万年雪に頂上を覆われたアルプスなど、美しい大自然が観光客を引きつけるスイス。憧れの氷河列車に乗って、雄大な山岳地帯の景色を楽しんでみたいと思っている方も、心配事の1つが旅行中の言葉問題です。
今回は、スイスの公用語、そして英語は通じるかなど、旅行前に知っておくと便利なスイス情報を8つのポイントにまとめてご紹介します。
スイスの公用語は英語?旅行前に知るべき8つのポイント
1. スイスの公用語は?
スイスの公用語は何語かご存知でしょうか。
スイスでは、ドイツ語、フランス語、イタリア語そしてロマンシュ語の4つが公用語となっています。四方をフランス、ドイツ、イタリア、オーストリアに囲まれているため、異なる言語が地域によって話されているのも納得です。
その中でもドイツ語を母国語とする人が60%以上と大多数を占め、フランス語のネイティブスピーカーが20%程度で続きます。一方、イタリア語は6%、ロマンシュ語に至っては1%未満となっています。しかし、どの公用語も平等に扱われるべく、商品の成分表示などは4つの言語で記載されています。
主に話される言語は地域ごとによって分かれ、フランスと国境を接する西側がフランス語、ドイツとの面する東北部がドイツ語、イタリアとの国境沿い南部がイタリア語です。まずは、旅行する地域がどのあたりで、どの言語地域に属するのかチェックしてみるといいかもしれません。
2. スイスで英語は通じる?
ドイツ語、フランス語…。大学の第二言語で少しは習ったけど、会話するほど自信がないという方も多いかもしれません。英語ならなんとかと思っている方は、ご安心ください。
スイスはアルプスハイキングなどで世界的な観光地です。様々な国からゲストを受け入れているため、観光地での主要なホテルやレストランでは英語は非常によく通じます。観光客が訪れるレストランは、英語メニューも充実していますので、ドイツ語やフランス語が分からなくても心配はいらないでしょう。標識についても、有名な観光地では英語での案内も掲示されています。
もし、英語表記がなくても、ドイツ語、フランス語などは基本的にはアルファベット表記に近いので、手元のガイドブックやメモと地名を照らし合わせれば、理解できるでしょう。
3. 英語は第5の公用語?
4つの言語を公用語としているスイスですが、実際に4つすべてを話せるスイス人というのは、それほど多くはありません。それどころか、ドイツ語のネイティブスピーカーでフランス語が話せない、フランス語を話すスイス人でドイツ語が理解できない人も結構いるのです。
このようなとき、お互いにコミュニケーションをとるため、英語を使用することが多いそうです。こうして日常的に英語を使う機会が多いことから、スイスでは観光業に従事していない人でも、英語を話せる人が数多いわけです。
また、タクシー移動も言語が通じるかどうかで快適さが変わりますよね。以下にスイスのタクシー事情が詳しくまとめていますので、旅行前にチェックしておきましょう。
4. 意外に苦戦するジュネーブ
スイス西側の玄関口・ジュネーブ。国際連合欧州本部や数々の国連機関や国際的NGOが拠点を構える国際色豊かな都市です。ジュネーブはフランス語圏ですが、世界各国から駐在員が多いことから、英語も広く通じると期待してしまいます。
しかし、フランス語は英語と同じく国連の公用語であるため、フランス語で業務を遂行するビジネスマンも多く、国際色とは裏腹に、英語は期待していたほど通じないこともあるそうです。現地駐在の日本人で苦労されている方もいらっしゃいます。
5. 困ったときは英語が分かる人を探そう
一般的に英語がよく通じるスイスですが、先ほど述べたジュネーブなど、英語で用事が済ませられないことも起きるでしょう。
例えば、レストランで注文を取りに来てくれたウェイターに英語が通じない場合などです。その際は、ドイツ語やフランス語で話しかけられたことに、知ったかぶりをして、ドイツ語で「Ja」、フランス語で「Oui」と言って、「はい」と安易に返答してしまわないことが重要です。英語での対応を希望すれば、英語の話せるウェイターやウェイトレスを連れてきてくれます。
なお、スイスに来たらぜひスイス料理をレストランで楽しんでください。以下でスイス料理を詳しく紹介していますので、ぜひ読んでみてください。
6. 会話帳でコミュニケーション
有名な観光地では、英語でのコミュニケーションには困らないと思いますが、だからと言って、英語だけで会話を済ませてしまうのも少し寂しい気もします。旅行する地域ごとに、標識などをみれば、どの言語圏なのかは一目瞭然です。
ちょっとしたドイツ語、フランス語の会話帳、あるいはガイドブックの巻末に記載されている会話例などを使用して、「こんにちは」や「ありがとう」といった言葉だけでも英語以外での言葉で話しかければ、相手も喜んで応対してくれるでしょう。
7. 夏でも寒さ対策を忘れずに
ヨーロッパの中心に位置するスイスですが、その緯度は北海道よりも北になります。ご想像の通り、冬の寒さが厳しいのは言うまでもなく、夏でも湿度が低く、朝晩は少し肌寒く感じることもあります。
冬はもちろん、春や夏にスイスへ旅行する方も、防寒対策のブルゾンやカーディガンなどを準備に入れておくとよいでしょう。
スイスの天気については以下の記事で解説しています。旅行前に持ち物を確かめるためにもぜひ一読ください。
8. 紫外線・乾燥にも注意を
寒さに加えて注意しなければならないのが、紫外線と乾燥です。特に人気の観光地であるアルペンリゾートなど標高の高い地域は紫外線もきついので、サングラス、帽子、日焼け止めは必須です。
また、乾燥している場所も多いので、リップクリームやハンドクリームを携帯することをお勧めします。特に、ハイキングやトレッキングなど野外での活動を計画されている方には、これらは必需品となります。
まとめ
いかがでしたか?
スイスの公用語が4つもあるということを知らなかった方も意外に多いのではないでしょうか。九州ほどの大きさの国ですが、地域ごとに話す言葉が分かれ、言語の表示も最大4つになるなど、日本では味わえない雰囲気も魅力です。それでも、観光地では英語は広く通じますので、安心して旅立っていただければと思います。
スイスの公用語は英語?旅行前に知るべき8つのポイント
1. スイスの公用語は?
2. スイスで英語は通じる?
3. 英語は第5の公用語?
4. 意外に苦戦するジュネーブ
5. 困ったときは英語が分かる人を探そう
6. 会話帳でコミュニケーション
7. 夏でも寒さ対策を忘れずに
8. 紫外線・乾燥にも注意を