のかたちなのだとか。12月にスウェーデンに渡航されている方は、是非この名物パンを口にしてみて下さい。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
聞き慣れない名前が多かったもしれませんが、実はジャガイモをメインにした料理や、馴染みのあるバイキング料理の前身など、日本人にとって身近な食べ物も少なくなかったかと思います。是非いずれも挑戦してみていただきたいですが、一番お薦めなのはスモーガスボードで、様々な料理を少しずつ食べてみることです。その中で、スウェーデン独特の風味なども体験できますし、そこで気に入った料理は改めてじっくり食べることが出来ます。バイキングとの違いも楽しみながら、スウェーデン料理を是非味わってみて下さい!
現地で絶対食べたいおすすめスウェーデン料理10選!
1. ショットブラール köttbullar (Swedish meatballs)
2. ピッティパンナ pyttipanna (pyttipanna)
3. ヤンソン氏の誘惑 Janssons frestelse (Jansson’s temptation)
4. スモーガスボード smörgåsbord (smorgasbord)
5. クロップカーコル kroppkakor (kroppkakor)
6. パンケーキと豆のスープ ärtsoppa med pannkakor (pea soup with pancake)
7. スモーガストルタ smörgåstårta (smorgastorta)
8. プリンセストルタ prinsesstårta (princess cake)
9. セムラ semla, fastlagsbulle (semla)
10. ルッセカット lussekatter (Lucia cats)