最近ベトナムでは刺青やタトゥーを入れた人をよく見かけます。筆者がベトナムに住み始めた頃はほぼ見なかった刺青やタトゥー。今では街を歩けば必ず1人は見かけるほどになりました。日本では公共の場では禁止されていたり、少し怖いイメージもありますが、ベトナムではどう思われているのでしょうか?今回は、ベトナム在住中の筆者が刺青・タトゥーについて調査してきました!
ベトナムで刺青・タトゥーはどう思われているか調査!
1. 刺青・タトゥーはどんな人がするの?
よく見かけると言っても、どんな人がしているのでしょうか?街を歩いて調べてみました。街を見る限り、ほとんどが若者です。特に10代後半〜20代の男性に多いようです。女性もしている人はいますが、男性と比べるとかなり少ないです。男性に関して言えば、特に怖そうな人というわけでもなく、ごくごく普通の若者という印象です。職業は関係なさそうに見えますが、見た限り、若いカメラマンはほぼ9割タトゥーをしています。(ベトナムは写真大国なので、街中にカメラマンがたくさんいます。)
女性は、髪の毛を染めている人の方がタトゥーをしている率が高いように感じますが、ベトナム人の知人の話によると、一見清楚そうに見えても、背中やお尻など見えない場所にタトゥーを入れている女性は多いとのこと。また、40代以上の女性に多いのが、眉毛やアイラインのタトゥーです。ただしこれはメイクの1つで、体にイラストを描くタトゥーとは別物という考えのようです。インターネットで海外のファッションを調べたり、観光客やベトナム在住の外国人も増え、海外のファッションを参考にしている若者が増えているのも1つの要因のようです。
2. 若者・高齢者はそれぞれどう思ってる?
若者はタトゥーを入れることについて、特別変わったこととは思っていないようです。特に深く考えず、気軽にファッション感覚で入れる人が多いです。
対して、高齢者はあまり良くないイメージを持っているようです。実際に高齢者でタトゥーをしている人を筆者はまだ見たことがありません。また、新聞やインターネットなどでも刺青やタトゥーのリスクをまとめた記事を多く見かけるようになりました。若いうちにファッション感覚で入れ、30代頃になり刺青を消したいと思う人も多いようですが、消した跡がケロイドになったり、皮膚移植で膨大な費用がかかったりなどデメリットが目立ち、警鐘を鳴らすメディアが増えてきました。
3. 男性のタトゥーと女性のタトゥーの印象の違いは?
女性のタトゥーは、男性のタトゥーよりも印象が悪いようです。もともとベトナム人女性は黒髪ストレートでスタイルも良く、美しい印象があるのですが、最近では奇抜な髪の色やファッションの女性も増えてきました。しかし、やはりベトナム人の中でも「アオザイを着た美しい女性」像に憧れや誇りを持っている人は多く、刺青やタトゥーは似つかわしくないと考えているようです。
4. 就職活動に影響はある?
今のところ就職活動ではほぼ影響がなく、職業に関係なく受け入れられているようです。ただし、日系企業などでは敬遠されがちな印象です。筆者が驚いた例では、子ども向けのフォトスタジオのスタッフのほとんどが刺青を入れており、特に隠す様子もなく半袖やタンクトップを着ていました。子どもの撮影に来ていた親(20代くらい)も嫌な様子は見せていなかったのですが、刺青のあるスタッフやカメラマンが子どもをあやしながら撮影している様子は、日本人の筆者からすると異様な光景でした。
そんなベトナムですが、国家機関で働く場合には刺青は不可のようです。ベトナムは社会主義国なだけあって、国家機関で働くことがステータスとなり、かなりの高給取りになれます。しかし刺青やタトゥーがあることによりその夢は閉ざされることになります。中には、国家機関に入るために刺青を消す人もいるようです。
5. 出入り禁止や制限を受ける事はないの?
日本では温泉などの公共施設では制限がありますが、ベトナムでは特にありません。市民プールやスパなどでも気にすることなく楽しんでいます。むしろ、施設のスタッフがタトゥーを入れていることも珍しくありません。
6. 芸術的?おもしろ刺青・タトゥー!
街で注意深く観察していると、日本語や日本に関する絵を彫っている人もいました。中でも目を疑ったのが、「タイツ」といびつなカタカナで書かれていた青年。なぜタイツ…?もしや凄い趣味をお持ちなのでは…と疑いつつ声をかけてみました。聞くところその青年の名前は「Thach」くん。日本語で読むと「タイッ」くんです。なるほど、自分の名前を彫ったけど、掘った人が日本語に慣れてないせいで、ツは大文字になってしまったんですね…。失礼ながら、いびつなので余計に笑ってしまいそうになりますが、そこはぐっと我慢しました。そして、タイツの意味を知ってしまったら可哀想な気がしたので、そのまま黙っておきました…。
まとめ
いかがでしたか?
ベトナムでは刺青やタトゥーに対してかなり寛容な一方で、あまりにも増加している若者のタトゥーに警鐘を鳴らし始めています。タトゥーを一つの芸術作品として楽しむことには反対しないが、リスクや将来のこともよく考えてから行動に移しましょう、という考えのようです。日本よりも手軽に受け入れられる環境だからこそ、自己責任で楽しむことが大切なんですね。
ベトナムで刺青・タトゥーはどう思われているか調査!
1. 刺青・タトゥーはどんな人がするの?
2. 若者・高齢者はそれぞれどう思ってる?
3. 男性のタトゥーと女性のタトゥーの印象の違いは?
4. 就職活動に影響はある?
5. 出入り禁止や制限を受ける事はないの?
6. 芸術的?おもしろ刺青・タトゥー!