海外旅行先として人気のアメリカ合衆国。日本との時差は実に6種類もあります。ハワイからアラスカまで、その圧倒的な広大さがアメリカの魅力の1つですが、国土が広い分、国内とはいえ時差が複数存在しているのです。今回は、アメリカの6つの時差を詳しく説明し、日本から各主要都市へのフライト時間やおすすめの行き方を徹底的にご紹介します。
アメリカとの時差・主要都市へのフライト時間を徹底調査!
1. 6つもあるアメリカの時間帯
広いアメリカは地域によって時差があってそれぞれ時刻が違います。それも、アメリカ全土だと6つのタイムゾーンに分かれているので、同じ国内でも6時間も時刻が違う場所があるんです。
その6つのタイムゾーンとは、東から順に東部標準時、中部標準時、山岳部標準時、太平洋標準時、アラスカ標準時、ハワイ・アリューシャン標準時。日本人にはなじみの深いアメリカ準州のグアムはまた別のタイムゾーンですから、私たちがアメリカへ旅行する時は、7つの時差のどれかと必ず付き合うことになるわけですね。
それではこれから、それぞれのタイムゾーンと、そこにはどんな都市が含まれるのかを簡単に見ていきましょう。
・東部標準時地域
東部標準時(Eastern Standad Time:略称EST)は、イギリスのグリニッジ天文台を基準とする協定世界時を5時間遅らせた標準時で、日本との時差はマイナス14時間になります。日本が2日の正午の場合、東部標準時では14時間前の1日の午後10時になります。アメリカでいちばん時刻が先行する地域です。アメリカ50州の半分近くがこの東部標準時に含まれるのですが、これは最初に独立を宣言した東部の13州が、西部開拓時代以降の州に比べると面積が小さいせいでもあります。そのためこのエリアには、アメリカ主要都市の大部分が含まれています。主な都市を挙げますと、アトランタ、オーランド、デトロイト、ニューヨーク、フィラデルフィア、ボストン、マイアミ、ワシントンDCなどです。
・中部標準時地域
中部標準時(Central Standard Time:略称CDT)は、協定世界時を6時間遅らせた標準時で、日本との時差はマイナス15時間になります。日本が2日の正午の場合、中部標準時では15時間前の1日の午後9時になります。いわゆるアメリカ中西部の大部分がここに属します。この地域の代表的な都市としては、シカゴ、セントルイス、ダラス、ニューオーリンズ、ミネアポリス、ヒューストンなどがあります。・山岳部標準時地域
山岳部標準時(Mountain Standard Time:略称MST)は、協定世界時を7時間遅らせた標準時で、日本との時差はマイナス16時間になります。日本が2日の正午の場合、山岳部標準時では16時間前の1日の午後8時になります。アメリカ西部にあたります。ここには、ソルトレイクシティ、デンバー、フェニックスなどの都市がありますが、日本の観光客にはなじみの薄い場所が多いのではないでしょうか。・太平洋標準時地域
太平洋標準時(Pacific Standard Time:略称PST)は、協定世界時を8時間遅らせた標準時で、日本との時差はマイナス17時間になります。日本が2日の正午の場合、太平洋標準時では17時間前の1日の午後7時になります。太平洋に面した地域がこれに属します。ここには、カリフォルニア、ワシントンの2州と、アイダホ、オレゴン州、ネバダの一部が含まれます。州の数は少ないのですが、サンフランシスコ、シアトル、ラスベガス、ロサンゼルスという日本人に人気の観光地が多く含まれるのがこの地域です。
・アラスカ標準時地域
アラスカ標準時(Alaska Standard Time:略称AKST)は、協定世界時を9時間遅らせた標準時で、日本との時差はマイナス18時間になります。アラスカ州がこれに属します。日本が2日の正午の場合、アラスカ標準時では18時間前の1日の午後6時になります。・ハワイ・アリューシャン標準時地域
ハワイ・アリューシャン標準時(Hawaii-Aleutian Standard Time:略称HAST)は、協定世界時を10時間遅らせた標準時で、日本との時差はマイナス19時間になります。日本が2日の正午の場合、ハワイ・アリューシャン標準時では19時間前の1日の午後5時になります。ハワイ諸島とアリューシャン列島がここに含まれます。
2. 夏時間に注意
ひとつの国の中に6つも時間帯があるとなかなかややこしいのですが、アメリカには夏時間があるので、さらにやっかいになります。これは日照時間の長い夏の間、時計の針を一時間進めて一日を長く使おうという制度です。東部標準時を例に取りますと、日本が2日の正午の場合、東部標準時では14時間前の1日の午後10時になっていたのが、夏時間では1時間時刻が進んで13時間前の午後11時になる訳です。
夏時間、いわゆるサマータイムと聞くと、夏の短い間だけの制度のような気がしますが、実際には3月の第2日曜の午前2時から11月の第1日曜日の午前2時までという長期間続くので、一年の3分の2は夏時間なのです。そのため、現在はサマータームではなくデイライト・セービング・タイム、日中を無駄にしない時間と呼んでいます。これがまたややこしいことに、地域によっては夏時間を導入していないところもあるのです。具体的には、アリゾナ州の大部分とインディアナ州東部、ハワイ州が夏時間を採用していません。これ以外にも地域によってタイムゾーンが分かれている州もたくさんあるので、アメリカ国内を移動する時は、時計の針を進めたり戻したりと忙しいことになってしまいます。アメリカ人も混乱するようなので、現地の時計に合わせていくのが一番のようです。
3. 各ゾーンの都市へのフライト時間
今までお話したタイムゾーンや夏時間は、実際の時間経過とは別に時計の針を変えるというものでしたが、これだと日本からの旅行の場合、実際のフライト時間の目安がつきにくくなります。今度は、主な都市までの飛行時間が、実際には何時間あるのかを見ていきましょう。いずれも成田発の直行便を基準にしています。
東部標準時地域のワシントンDCとアトランタは約12時間半、ニューヨークとボストンは約13時間、デトロイトは約14時間が平均的なフライト時間です。なお、ウォルト・ディズニー・ワールドをはじめとするテーマパークがあって、日本からの観光客も多いオーランドは直行便がないため、乗り継ぎ時間を入れると17時間以上はかかります。
中部標準時地域のミネアポリスは約11時間、シカゴ、ヒューストン、ダラスは約12時間が標準的な飛行時間になります。
山岳部標準時地域では、デンバーが約11時間です。
太平洋標準時地域では、シアトルが約9時間、サンフランシスコが約9時間半、ロサンゼルスが約10時間、サンディエゴが約10時間半程度です。日本人にも人気のラスベガスは、オーランド同様直行便がないため、所要時間は14時間程度になります。
アラスカ標準時地域のアンカレッジは、直行便がないため17時間程度はかかります。
ハワイ・アリューシャン標準時地域のホノルルへのフライト時間は、7時間半前後です。
4. 直行便ならやはり成田発
日本からアメリカへ行くのなら経由便よりも直行便が楽なのですが、直行便で行ける都市と直行便が出ている空港は、かなり限定されています。
便数がいちばん多いのは成田空港で、アトランタ(デルタ)、サンディエゴ(日本航空)、サンノゼ(全日空)、サンフランシスコ(ユナイテッド、全日空)、シアトル(全日空、デルタ)、シカゴ(日本航空、全日空、ユナイテッド、アメリカン)、ダラス(アメリカン)、デトロイト(デルタ)、デンバー(ユナイテッド)、ニューヨーク(日本航空、全日空、デルタ、ユナイテッド)、ヒューストン(ユナイテッド)、ボストン(日本航空)、ポートランド(デルタ)、ミネアポリス(デルタ)、ロサンゼルス(日本航空、全日空、デルタ、ユナイテッド、シンガポール)、ワシントンDC(全日空、ユナイテッド)の各都市に直行便が飛んでいます。
次は羽田空港で、サンフランシスコ(全日空、ユナイテッド)、シアトル(全日空、デルタ)、ロサンゼルス(全日空、デルタ)の西海岸各都市への直行便があります。
これに対して地方空港からのアメリカ本土直行便は、中部国際空港からのデトロイト(デルタ)行きと、関西空港からのサンフランシスコ(ユナイテッド)とニューヨーク(チャイナ)行きしかないのです。地方在住の人は、アメリカへの旅行は国内線で成田や羽田に飛んで、そこから直行便に乗るという方法をとることが多くなります。
なお、日本の海外旅行の原点ともいうべきハワイは別格で、札幌(ハワイアン)、仙台(ハワイアン)、成田(日本航空、全日空、デルタ、ユナイテッド、チャイナ、大韓)、羽田(日本航空、全日空、ハワイアン)、関西(日本航空、デルタ、ハワイアン)、中部(日本航空、デルタ)、福岡(デルタ)の各空港から直行便が出ています。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
日本で暮らしていると実感することのない時差や夏時間ですが、アメリカは地域によって6種類の時間帯が存在する上に、夏時間を導入している地域とそうでない地域が混在しています。実際、アメリカ人でも混乱することがあるようなので、日本人が完璧に理解しようとしなくてもいいかもしれませんが、せめて目的地の時差は旅行を計画する上でしっかり覚えましょう。また、乗り継ぎで行く際は、日本、経由地、目的地と2回時刻を合わせなければななりませんのでご注意ください。今回ご紹介した時差とフライト時間情報をしっかり押さえて、効率的な旅行プランを見つけてくださいね。
アメリカとの時差・主要都市へのフライト時間を徹底調査!
1. 6つもあるアメリカの時間帯
2. 夏時間に注意
3. 各ゾーンの都市へのフライト時間
4. 直行便ならやはり成田発